早大に力負け… 優勝決定戦へ/東京六大学秋季リーグ戦

2013.10.22
早大に力負け… 優勝決定戦へ/東京六大学秋季リーグ戦
決め切れなかった。1勝すれば明大の優勝が決まる早大との最終決戦。先発の小田敏大(営1=明大中野八王子)は5回までランナーを背負いながらも要所を締め1失点に抑える。しかし、6回につかまり一挙3失点でこの回降板。打線は6回まで相手先発石田(早大)を打ちあぐねていたが7回には加藤直紀(商3=明大中野八王子)の本塁打、ピッチャー小出啓介(営4=明大明治)の2点適時打で1点差まで迫る。しかし、直後の8回に小出が崩れ3点を奪われ万事休す。8季ぶりのリーグ戦優勝は、次戦の優勝決定戦に委ねられた。

 やはりそう簡単には優勝させてくれない。勝てば優勝の懸かる大一番を任されたのは今季抜群の安定感を見せるルーキーの小田。「調子は悪くなかった」と万全の状態で臨んだ。しかし、早大打線が小田に襲い掛かった。5回まで何とか1失点に抑えたものの毎回のように走者を背負う苦しい投球。そして6回につかまった。「抜け目なくどこからでも点を取れる打線。少しでも甘くなるとやられる」と連打を浴び3失点。この回途中でマウンドを降りた。次戦は総力戦が予想されるが「負けたら終わりだが、逆に勝てば優勝。気負わず楽しむつもりでやりたい」(小田)と前を向いた。

 流れをつかむことができなかった。5回まで毎回のように走者を出す早大に対し、明大はわずか1安打。4回には盗塁死と牽制死の拙攻。流れは早大に傾いた。6回、ここまで踏ん張ってきた小田が3失点を喫し、ゲームが決まったかに思えた。それでも明大打線も意地を見せる。7回に先頭の加藤の本塁打で反撃の口火を切ると、2死一、三塁から小出が左中間を破る適時二塁打で1点差に迫る。しかし8回2死走者なしから四球をきっかけに3失点。ゲームを決める重い3点となった。「こっちがひっくり返すぐらいの流れだったが、一瞬で向こうに流れをやってしまった」(船木翼主将・農4=広陵)と野球の恐さを痛感した。

 いよいよ最終決戦だ。明大はこの敗戦により次に負ければ、早大に逆転優勝許すという土俵際まで追い込まれた。しかし「勝った方が優勝」である。どんな状況でも目の前の1勝に全力を尽くすというのはシーズン通してやってきたこと。天王山だろうとやることは変わらない。ここまでやってきた「守り勝つ野球」で優勝をつかみとる。

[佐藤広樹]

選手コメント

船木
「悔しい。小田が打たれるのは仕方ないし、想定内だったが、先取点を取れなかったことが大きかった。3点取ったときに、小出が2死から四球を出して抑えられなかったのは、明治の負けパターン。それがあったからこそ流れが向こうに行ってしまった。3人で抑えていれば8回はこっちがひっくり返していただろうなと思うくらい流れはこっちだった。本当に一瞬で向こうに流れをやってしまったのが一番の敗因。だたこっちも王手を掛けているし、勝った方が勝ち。勝った方が強いし、負けたほうが弱いしそういう気持ちで行きたい」

加藤
「明日勝てば優勝なので、今日の負けは切り換えて明日の試合に集中するしかない。今日は少し打ち込まれてしまったが、先頭を抑えていければ十分にやっていける。それでも打線は少し湿りがちで狙い球が少し絞れていない感じはある。とりあえず明日は先制できればいい。先制した方が勝つと思うので、その勢いでいきたい。(本塁打を放ったが)でも勝たないと意味がないので、それは関係ない。明日優勝決めて気持よく終わりたい」

小田
「(今日は大事なマウンドを任され)プレッシャーもあったがいつも通りやろうと思った。調子は悪くなかった。(今日の投球は)先頭が切れて内容は悪くは無かったが、勝負所の一球が甘くなった。(早大打線は)抜け目なくどこからでも点が取れる打線。ちょっとでも油断したらやられる。対策としては、甘い所に投げないで、コースを間違えないようにすること。(明日は)負けたら終わりだが、逆に勝てば優勝。気負わず楽しむつもりでやりたい」