新チーム始動 いざ関東選手権へ/練習取材

2014.03.24
新チーム始動 いざ関東選手権へ/練習取材
 練習試合全5試合を4勝1敗と高い勝率で終えた。今年は2月の大雪による影響をはじめ、天候不良によってグラウンドコンディションが悪く、例年ほどの練習量や、調整ができなかった。それでも、新戦力の台頭著しく、3月24日に初戦を迎える関東選手権や、4月から始めるリーグ戦に向けて、大きな収穫を得るプレシーズンとなった。

 

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4番に座る萩谷

打線が好調だ。昨年のレギュラー陣を脅かそうと、新2年生を中心に打撃でのアピールが目立った。5試合で61本の安打を放ち、先発メンバーが固定されていない中でも、毎試合5点以上得点を稼いだ。2死走者なしからの得点や、下位だけで点を取るなど、スキのない打線を形成した。
 練習試合の全試合で4番に座ったのは、新2年生・萩谷直斗(営1=水城)。「4番をやってもらいたい」(加藤直紀主将・商3=明大中野八王子)と上級生も期待を寄せる。昨年の秋季リーグ戦では、起用に応えられなかったが、11月に行われた関東王座決定戦でその非凡な才能を見せる。3試合全てで本塁打を打ち、信頼を勝ち取った。この春も本塁打をはじめ、鋭い当たりの安打を見せる。特筆すべきは選球眼。ほぼ毎試合四球を選び、チャンスメイクにも貢献している。主将の明言通り今後も4番を打つこととなれば、打線の浮沈を握るキーマンになる。

 投手陣の台所事情は厳しい。昨年エース赤尾裕希(文3=錦城)を補佐し、2本柱を形成した小田敏大(営1=明大中野八王子)が負傷。今季から投手に転向した薄田寛也(農1=日本文理)は日大戦に先発したが、肘を痛めたため、残りの試合は審判となった。昨季結果を残せなかった左の菊池秀之(農3=新田)・渡辺誠人(政経3=明大中野八王子)は、起用の期待に応えたものの、赤尾に続く信頼の置ける先発投手はいないのが現状だ。赤尾、菊池、渡辺誠は新4年生。就活等でチームを抜けることもあり、常時戦力には数えにくい。リーグ戦まで見据えても先発投手の確立は急務だ。

 今年のチームの目標は全日本選手権制覇だ。昨年は全日本出場を逃しただけに、並々ならぬ思いがある。3月24日から戦う関東選手権は、優勝すれば全日本の出場権を得ることができる。目指すはもちろん優勝だ。しかし、上を見過ぎることなく一戦一戦、地に足を着けて戦い抜く。

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新主将の加藤

☆主将インタビュー☆
 新体制を迎え、新主将に就任した加藤に、今年のチームについてお話を伺った。
――チーム状況はどうですか
加藤:戦力的には去年よりも上をいけるかなと思う。4年生が抜けたが、戦力的には落ちていないと思う。新入生のスポ薦もいいのが入ってくるので関東選手権は別にしてリーグ戦はかなりいいメンツがそろうんじゃないかなと思う。いかんせん練習ができていないのでグラウンドでまともに練習したのが、合宿で静岡に行ってそこでやっとできた。チームに力はあるがそれを発揮するだけの練習がまだできていない。

――練習ができなかった要因はなんですか
加藤:雪。その一言。雪につきます(笑)それが無ければ合宿前にできた。積もってしまって走るくらいしかできなかった。

――チームの雰囲気は
加藤:めりはりある。普段ふざけているがいざやるとなった時にはしっかりやって。そこだけ、自分もやる時はやれよと話している。めりはりある練習ができているかなと思う。

――チームの目標は
加藤:始まった時から全日(全日本選手権)優勝しか見ていない。去年清瀬で優勝はしたが戦ってみたら同志社しか強くないなと、面白くないなと。全日出て上のチームとやってこそというところがあるので。今年の力的にも目指せると思っている。

