宿敵・早大を撃破 上原が今季初勝利/東京六大学秋季リーグ戦

2013.09.30
 早大を破り、優勝戦線から一歩抜け出した。1勝1敗で迎えた3回戦。終盤に追い上げられたが最後は逃げ切り、5―4で勝利。勝ち点を2に伸ばし、リーグ単独首位に躍り出た。同点で迎えた6回に、坂本誠志郎捕手(文2=履正社)のスクイズと敵失で3点を奪い、早大を突き放す。8回に走者一掃の適時打を浴び1点差に詰め寄られたが、最終回は関谷亮太投手(政経4=日大三)が3人で抑え、相手打線の反撃を振り切った。

 快勝の雰囲気が一転、一気に早大に流れを持っていかれた。2番手の山崎福也投手(政経3=日大三)が8回に、2回戦に続く連続四死球で満塁のピンチを招くとここで明大ベンチは山崎を諦め関谷がマウンドへ。流れを取り戻したかったが関谷は石井に走者一掃の適時三塁打を浴び、1点差に詰め寄られた。9回も2死を簡単に奪うが、代打・足立(早大)の右翼への打球があわや本塁打という大きな当たりに。同点が頭をよぎったが、右翼手・高山俊外野手(文2=日大三)のグラブにボールは収まり試合終了。逃げ切りに成功した。

 上原健太投手(商2=広陵)が今季初勝利を挙げた。角度のある直球と変化球を巧みに駆使し、毎回奪三振となる7三振を奪う圧巻の投球。5回のピンチも最後は白澤を変化球で三振に仕留め、ピンチを切り抜けた。上原は6回まで投げ4安打1失点。初回に守備の乱れから先制を許すも、2回以降は落ち着いた投球で得点を許さなかった。「自分は2人が苦しいときにカバーできるようにしたいです」(上原)。負けられない試合で自分の役割をしっかりと果たした。

 相手のミスに付け込み、着実に得点した。6回、先頭の岡大海内野手(政経4=倉敷商)が意地のヘッドスライディングで内野安打をもぎ取る。「チームのために何とかして塁に出ようと思っていた」(岡大)と、このプレーで明大に流れを引き寄せる。その後、1死満塁の好機をつくると8番の坂本誠志郎捕手(文2=履正社)のスクイズで勝ち越しに成功。「三塁走者が(岡)大海さんだったので転がせばいいという気持ちで思いきってやれた」(坂本)。さらに敵失も絡み、この回3点を加えた。7回にも高山俊外野手(文2=日大三)の適時打で1点を追加。中盤から終盤にかけて早大を突き放し、投手陣を援護した。第2戦ではわずか4安打の早大に完敗。明大は7安打を放つも散発に終わり、敗れていた。この日は早大を下回る4安打ながら、四死球と相手守備陣の失策に乗じて得点へと結びつけた。

  次戦の相手は好投手擁する立大。法大打線を相手に完封勝利を挙げた齋藤と澤田(共に立大)の二本柱が立ちはだかる。数少ない好機を得点につなげていきたい。「これからも一試合一試合成長しながら戦っていきたい」(中嶋啓喜主将・法4=桐蔭学園)。勝ち点を伸ばしたことにより、混戦から一歩抜けだした明大。立大戦でも勝利し、一気に優勝戦線を駆け抜けたい。

[西谷侑紀]

打順 守備 名 前
◆明大打撃成績◆
(遊) 福田(広陵) .474 四球    四球    二ゴ 三ゴ         
(中) 海部(履正社) .000 投ギ    捕ギ    左飛    四球      
(右) 高山(日大三) .438 二安    左飛    投ゴ    中二      
(一) 岡大(倉敷商) .250 遊飛    死球       三安 捕ギ      
(三) 糸原(開星) .333 右飛    右安       四球 三ゴ      
(左) 菅野(東海大相模) .211    中飛 三邪飛       捕邪飛 中飛      
  中原(横浜) .000                           
(二) 大塚(花咲徳栄) .267    中飛    右飛               
  眞榮平(興南) .000                四球         
  走二 七田(小城) .000                      三振   
(捕) 坂本(履正社) .077    四球    左飛    一ギ    遊ゴ   
(投) 上原(広陵) .000    左飛    三振               
  柴田(中京大中京) .500                三失         
  山崎(日大三) .250                           
  関谷(日大三) .000                      一ゴ   
     25 .270                        

