
(26)神宮大会前インタビュー 糸原健斗、福田周平

<勝負強い打撃光る>
――今シーズンを振り返っていかがでしたか
糸原:勝負強い打撃で打点を稼ぐことができて結果を残すことができたので良かったです。連覇も目標だったので達成できて良かったです。
――シーズン前の目標だった3割も達成できました
糸原:3割も達成できて良かったです。(福田周平内野手(商3=広陵)も3割を超えていて)打率のことで話はしていませんが、あいつ(福田)も3割を目指していたと思いますし、チームで2人3割がいるのは強みだったと思います。
――今季も糸原さんはバットを短く持って打席に立っていたのは何故ですか
糸原:春のシーズンで短く持ってみていい感じで打つことができていたので変える必要はないと思って秋も同じでいきました。コンパクトに振れていると思います。バットは85cmのものを使ってます。練習では長く持っていたりしますが、(試合では)長打はヒットの延長線上にあるものと思っています。神宮大会もバットを短くもっていきます。
――中軸を担っていて感じていたことはありますか
糸原:クリーンナップはチャンスで回ってくるのでその時に回ってきたら自分のバッティングができるように心がけています。ランナーがいる時といない時では気持ちの部分で違います。「絶対に返してやろう」という気持ちでバッターボックスに入れるのでチャンスの方が気持ちは入ります。
――東大1回戦以外では毎試合安打を記録しました
糸原:今シーズンでは1本ずついいところで打つことができたので、複数安打は打てませんでしたが良かったです。
――以前にシーズンに入ってから打撃フォームを変えたとおっしゃっていましたが
糸原:リーグ戦序盤で調子を崩してしまったので「何か変えよう」ということになってバットをピッチャーよりに向けるようにしてみました。それがいい感じではまりました。タイミングの取り方とかが変わりました。
<前後の打者の存在>
――糸原さんにとって後ろの2人の存在はどうでしたか
糸原:長打を打てるバッターで1塁にいても2塁にいても返してくれるので、何とか塁に出て大海さん(岡内野手・政経4=倉敷商)、菅野(剛士外野手・法2=東海大相模)が返してくれると思って出塁することを心掛けました。
――前の打者2人はどうですか
糸原:あの2人がチャンスをつくってくれて、足も速いのでランナー2塁でもセンターやレフト前に飛んでも帰ってきてくれるので気楽にいけました。
――これから冬を越えてどんな打者になりたいですか
糸原:筋トレして長打力をつけて大きいのを打てるようにしたいです。
――今季はファインプレーも披露しましたが守備についてはいかがですか
糸原:コーチに鍛えられたので不安は全くなかったです。このバッターだったらこうなると予測して右に寄ったり、法政戦のときもこのバッターだったらと思って、カンというかそれが最後のファインプレーにつながりました。チームを救うことができて良かったです。高校時代と比べて自分でも分かるくらいうまくなったのでいまは「飛んでこい」という気持ちで守っています。
――神宮大会に向けて抱負をお願いします。
糸原:1発勝負でミスが許されなくてミスしたほうが負けだと思います。リーグ同様にチームに貢献できれば。(春敗れた上武大とは)やることになるとは思う。春の借りを絶対に返します。
――ありがとうございました。
◆糸原健斗 いとはらけんと 営3 開星高出 173㎝・75㎏ 内野手 右投左打
試合 | 打数 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 犠打 | 四死球 | 打率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
今秋 | 12 | 41 | 13 | 2 | 1 | 0 | 12 | 0 | 4 | 10 | .317 |
通算 | 43 | 112 | 29 | 4 | 4 | 1 | 23 | 0 | 8 | 22 | .259 |
リードオフマンとして連覇に大きく貢献した。今春は法大戦で負傷し、優勝の瞬間にグランドにはいなかった福田。その悔しさをバネに今季は春以上の成績を残し、3季ぶりにベストナインにも選出された。連覇に欠かせない選手だった福田に今季についての話をうかがった。
<自分が出ないと勝てなかった>
――リーグ優勝の実感は
福田:前回は優勝の瞬間にいなかったのですごいうれしかったです。
――法大2回戦の最終回の打席に向かったときは
福田:自分が出ないとあのとき勝てなかったので、とにかく塁に出て最低でも二塁にはいないといけないと思いました。なのでとにかく塁に出て盗塁しました。
――12回の盗塁はいけるという感じはありましたか
福田:ピッチャーの癖というか走れる感じだったのでいきました。
――勝ち越しのホームベースを踏んだときの気持ちは
