小田が立大を完封 8連勝で優勝に王手/東京六大学秋季リーグ戦
最後の一打を許さなかった。8回表、2点を追う立大は、先頭打者が2塁打で出塁する。1死とするも、失策と被安打によりピンチが拡大。1死満塁で4番文字(立大)を迎える。「2失点は覚悟した」(吉田由宇・法2=日本文理)と、同点・逆転があり得る場面。マウンド上の小田は厳しいコースを突き、ノースリー(3ボール0ストライク)としてしまう。あわや押し出しという中で、1球ストライクを入れて5球目。バックの守備を信じ投じた直球は、強振した打球に力を持たせず、二塁手の前に転がり併殺打。立大にホームを踏ませなかった。
粘投し、守り勝った。走者を出さなかったのは5回と6回のみ。強気の内角攻めで死球を4つ。被安打も6と、6度も得点圏に走者を背負う。しかし、四球はなく「先頭を取れたのが大きい」(小田)と、余裕を持ちながら投げることができた。また守備陣は「ありがとうと言いたい」(小田)と言うほど、前日の拙守とは打って変わって、集中した守備を見せた。併殺を3つ、2回には遊撃手船木翼主将(農4=広陵)が見事なバックホームで刺殺するなど、安定した守備で投手を助けた。
新エース候補だ。小田はこの試合で30回連続無失点。「自分が0に抑えれば負けることはない」(小田)と抜群の安定感を見せ、4勝1敗。防御率も0.85と圧倒的な数字を残し、ルーキーとは思えない大車輪の働きを見せている。一方、エース赤尾裕希(文3=錦城)も4勝0敗。防御率は1.24とエースとしての役割を全うしている。明大の躍進を支える2人の出来が勝敗に大きく影響することは間違いない。「個人よりもチームの勝利が第一」と口をそろえるこの2人の活躍が、優勝へカギとなる。
8季ぶりのリーグ戦制覇へ、残すは早大戦のみ。早大は昨年の春以来1勝もできていない“天敵”。しかし、清瀬杯で優勝し、現在リーグ戦8連勝中のチームは「早稲田に勝てるという自信がついている」(船木)と勝利を確信している。早大が法大から勝ち点を落としたため、勝ち点と勝率の関係により優勝へ必要な勝利数は“1”。「挑戦者の気持ちで向かって行きたい」(船木)と悲願の優勝へ、最後の難関に挑む。
[毛利允信]
明 | 早 | 法 | 立 | 慶 | 東 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 勝ち点 | 勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
明大 | — | ○○ | ○○ | ●◯○ | ○○ | 9 | 8 | 1 | 4 | .889 | |
早大 | — | ●○● | ●○○ | ○○ | 10 | 7 | 3 | 3 | .700 | ||
法大 | ●● | ○●○ | — | ●○○ | ◯◯ | 10 | 6 | 4 | 3 | .600 | |
立大 | ●● | ○●● | — | ◯◯ | ○○ | 9 | 5 | 42 |
.556 |
| |
慶大 | ○●● | ●● | ○●● | ●● | — | 10 | 2 | 8 | 0 | .200 | |
東大 | ●● | ●● | ●● | ●● | — | 8 | 0 | 8 | 0 | .000 |
試合後のコメント
船木
「小田がすごく頑張ってくれていので、野手たちは早めに点数取ろうと言っていた。少し遅くなったが先取点取れたことが一番大きかったと思う。(少ない点を守り勝つ理想の試合展開だったが)昨日はお互いエラーが多かった。今日に関しては三浦の一つありましたけど、ミスしたところで付け込まれていない。点数をやっていないところがとても大きいと思う。あそこ(8回表)で2点取られていたら流れでこっちが負けていたと思う。あのプレーがゲッツーで終わったというのが今日のキーだったかなと思う。(優勝へ向けて)春はここで落としてポンポンと4連敗してしまいましたけど、すごい今いいチームになっていて、春と違って、明治のみんなに自信がついていて、このまま行ったら絶対早稲田に勝てるだろという自信もついていると思う。立教も強い強い言われていましたけどしっかり守り切っていい試合で勝ち続けることができたので、このまま早稲田につなげれば、うちが負けることはないと思う。これから2週間しっかり調整して、早稲田に挑戦者の気持ちで向かって行きたい」
吉田
「昨日からキャッチャーでということで、準備はできていた。小田とも新人戦ぶり久々だったのでとりあえず思い切っていこうと。小田がそれに応えてしっかり投げてくれたので、リードもしやすかった。(先制打は)みんな点取ってくれないなと思って打席に入って、振り切ったらたまたま落ちてくれたという感じ。ピッチャーが盛り上がっていたので、すごい良かったと思う。(早大戦に向けて)また次はファーストに戻るので、出られるかは分からないですけど。チーム全体で、今日みたいにみんなで点取れなくてもみんなで辛抱して、チャンスになったらみんなで盛り上がって、みんなで1点取るという形で、みんなでやっていければいいかなと思う」
小田
「いつも野手の方のおかげと言っているが、今日こそ本当にありがとうと言いたい。(得点圏に背負うことが多かった)ワンナウトから出したのが多かった。先頭を取れたのが切り抜けられた要因だと思う。(死球が4つ)いいバッターだったからこそのデッドボール。攻めに行って、インコースじゃないと打たれるという場面で攻めに行った結果なので、しょうがないなと思う。怖がっていたら打たれるので。(早大戦に向けて)早稲田に勝てば優勝なので、優勝して、4年生はこれで終わりなので、有終の美を飾れるように、ここ最近早稲田に勝てていないので、しっかりと勝ちを狙いに行きます」
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対早大戦
10月19日 13時開始予定
10月20日 13時開始予定
≫会場アクセス
・早大東伏見グラウンド
――西武新宿線「東伏見駅」徒歩10分 早稲田大学東伏見キャンパス内
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