
山崎が投打に活躍 開幕を白星で飾る/東京六大学春季リーグ戦

球場が静寂につつまれ、ざわめいた。2球目の内角直球にうまく反応。きれいに腕をたたんで捉えた打球は低い弾道でぐんぐん伸び、ライトスタンドにそのまま突き刺さった。「入るかわからなかったがいい感触だった」。相手先発・辰亥にとどめを刺し、勝機をうかがっていた東大から一気に流れを奪い去るには十分だった。昨春のリーグ戦では打率.364と、元々バッティングの良さには定評がある。ただ、大学に入ってから本塁打を放ったのは今回が初めて。一塁ベースを回ってから本人も立ち止まって打球を確認したほど驚きの当たりだった。「打撃の調子はいいです」。ラストイヤーは投球だけでなく、センス抜群の打撃からも目が離せない。
華々しい神宮デビューを決めた。竹村春樹内野手(政経1=浦和学院)が1番遊撃手で先発出場。第1打席で辰亥の内角の直球をライト前にうまく弾き返すと、続く2番高山俊外野手(文3=履正社)の打席ですかさず盗塁。好機を演出し、先制点につなげた。「積極的にいこうと意識していた」。守備の機会は6回の遊ゴロ1度だけに終わったが軽快にさばき、高い守備力をうかがわせた。
開幕まで順調に来たわけではなかった。3月12日に出場したオープン戦で、イレギュラーした打球が右目に直撃。その場にうずくまり、途中交代した。ケガが治るまでの間は自宅療養。練習に参加できなかった。「もう大丈夫です」と戻ってきてから2週間。開幕スタメンを勝ち取り、走攻守に堂々たるプレーを見せた。
連勝で勝ち点奪取だ。昨季から主力の福田周平内野手(商4=広陵)、糸原健斗内野手(営4=開星)がそろって先発出場していない中での試合だったが、同じ4年生の眞榮平、植田弘樹内野手(文4=関西)を中心に15安打7得点と打線は活気がある。高橋隼之介主将は「冬にやってきたことが発揮できていいスタートだった」と振り返った。明日も東大に勝利し、第1カードを幸先よく締める。
★齋藤が神宮初登板★
オープン戦から頭角を現していた齊藤大将投手(政経1=桐蔭学園)も神宮デビューした。9回無死一、二塁から登板。ピンチの場面でマウンドに登ったが、奪三振1を含む打者3人で試合を締めくくった。
[箭内桃子]
打順 | 守備 | 名 前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (遊) | 竹村(浦和学院) | 4 | 1 | 0 | .250 | 右安 | 二飛 | 中飛 | 左飛 | |||||
打 | 佐野友(日大三) | 1 | 1 | 1 | 1.000 | 中二 | |||||||||
走遊 | 吉田(佼成学園) | 1 | 0 | 0 | .000 | 二ゴ | |||||||||
2 | (中) | 高山(日大三) | 2 | 0 | 0 | .000 | 四球 | 三振 | ニゴ | 四球 | 死球 | ||||
3 | (右) | 萩原(九州学院) | 2 | 0 | 0 | .000 | 三振 | 三振 | |||||||
打 | 高橋亮(前橋育英) | 1 | 0 | 0 | .000 | 投飛 | |||||||||
左 | 長嶺(宮崎工) | 2 | 0 | 0 | .000 | 三ゴ | 三振 | ||||||||
4 | (左)右 | 菅野(東海大相模) | 4 | 0 | 0 | .000 | 一ゴ | 一邪飛 | 二飛 | 四球 | 三ゴ | ||||
捕 | 高橋隼(日本文理) | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
5 | (一) | 眞榮平(興南) | 5 | 3 | 1 | .600 | 左安 | 遊飛 | 右安 | 三振 | 右安 | ||||
走右 | 海部(履正社) | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
6 | (三) | 植田(関西) | 5 | 4 | 0 | .800 | 投安 | 一飛 | 左安 | 左安 | 中安 | ||||
7 | (捕) | 坂本(履正社) | 4 | 1 | 1 | .250 | 三振 | 右飛 | 投ギ | 一飛 | 中安 | ||||
一 | 石井(履正社) | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
8 | (投) | 山崎(日大三) | 4 | 3 | 3 | .750 | 左安 | 投安 | 右飛 | 右本 | |||||
投 | 星(宇都宮工) | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
打二 | 糸原(開星) | 0 | 0 | 0 | — | 四球 | |||||||||
9 | (二) | 宮内(習志野) | 3 | 2 | 0 | .667 | 投ギ | 左安 | 三ゴ | 左安 | |||||
打 | 上西(明大中野八王子) | 1 | 0 | 0 | .000 | 一ゴ | |||||||||
投 | 北田(倉吉東) | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
