
終盤に逆転し勝利 1勝1敗タイに戻す/東京六大学春季リーグ戦

ついに眠れる大砲・菅野が目を覚ました。2球目の高めの直球を完璧に捉え、打球はそのまま右翼席に吸い込まれた。決勝打となる2点本塁打。「打った瞬間入ったと思った」。完全復活を印象付けるには十分な打球だった。
今季は慶大戦まで5分3厘と絶不調で「何が悪いのかわからない」ともがき苦しんだ。慶大3回戦では4番に座りながら6回1死一塁のチャンスで代打を送られる屈辱も味わった。さらには法大1回戦から6番に降格。昨年までの姿はどこにもなかった。
復調の兆しが見えたのはその法大1回戦。2打席目の初球を強振し、一塁線へのファールボール。この打席、二ゴロに倒れたがこのファール一球でタイミングをつかんだ。すると今日の試合では4打数3安打。内訳は本塁打1本、二塁打1本、安打1本とそれまでの不調を感じさせない活躍ぶりだった。
先発の上原健太投手(商3=広陵)は苦しい投球が続いた。3回、田中に先制の左前適時打を浴びると、直後の5回にまたしても田中に2点適時三塁打を浴び、勝ち越しを許してしまう。「要所要所で打たれてしまった」と悔しさをにじませた。それでも6回1死一、三塁のピンチではまず金子を三邪飛。変化球を有効に使うと、続く安慶名には直球で押し二ゴロに仕留めた。これ以上の追加点は許さない、意地の投球をみせた。
命運は第3戦へと託された。打線は今試合13安打と奮起。チーム打率も2割9分4厘と上向きだ。勢いそのままに連勝で優勝戦線に踏みとどまりたい。第3戦は山崎福也投手(政経4=日大三)の先発が予想される。1回戦で手痛いサヨナラ負けを喫し、涙を流した山崎。再びマウンドに上がり、雪辱を果たしてみせる。
[西谷侑紀]
打順 | 守備 | 名 前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (遊) | 福田(広陵) | 4 | 3 | 1 | .474 | 中安 | 投飛 | 中安 | 死球 | 左安 | ||||
2 | (中) | 高山(日大三) | 5 | 2 | 1 | .407 | 遊併 | 二失 | 右安 | 左安 | 三振 | ||||
3 | (一) | 眞榮平(興南) | 4 | 1 | 0 | .350 | 右安 | 遊飛 | 一ギ | 二邪飛 | 三振 | ||||
4 | (二) | 糸原(開星) | 4 | 1 | 0 | .238 | 二ゴ | 遊ゴ | 二飛 | 遊安 | 四球 | ||||
5 | (三) | 植田(関西) | 2 | 0 | 0 | .500 | 一飛 | 四球 | 四球 | 一ギ | 中飛 | ||||
6 | (左) | 菅野(東海大相模) | 4 | 3 | 2 | .174 | 左二 | 右安 | 三振 | 右本 | |||||
7 | (右) | 海部(履正社) | 4 | 1 | 1 | .143 | 三振 | 右安 | 投ゴ | 遊直 | |||||
8 | (捕) | 坂本(履正社) | 2 | 1 | 0 | .250 | 三ゴ | 投ギ | 四球 | 中安 | |||||
9 | (投) | 上原(広陵) | 2 | 1 | 0 | .200 | 投安 | 投ゴ | |||||||
打 | 上西(明大中野八王子) | 1 | 0 | 0 | .000 | 二飛 | |||||||||
投 | 柳(横浜) | 1 | 0 | 0 | .333 | 捕飛 | |||||||||
計 | 33 | 13 | 5 | .294 | |||||||||||
名 前 | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 球数 | 安 | 振 | 球 | 責 | 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
上原(広陵) | 5 | 0 | 1 | 6 | 103 | 4 | 6 | 2 | 1 | 3.63 |
○柳(横浜) | 4 | 2 | 0 | 3 | 37 | 1 | 5 | 0 | 0 | 2.08 |
10 | 高橋隼(法4=日本文理) | 5 | 糸原(営4=開星) | 6 | 福田(商4=広陵) |
---|---|---|---|---|---|
11 | 山崎(政経4=日大三) | 12 | 坂本(文3=履正社) | 26 | 吉田(国際2=佼成学園) |
