ルーキーの活躍で法大に逆転勝利/東京六大学春季リーグ戦
同点弾となる本塁打を放り込んだ。2点を追う8回無死一塁、バッターボックスに立ったのはルーキーの多々野。3球目、真ん中高めに入った直球を捉えると、打球は綺麗な弧を描き右翼席に飛び込んだ。同点本塁打に明大ベンチの歓声はこの日最高潮に。「チームに貢献できて良かった」と多々野は大学初先発を華々しく飾った。この本塁打で明大打線は活気づき、8回だけで5四死球、5安打をたたき出し8得点を挙げた。「チャンスをつくりながらもあと1本が出なかった」(加藤直紀主将・商4=明大中野八王子)と前半は先発の末次(法大)に抑えられたが、同点弾で一変させた。
投打で活躍を見せた。同点に追い付いた8回無死満塁で篠原が左前適時打を放つ。この一撃で逆転に成功した。ルーキーの篠原はこの日が19歳の誕生日。バースデーゲームでの勝ち越し打に「振ったら絶対ヒットになると思って振った」とはにかんだ。
投球でも支えた。逆転した8回、1死の場面で左前二塁打を浴び、続く8番の一ゴロで三塁に走者を背負った。「自分はピンチの時ほど強い」(篠原)とその後は三飛に抑え、得点を許さなかった。試合前、同じルーキーの金子昂平(営1=済美)に「『今できることをしっかりやれ』と言われて結構心に響いて、うまく臨めた」。仲間の支えでデビュー2戦目を無失点で終えた。
交代投手の継投で流れを呼び込んだ。先発の菊池が初回、小野(法大)に本塁打を浴び先制を許す。4回8安打6失点と法大打線に苦しめられる中、5回から渡辺誠がマウンドに上がった。ストライクを先行し、2回を無安打無失点。「自分でもびっくりするくらいコントロールが良かった」と2回とも3人で切って取った。その後は篠原・赤尾が抑え、2投手の継投で3回を4安打無失点と逆転後も崩れなかった。

2回を無安打無失点に抑えた渡辺誠
新勢力に期待だ。初回に本塁打を浴び先制を許した明大だが、ルーキー勢の活躍で逆転勝利を成し遂げた。「新しい力に期待している」(加藤)と1年生に懸ける思いは厚い。
「次勝たないと今日勝った意味がない」(加藤)。9回2死から追い付かれた前日の敗戦を生かし、最後まで集中力を切らさなかったことが勝利に奏功した。3戦目でも最後まで気を抜かず、試合を進めていきたいところだ。勝ち点を奪うべく、次戦に挑む。
[橋本杏菜]
試合後のコメント
加藤
「チャンスつくりながらもあと1本が出なくて、嫌な流れの中でエラー絡んでの失点だった。諦めることなくチャンスをつくり続けて、7回、8回に3点と8点と点を取れたので、そこは本当に良かった。1年生がよく打ってくれた。1年生は試合関係なく思い切ってやればいいと思っているので、ミスしようが関係なく。その中で自分の与えられたところでしっかり自分の仕事をしてくれているので、今日の勝利は1年生の活躍が大きかった。(渡辺誠の投球も流れを呼んだのでは)菊池は打ち込まれていてそろそろ限界かなと思っていたのと、誠人が調子いいのでピッチャー替えて流れを変えようというのがあった。誠人がしっかり3人で抑えてくれたので、整備挟んで6回以降から流れを持って来られた。試合を通してチャンスをつくれていないわけではないので、粘り強くチャンスをつくり続けるしかない。(次戦に向けて)次勝たないと今日勝った意味がない。しっかりと攻撃をし続ければ、チャンスは必ず来るはずなので、チーム一丸となってベンチも含めて、何とか勝ち点をもぎ取りたい」
渡辺誠
「点差が開いていたがとりあえず自分が0で抑えて流れを持って来ようと思ってマウンドに上がった。自分でもびっくりするくらいコントロールが良くてストライク先行できたので結構楽に投げられた。今まで全然投げられてなかったので4年で最後の年なのでしっかり活躍したいと思っていてよくできたかなと思う。(点数を付けるとすると)2回だったのでもっと長く投げたら崩れるかもしれないので2回で抑えたということで80点くらいですかね。(1年生も打線で活躍していたが)学年関係なく活躍できそうなやつを使う方針なので、1年生が思いっ切りできるような環境をつくるというのが結果に出て、伸び伸びできたんじゃないかと思う。(逆転したが、今日のチームの雰囲気は)1回戦は最後勝ったと思ってみんな気を抜いていて追い付かれてしまった。負けていてもみんな声を出していたし、試合が終わるまで気を抜かずに集中していたと思う。(次戦に向けて)自分の場面があればしっかり自分の力を出して出られるように頑張りたい」
久保田駿(法1=広陵)
「自分のミスで点を与えてしまって、リードされてしまって何とか取り返したかったので、勝てて本当に良かった。(自身の成績については)自分はホームランとか打てないので、ヒットとかデッドボールで出塁してチームに貢献できたか分からないが、その点は良かった。(自身の持ち味は)守備面でアウトにするところを確実にアウトにする。派手なプレーはやらずに、堅実に一つのアウトをしっかり取るということを意識している。(篠原と話していたのは)点差があったのでランナーは気にせずに1個のアウトを取っていこうと話はしていた。ピッチャーを安心させるというか。コミュニケーションを取って信用されると思っているので、コミュニケーションを取っている。(新しくチームに入って)先輩方は優しく、野球のやりやすい環境で野球ができている。(2試合連続先発だが)使ってもらっているのはありがたいので、期待に応えられるように全力でやりたい。(大学での目標は)日本一。高校の時から日本一を目標にしている。(次戦に向けて)自分のできることをしっかりやって、勝ち点を取りたい」
篠原
「昨日に比べていい状態で臨めた。1年生の金子に『今できることをしっかりやれ』と言われて結構心に響いて、うまく臨めた。(勝ち越し打は)今日誕生日なので打てた。バースデーゲーム勝って良かった。(打つ時の気持ちは)多々野がホームラン打ったり、先輩たちに流れをつくってもらってすごく盛り上がっている状態で打席に入ったのでここは振ったら絶対ヒットになると思って振った。(自身の特徴は)ピンチの時ほど強い。ノーアウト満塁とか、そういう時の方が逆に燃える。(目標は)チームとしては日本一。個人としては六大一のピッチャーを目指す。(六大一の投手が身近にいるが)赤尾さんの背中を追って練習して今年中に抜けなくても、赤尾さんがいなくなった穴を埋められるように自分が引っ張っていきたい。(次戦に向けて)チーム一丸となって初めから点を取って勝ちたい」
多々野
「期待されて試合に出させていただいて、ずっと結果出せていなかったので少しだがチームに貢献できて良かった。(同点に追い付けて)昨日も逆転負けしていて、今日勝たないと明日がないのでつなぐ意識はあったがそれが結果的にホームランになって良かった。2点差であまりバントはないと思っていたので思い切っていこうとは思っていた。先輩方の大事な試合なので打ててホッとした。(最初点を取られていて)流れは相手にあったので少しずつでも返していけば後半やっぱり野球は何が起こるか分からないので、そこに期待はしていた。(ファーストの守備に関して)高校時代からサード、ファースト、外野をやっていたので自分的には何も違和感は無かった。(新しくチームに入って)先輩方にも優しくしていただいて、すごくやりやすい雰囲気の中でやらせていただいている。(次戦に向けて)絶対勝ち点を取りたい」
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