――昨年の関東王座で中大とやった経験というのはありますか
加藤:準硬の中でも1、2を争うレベルの大学とやって、正直まだまだだなと、何回やっても勝てないだろうなと思った。今年当たるとしたら関東選手権の決勝だと思うので、そこで当たればまた自分たちがどれだけ戦えるのかというのが分かるので、まずはそこまで行きたい。向こうはたぶん練習量が全然こっちと違うと思うので強いのは強いと思うがこっちも戦えなくないと思っているので、まだ分からないが。試合できるところまでは持っていきたい。

――昨年は守備からリズムを作るというのでしたが、今年のチームのコンセプトは
加藤:基本的には変わっていない。攻撃だったら回の先頭を出して、守備は先頭を切る。先制点取る。これが勝つために一番大事なことなので、これは変わらず、守備からっていうのは今年も意識している。

――今年から新しく始めたことは
加藤:取るべきアウトを確実に取ること。そこで取れないと失点につながるので、攻撃にしろ1アウト3塁だったら確実に取る。

――関東選手権は全員ベンチ入りできますが
加藤:とりあえず、全員入れることには入れるので入れないということはしないが、関東選手権はDHがあるので、今DH争いが激しい。そこでレギュラーはまだ決まっていないが、正直去年からのがあるじゃないですか。これはあまり選手には言わないが、みんな分かっていると思う。控えの選手も結構活躍しているのでそういうアピールがあるので、みんなベンチ入りできるからいいだろうみたいな雰囲気はない。何とか試合に出るために頑張っているのは見受けられる。ベンチに入れるからいいやと思っているやつはいないと思っている。正直晋太郎(伊藤・営4=千葉経大附)さんのところはでかいので。晋太郎さん、船木さん(翼・農4=広陵)の抜けた穴をどう埋めるか。とりあえず吉田(由宇・法2=日本文理)がキャッチャーやっているんで、吉田に代わり以上のものを務めてもらいたい。

――捕手は投手との関係も関わってきますが
加藤:ピッチャーは4年生だったら赤尾が引っ張ると思うのでそこら辺は心配していない。吉田も4年生にバンバン言えるのでそこら辺のコミュニケーションうまく取りながらやれるんじゃないかなと思う。

――小田のケガは
加藤:小田が肩痛いのは本当に痛い。薄田をピッチャーにして、この前の練習試合で投げて結構いい感じなんですけど、あいつも今肘が痛くなって1週間くらい投げれなくなっている。今日の試合も2試合を赤尾と渡辺の2人のピッチャーで乗り切るしかなかった。野球は実際バッテリー8割なのでピッチャーで試合が決まってしまう。赤尾に頑張ってもらうしかないと今のところは言えない。

″抜群のバッティングセンスでレギュラー奪取を図る野崎<"align=left
抜群のバッティングセンスでレギュラー
奪取を図る野崎

――関東選手権やリーグ戦でキーマンになってくるのは
加藤:誰とは言わず、下級生の2、3年生。4年生は就活があって練習ができない状態なので、去年、一昨年見ていても2、3年生が活躍していたら勝つので、今年で言ったら、吉田、寶田慎太郎(営2=東北)、萩谷、酒井翔弥(法1=東北)あたりですかね。そこがどれだけやってくれるかが重要。4年も頑張るがあいつらがどれだけやってくれるかを期待する。下のやつらが支えてくれればチームは上にいけると思っている。個人的には萩谷に頑張ってもらいたい。4番で使おうかなと。あいつに爆発してほしいという思いはある。昨年の関東王座くらいから調子いい。練習試合とか見ていても簡単にアウトにならない。粘って粘ってヒットするとかフォアボール狙うとか、今調子いいので、あいつを4番に置いてやってもらいたい。

