中大に力負け… 4年生の最後の花道飾れず/関東地区大学・社会人王座決定戦

2013.11.12
中大に力負け… 4年生の最後の花道飾れず/関東地区大学・社会人王座決定戦
優勝への壁は厚かった。赤尾裕希(文3=錦城)、小田敏大(営1=明大中野八王子)が合計で4本塁打を浴びるなど6失点。相手打線の勢いを止められなかった。打線も萩谷直斗(営1=水城)の本塁打の得点のみに抑えられた。圧倒的実力差を見せられ中大に今大会4連覇を許す形になった。

 今季飛躍を遂げた“挑戦者”として、“王者”中大との試合に臨んだ明大。しかしやはり王者を倒すのは容易では無かった。決勝の相手は今大会過去に3連覇を果たしている中大。まさに決勝にふさわしい相手である。一方で明大も秋季リーグでは難敵早大を倒し優勝を決めるなど破竹の勢いでここまで勝ち進んできた。しかし試合は投打ともに圧倒された。今季チームを支えた2本柱の赤尾、小田をもってしても6失点。打つ方ではチャンスはあったものの要所を締められ2点に抑えられた。「点数以上の実力差を感じた」(伊藤晋太郎・営4=千葉経大附)と完敗を認めるしかなかった。

 チームは完敗だったが敗れたがルーキーが存在感を見せた。6点ビハインドで迎えた8回。ランナー一塁で打席には2試合連続本塁打の萩谷を迎えた。「(ホームラン)狙ってました」(萩谷)と甘く入ってきた変化球を捉えると打球はライトフェンスを越えていった。チームが相手に圧倒される中で一矢を報いる一発となった。これで3試合連発と今大会活躍を見せたが「今後試合に出るのが大事。安定して成績が残せるようにしたい」(萩谷)と既に来季に向いている。今後も萩谷の活躍に注目だ。

 4年生にとってはこの日は最後の試合となった。「最後なので勝ち負けより4年間すべて出し切るつもりで試合に臨んだ」と伊藤。結果は敗れたものの、その戦いに悔いは残さなかった。ここからは新チームとして来シーズンに向け活動が始まる。今季は3年以下主体のチームでここまで勝ち上がってきたこともあり来季にかかる期待も大きい。「楽しく、このメンバーでやれて良かったと思えるようなチームを作ってほしい」と今季主将としてチームを率いてきた船木翼(農4=広陵)は後輩達にその思いを託した。

[佐藤広樹]

選手コメント

船木
「今日は最後なので楽しむつもりで臨んだ。中大はきっちりしている。エラーも無くて抜け目ない。球場などの関係もあったがその条件はお互い同じ。強かったけど勝てない相手では無かった。来年、後輩達にはぜひリベンジしてほしい。(赤尾と小田について)赤尾が打たれたらしょうがない。小田は今まで助けてくれたし、内容も悪くなかった。(萩谷は)実力を持ってる選手。来年主軸として活躍してもらいたい。(この試合限りで引退だが)4年間ホントに楽しかった。同じ目標を持つ相手と一生の付き合いになるような活動ができた。その仲間とはこれからも関わっていきたいと思う。(印象に残った試合は)優勝を決めた早大戦、清瀬の同大戦などたくさんあるが、特に印象に残ってるのは3年春に自分が逆転サヨナラで決めた法大戦。野球ってこんなに楽しいんだなと思った。(後輩に向けて)楽しく、このメンバーでやれてよかったと思うチームを作ってほしい」

伊藤
「今日は勝ち負けよりも、4年間のすべてを出し切るつもりで臨んだ。(中大と戦って)点差以上のものを感じた。しっかりバットを振ってきて捉えてくる。(赤尾と小田について)2人が投げて打たれたら仕方ない。逆にここで打たれたことが良い経験になる。来年に向け足りないもの埋めていってほしい。(この試合限りで引退だが)後悔はありません。リード面に関しても満足できている。この1年間は良い成績も残せたし悔いはないです」

三浦周(商4=掛川西)
「今日はホームランを4本。中央とは差があった。力負けです。(準優勝という結果)チームが始まった時は、ここまで来られるとは思わなかった。やり切った感じがする。このチームで卒業までやれて良かった。(要因は)学生主体でやるので、年によってカラーが違う。今年のチームはやる時は集中してやって、ふざける時はふざけると、オンオフの切り替えがうまかった。自分としてはいいチームになったのかなと思う」

小出啓介(営4=明大中野八王子)
「今日は持つてる力を全て出しきろうと臨んだ。(中大は)守備にしても打撃にしても抜け目無いチーム。実力負けという感じ。(この試合で引退だが)やりきったという感じ。最後も自分の得意のシュートで三振を取れた。ホン卜に最後の最後で自分の力を出しきることが出来て悔いは無いです。(印象に残った試合は)清瀬の同志社戦。みんなが気持ちをひとつに全員で勝つことができたと思う。(後輩に向けて)自分の代では後輩たちが4年のわがままについてきてくれた。下があったから上がある。今後は悪い面は真似しないように、いい面は吸収していってほしい」

萩谷
「中央は強いのは分かってた。4年生に迷惑を掛けないように試合に臨んだ。(本塁打に関して)3試合連続狙ってた。8回は点差もありベンチから楽にいけと言われていた。変化球をうまく捉えられた。(好調の要因は)よくわからないがなぜか打てている。何ででしょうね。(今後は)試合に出るのが大事。安定して成績が残せるようにしたい」