18 | 今岡(文4=横浜隼人) | 3 | 眞榮平(政経4=興南) | 8 | 長嶺(文4=宮崎工) |
29 | 月田(商4=熊本工) | 25 | 佐野友(商4=日大三) | 7 | 菅野(法3=東海大相模) |
1 | 上原(商3=広陵) | 14 | 大塚(商3=花咲徳栄) | 38 | 高山(文3=日大三) |
17 | 柳(政経2=横浜) | 16 | 宮内(政経3=習志野) | 24 | 海部(商3=履正社) |
23 | 星(政経2=宇都宮工) | 4 | 植田(文4=関西) | 37 | 小倉(文3=関西) |
31 | 齊藤(政経1=桐蔭学園) | 34 | 竹村(政経1=浦和学院) | ||
2 | 佐野恵(商2=広陵) | 28 | 上西(営3=明大中野八王子) |
早 | 慶 | 明 | 法 | 立 | 東 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 引分 | 勝ち点 | 勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
早大 | — | ○○ | ○●○ | ○○ | 7 | 6 | 1 | 0 | 3 | .857 | ||
慶大 | — | ○△○ | ○○ | 5 | 4 | 0 | 1 | 2 | 1.000 | |||
明大 | ●△● | — | ●○ | ○○ | 7 | 3 | 3 | 1 | 1 | .500 | ||
法大 | ●● | ○● | — | ○○ | 6 | 3 | 3 | 0 | 1 | .500 | ||
立大 | ●○● | ●● | — | 5 | 1 | 4 | 0 | 0 | .200 | |||
東大 | ●● | ●● | ●● | — | 6 | 0 | 6 | 0 | 0 | .000 |
試合後のコメント
チームをけん引する高橋主将
「何とか悪い流れを断ち切って、明日以降に望みがつながりました。もうやるぞといい雰囲気でした。(明日以降の試合は)やるしかないなと。昨日は帰ってからも練習して、今日も朝納得するまで練習して臨んで、苦しい試合でしたが不調だった菅野がホームランを打ってチームの雰囲気も上がってきました。いい雰囲気を続けて明日の試合に臨みたいと思います」
6回3失点と粘投した上原
「要所要所で打たれたのが今後の課題だと思います。(5回の2点適時三塁打は)コースが悪いというわけではなかったと思うんですが、綺麗に運ばれてしまったのは自分の力不足かな、と思います。(フォークと直球を使い分けは)結構効いていたと思います。明日はリリーフとしての仕事、抑えとしての仕事をきっちりしたいと思います」
2点本塁打で勝利に大健闘した菅野
「(7回の本塁打は)打った瞬間入ったと思いました。(打ったのは)真っすぐです。昨日の試合まで何が悪いのか分からなかったです。昨日の2打席目の初球の一塁線へのファールでタイミングを掴めました。それがあって今日は良い感じで打席に入れました。(調子の悪い期間は)前から来るボールを打たずに素振りを重点的に行いました。(昨日の試合で4番から6番に下がったが)打順は特に意識はしていないです。(4番のプレッシャーは)少なからずありました。自分で背負いすぎた部分がありました。自分もチームも崖っぷちですが、自分が打てば勝つ試合が多いので、明日以降も打って明治を勝たせたいです」
6回に同点となる右前適時打を放った高山
「何も狙っていないというか、打つしかない、自分が打たないといけないという気持ちでした。あれで追い付いたので、ひとまず良かったなというくらいで、それ以上はないですね。もう本当に負けられないと思うので、今日みたいに粘って明治らしく勝っていきたいです」
投球が光り、3回無失点に抑えた柳
「まっすぐも変化球も低めに集められていたので、よかったです。前回はとても興奮していて冷静さに欠けてしまったところがありましたが、今日はとても落ち着いて冷静に投げれたことが良かったと思います。緊迫した場面での登板でしたが簡単に点はやらないという気持ちでマウンドに上がりました。今日はなんとかしたいという気持ちで、チームが勝てたのでほっとしました」
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