投 | 齊藤(桐蔭学園) | 0 | 0 | 0 | — | ||||||||||
計 | 39 | 15 | 6 | .436 | |||||||||||
名 前 | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 球数 | 安 | 振 | 球 | 責 | 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
◯山崎(日大三) | 1 | 1 | 0 | 7 | 89 | 3 | 6 | 0 | 0 | 0.00 |
星(宇都宮工) | 1 | 0 | 0 | 1 | 11 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0.00 |
北田(倉吉東) | 1 | 0 | 0 | 0 | 7 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0.00 |
齊藤(桐蔭学園) | 1 | 0 | 0 | 1 | 11 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0.00 |
10 | 高橋隼(法4=日本文理) | 2 | 佐野恵(商2=広陵) | 34 | 竹村(政経1=浦和学院) |
---|---|---|---|---|---|
11 | 山崎(政経4=日大三) | 3 | 眞榮平(政経4=興南) | 8 | 長嶺(文4=宮崎工) |
18 | 今岡(文4=横浜隼人) | 25 | 佐野友(商4=日大三) | 7 | 菅野(法3=東海大相模) |
19 | 北田(法4=倉吉東) | 13 | 高橋亮(政経3=前橋育英) | 24 | 海部(商3=履正社) |
1 | 上原(商3=広陵) | 5 | 糸原(営4=開星) | 28 | 上西(営3=明大中野八王子) |
17 | 柳(政経2=横浜) | 16 | 宮内(政経3=習志野) | 38 | 高山(文3=日大三) |
23 | 星(政経2=宇都宮工) | 4 | 植田(文4=関西) | 9 | 萩原(営2=九州学院) |
31 | 齊藤(政経1=桐蔭学園) | 15 | 石井(営3=履正社) | ||
12 | 坂本(文3=履正社) | 26 | 吉田(国際2=佼成学園) |
明 | 早 | 法 | 東 | 立 | 慶 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 引分 | 勝ち点 | 勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
明大 | — | ○ | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | ||||
早大 | — | ○ | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | ||||
法大 | ● | — | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | ||||
東大 | ● | — | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | ||||
立大 | — | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 | |||||
慶大 | — | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 |
試合後のコメント
9回から出場した高橋隼主将
「冬にやってきたことが発揮できていいスタートでした。ただ、チーム内の攻撃が円滑に進まなかったので、そこが課題なので修正して明日の試合に臨みたいと思っています。1年生もチームに加わって非常に1,2,3.4年生まとまってやれてるかなと思います」
投打に大活躍の山崎
「今日はまずまずでした。それでもヒット数を減らしたいと思います。開幕投手を告げられたのは木曜日です。(4回1死一、二塁の場面は)坂本と自分の投球をしていこうと話しました。本塁打は直球でした。入るかわからなかったですがいい感触でした。打撃の調子はいいです」
5打数4安打で得点に絡んだ植田
「(4安打)ボールもしっかり見えて、とてもいい調子です。バットを短く持って自分のスイングをしようとしました。初戦を取れたので次も勝っていきたいです。」
開幕スタメンで神宮デビューを果たした竹村
「1番として塁に出ようということを意識してこの試合に臨みました。消極的にはならないようにと。(始め3打席は初球を振って)そこも積極的にいこうという気持ちでした。緊張はしていました。監督からは試合前に1番でいくと言われました。一応準備はしていました。焦らずに落ち着いてやれと声をかけてもらいました。普段も大学のスピードに慣れるということであったり、安定であったりということも言われています。今日凡打もあったので、悪いところを修正していきたいです。」
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