優勝懸かる一戦も両者譲らずドロー/東京六大学秋季リーグ戦

2013.10.19
優勝懸かる一戦も両者譲らずドロー/東京六大学秋季リーグ戦
 両校の意地と意地がぶつかり合った。1勝すれば明大の優勝が決まる早大との最終節。終盤7回に寶田慎太郎(営2=東北)の適時打などで2点を先制。しかし、連勝で逆転優勝を狙う早大が、驚異の集中力で8回に同点とする。このまま延長戦に突入し、互いに好機をつくりながらも決着は付かず。8季ぶりのリーグ戦優勝は、次戦以降に持ち越しとなった。

 度重なるピンチも気迫で乗り切った。両校のエース同士の投げ合いとなったこの試合。先発の赤尾裕希(文3=錦城)が、走者を出しながらも粘りの投球がさえた。圧巻だったのは2回裏。連打で2死満塁のピンチを招くも、打たせて取る投球で無失点に切り抜ける。6回にも1死一、二塁の場面を併殺に打ち取り、その流れが結果的に7回の先制点につながった。しかし、ここまで無失点で抑えてきた赤尾に、強力早大打線が襲い掛かる。2死ながら塁を埋められると、5番栗田(早大)に左前適時打を浴び2-2の同点に。それでも先発としての役割を十分に果たし、通常は先発の小田敏大(営1=明大中野八王子)にスイッチ。「修羅場だったが、そういう場面は何度も乗り越えてきた」(小田)と30イニング無失点を誇るルーキーは頼もしかった。この場面も流れを断ち、延長戦に入っても一打サヨナラのピンチを招いても、気持ちでねじ伏せた。
 

 打線も赤尾の好投に一矢報いようと、7回2死満塁のチャンスで1番寶田。ボールカウント2-2から左前に弾き返し待望の1点目を先制する。続く船木翼主将(農4=広陵)が四球で満塁とすると、加藤直樹(商3=明大中野八王子)の打席で押し出しの死球となり2点目を追加。しかし「バッティングに関しては、野手がもう少し助けなければいけなかった」(船木)と、以降は1安打に終わり両者譲らず延長戦の末引き分けとなった。

 次こそは優勝を決める。終盤追い付かれる展開で引き分けに持ち込まれたが、一切の気負いはない。「いいチームになっている。あとは自信を持ってやるだけ」(船木)と、8季ぶり優勝はもう目前。一戦必勝で苦手としてきた早大を打ち崩す。

試合後のコメント
船木

「勝ちたかった。油断したわけでもないし、こっちが劣っていたわけでもないが、向こうの意地を見せられた。見習わないといけない。決めるなら今日しかないということで、小田にも途中から投げさせたし、先発の赤尾も引っ張って使った。赤尾は2点を取られたが、代えておけば良かったとは全く思っていない。今日はピッチャーが良く踏ん張ってくれたと思う。だからこそ野手が付いていけていた。ただバッティングに関しては、野手がもう少し助けなければいけなかった。次は絶対に接戦になることは分かっている。どれだけ相手投手を早く引きずり降ろせるかが勝負。しかし、点数を取れなくても相手にプレッシャーを掛けることはできるし、均衡した試合の中でも今日のように先制点を取ることができている。いいチームになっている。あとは自信を持ってやるだけ」

赤尾
「守備の面では野手に助けられが、最後もう1個粘ることができなかった。簡単にはいかない相手だと思った。(7回まで無失点)それは守備が頑張ってくれただけ。ピンチになったら自分は最低限のことをするだけなので。自分の力だけではアウトを取れなかった場面が多くあったので、そこは感謝している。(バントで先制点のアシストをしたが)その前にもバントで失敗したし、バッティングでも自分1人が欠けているのと9人で戦うのは違うので、少しでも貢献したかった。早大には1人のピッチャーでは勝てないと思うので、明日からも総力戦になると思う。今日の引き分けが明日以降にマイナスにならないように、プラスになる試合だったと思えるように、明日からが勝負だと思う。明日で決めたいと思うので、全力で今日と同じく最後まで油断せずにやりたい」

小田
「今日はリリーフであることは言われていた。とにかく与えられた役割を果たそうと思っていた。(8回のピンチで登板したが)まだ終わったわけではなかったので、気持ちを切らさなかった。修羅場だったが、そういう場面は何度も乗り越えてきた。とにかく押さえてやろうと思った。(9回~11回もサヨナラのピンチを迎えたが)とにかく気持ちで負けないようにした。技術うんぬんより気持ちで抑えられた部分が大きい。今日は勝てなかったが、負けなかったことが大きい。疲れたとかは言っていられない。しっかりケアして明日に備えたい」