福田:無我夢中だったのでどんな気持ちとかは特になくて、あそこでまだ勝ったとも思わなかったです。まだ1点じゃダメだなと思っていました。なので、その後の1点はすごい大きかったと思います。
――春は盗塁王で相手にもマークされたということは
福田:マークされてました。でも、マークされててもしっかりスタートを切ればセーフになれる自信はあったので、とにかく走るときはスタートを意識しています。いつも勇気を持って走っています。
――盗塁の極意というものは
福田:スタートが遅かったら盗塁できないと思っているので、しっかり相手のピッチャーの癖をしっかり見て、走ると思ったら勇気を持って走ることです。
――チームで打率トップでしたが
福田:しっかりボール球に手を出さない。好球必打ということを心がけていたので、それが結果につながったと思います。
――相手投手の球を始めに見る1番打者として初回の打席で意識すること
福田:初球からいかないということはないんですけど、しっかり次のバッターたちにどんな球かを伝えられるようになるべく多く投げさせて、みんなに見てもらいたいなというのはあります。でも甘い球がきたら好球必打でやってます。アウトになってもいいのでしっかり強い打球を打っていけるぞという勢いをつけられるようにやっています。
――開幕前はとにかく出塁ということでしたが1番打者の役割は果たせましたか
福田:まだまだとは思っているのですが、塁にはしっかり出れていて、特に法政戦のときとか良かったと思うので、ああいう感じで常に打席で集中できればいいと思います。
――猛打賞を獲得する試合が何試合もあったが
福田:毎打席すごい必死で、前の打席打てたから次の打席も打てるという確証はないので、とにかく粘って、それで塁に出られたらいいなという感じでやっています。
――この1年間でチームとして成長したと感じることは
福田:やっぱり守り勝てているなと思います。粘りはもともと持っていたと思うんですけど、さらに守備力がついたんじゃないかなと思います。
――試合終盤の逆転が多かったですがチームの雰囲気はいかがでしたか
福田:一人一人が誰かが決めないと勝てないと思っているので、そういう気持ちがあったのでチャンスでも打てたんじゃないかなと思います。
――試合終盤に負けていて走者がいない中で打席に向かうときは
福田:リードオフマンだと思っているので、自分が出て相手にプレッシャーを掛けることが自分の役割だと感じています。なのでそういう気持ちでずっとやっています。
――ここでチームに勢いが出たといった大事な試合は
福田:慶應に2連勝できたのは大きかったと思います。立教に負けて、そこからしっかりチームが一つの方向を向いて、慶應にああいう試合ができたのは勢いになりました。法政戦もそのままの勢いでいけたんじゃないかなと思います。
<来年もチームの中心に>
――3年生以下の活躍はどのように映るか
福田:そういう選手たちは活躍できて当たり前だと思っているので、自分も含めてこれからもっと向上心を持って頑張っていかないといけないと思います。
――今季は土日で終わる試合が一つもなかったですが調整は
福田:春もそんな感じだったので、特別なことは考えていませんでした。今回は雨で流れたりとかだったので、それでしっかり調整できるなという前向きな思いでやっていたと思います。
――来年以降は追われる立場になりますが
福田:追われるというか常にチャンピオンではなくてチャレンジャーの気持ちでやっていかないといけないと思っているので、受け身にならず、チャレンジャー精神ということを心がけています。
――現在のチームで試合をするのは神宮大会で最後になるのですが
福田:4年生の集大成になるので、いい結果を報告できるようにやっていきたいです。やっぱりいい思いしてもらいたいです。春は日本一になれなかったので監督を日本一の男にしたいです。
――神宮大会への意気込みをお願いします
福田:一発勝負で負けは許されないので、準備をしっかりして100の力を出せるようにやっていきたいです。
――ありがとうございました。
◆福田周平 ふくだしゅうへい 商3 広陵高出 170㎝・65㎏ 内野手 右投左打
試合 | 打数 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 犠打 | 四死球 | 打率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
今秋 | 12 | 47 | 17 | 0 | 0 | 0 | 2 | 6 | 7 | 6 | .362 |
通算 | 51 | 173 | 47 | 1 | 0 | 0 | 7 | 14 | 7 | 22 | .272 |
[中田宏明・西村典大]
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