――主将になって数カ月たちましたが今の気持ちは
加藤:あんまり一人で背負い込むのはやめようかなと、主将だから全部やるのではなく、風岡厚志(理工3=川和)も主務としてやってくれている。監督が変わったのがちょっとあれなんですけど、いい方向にいくと信じて、監督の言うことはまず自分がやらないと下にはやれとは言えないので、そこは意識してやっている。チームを引っ張るという意識はあまりない。全員がいい方向にいけるような雰囲気をつくるくらい。自分がやっていれば、周りもやってくれると思う。

――副将の2人とはコミュニケーションは取れていますか
加藤:2人も口では言わずプレーで言う方なので、おとなしい方なので。内野は2人に任せたという話はした。全体は自分と風岡で見ながらやっていくという感じ。

――合宿ではどういった練習をしましたか
加藤:合宿からグラウンドを使っての練習だったので最初まず走った。ピッチャーも就活で抜けていて人数もいないので練習で1本打ちとかなかなかできないので、やったのは基本的にノックやって、ゲームノック、バッティング。あと挟殺などの細かいプレーをやるのがメイン。紅白戦も1回しかできなかった。もう少し実践的なことをやりたかった。天候にも恵まれずという感じ。よくも悪くも人数がいない。いろいろやるにしても。なかなか厳しい。でもメンツ的にはいいのがそろっている。あとは個人の意識も重要。練習以外でも体動かすなり、するやつ少ないと思うが。そういうやつが少しでもいれば勝てるかなと思う。個人の意識が重要だからやることやっとけよとは言っているが、そういったところでやるかどうか分からないので。あとは練習来たときにどれだけ真剣にやれるか。常に時間は無いと言っている。このまま普通にやっても間に合わないぞという話はしている。その中で各自がどれだけ意識を持ってやれるか。それ以上は言ったところで変わらないので。考え方次第。

″日々成長を見せる小田桐<"align=left
日々成長を見せる小田桐

――特に練習を頑張っているのは
加藤:みんな練習頑張っているが、試合を見ているなかで伸びてきているのは自分が一番感じるのは小田桐(航平・総合1=中央中等教育学校)。去年まで目立ってなかったが今年は昨日の試合でヒット1本。3本打っていてもおかしくないような打球を2個。ショートに速いのを1個と三遊間に速いのを2個いって、1個サードがうまく取ったって感じですけど、バッティング中から何も言ってないが、逆方向意識して打っていたりしている。ライトに流すような意識をしていて、右の意識があるから強い打球を打てているのかなというのは感じる。守備に関してはまだちょっとという感じだが、打つ方に関しては伸びてきているのは一番目につく。野崎(優・情コミ1=明大中野八王子)はバッティングはいい。使いたいとは思うがポジションとの兼ね合いもある。脅かす存在になってくれればいい。肩と守備力でサードは難しいなと。セカンドは健史(橋本・商3=明大中野八王子)いるのでそこは外せないなと。そうなると関東選手権のDHかリーグ戦入ったらここ一番の代打くらいしかない。意外とバントがうまいことが判明したので、バント要員かくらい。

――関東選手権に向けての抱負をお願いします
加藤:全日で優勝するためには出ないといけないので一つ目のチャンスが関東選手権だと思っている。シードから入って5回勝てば優勝。1回目慶応で3回目国士舘、4回目日大、決勝は中央。そこをどう乗り切れるか。ピッチャーの兼ね合いもあるが。もちろん勝つ気ではいるが、とりあえず勝てなくてもリーグ戦に向けていい試合がしたい。もし負けたとしても次のリーグ戦に向けていい試合がしたいと思っている。いいところまでいける気はする。それはやってみないと分からない。そんな歯が立たないような負け方をする気はしていないので、いい試合はできると思っているので、その中で誰がチャンスで1本打ってくれるかというのを期待して、とりあえず全部勝つ気ではいくのでそこで優勝して全日決められれば一番楽なのでそれを目指していきたい。

――ありがとうございました

◆加藤直紀 かとうなおき 商3 明大中野八王子高出