名 前 球数
◆明大投手成績◆
◯上原(広陵) 85 0.00
山崎(日大三) 12/3 36 4.61
関谷(日大三) 11/3 19 1.23
◆ベンチ入りメンバー◆
10 中嶋(法4=桐蔭学園) 22 高橋隼(法3=日本文理) 福田(商3=広陵)
19 関谷(政経4=日大三) 12 坂本(文2=履正社) 14 七田(商3=小城)
11 山崎(政経3=日大三) 25 岡大(政経4=倉敷商) 中原(文4=横浜)
18 今岡(文3=横浜隼人) 33 眞榮平(政経3=興南) 26 長嶺(文3=宮崎工)
29 北田(法3=倉吉東) 大塚(商2=花咲徳栄) 菅野(法2=東海大相模)
上原(商2=広陵) 糸原(営3=開星) 高山(文2=日大三)
23 星(政経1=宇都宮工) 15 石井(営2=履正社) 24 海部(商2=履正社)
27 西村祐(法4=春日部共栄) 35 青野(商2=広島国泰寺)
32 柴田(法4=中京大中京) 28 萩原(営1=九州学院)
試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第3週  9/30現在
明大 ◯●◯          ○○ 5 4 1 0 2 .800
早大 ●○●          ◯◯ 5 3 2 0 1 .600
慶大       ●◯◯ △●◯    6 3 2 1 1 .600
立大       ○●● ◯◯    5 3 2 0 1 .600
法大       △○● ●●    5 1 3 1 0 .250
東大 ●● ●●       4 0 4 0 0 .000

試合後のコメント
ベンチからチームを支えた中嶋

「昨日、おとといと厳しい試合が続いたので、今日も試合前には厳しい試合になるぞと声をかけていました。焦らず戦えたことが勝因だと思いますが、ミスも多いので勝たせてもらったという感じです。自分は今日出場しませんでしたがベンチはベンチで選手が動きやすい環境をつくることが仕事だと思います。これからも一試合一試合成長しながら戦っていきたいです」

気迫溢れるプレーを見せた岡大
「(6回は)チームのためにどうにかして塁に出ようと思っていたので出塁できて良かったです。打撃の調子は良くないですが、考えすぎずに一からやりたいと思います。明治はチーム中心にしっかりやっていくチームなので、立教戦でもチームのために頑張っていこうと思います」

リードを守りきった関谷
「いい結果ではなかったですが、ホームランだけは避けようと心掛けて投げました。(善波監督には)任せるぞと声を掛けてもらいました。(最後の打者は)打たれて少しひやりとしましたが、抑えられて良かったです」

ブルペンで投手の状態を管理した西村
「9回が始まる前には関谷の調子と坂本に弱気になるな、どんどんインコースを突いていけと言いました。今日は山崎と関谷が登板しましたが、投げ過ぎないようにすることを意識しました。また、点差がついても気持ちを切らさないように声をかけていました。立教戦も山崎と関谷がカギだと思うので、しっかりこれから練習していきたいです」

フォーム改良が実を結び、同点適時打を放った糸原健斗内野手(営3=開星)
「1対0で負けている状況で3回に同点のタイムリーを打てたので良かったです。オープン戦の最後から調子が良くなくて、何か変えてみようと思い切ってバッティングフォームを変えました。変えてから結果が出ているので今の調子はまずまずです。速い打球を打てるようになりました。立教戦でも勝ち点を取っていきたいと思います」

7回から登板した山崎
「今日の調子はまずまずでした。リリーフ登板だったが、先発の時と同様に絶対に点を取られてはいけないという気持ちで投げました。昨日の試合の後、坂本とは失点につながった四球のことを話しました。今日も四球を出してしまったので、次の試合からは四球を出さないということを話し合います。降板した後、ベンチからは関谷さんの投球を「とにかく抑えてくれ」と思って見ていました。チームが勝てばいいのですが、自分もまた同じミスをしないように頑張ります」

毎回奪三振で今季勝利を上げた先発・上原
「調子は良かったわけではないですが、今日はゲームを作れました。(初回は)毎回立ち上がりは悪いので1失点に抑えられて良かったのかなと思います。やはり吉永は意識しました。(吉永は)調子が悪かったですが、失点も吉永より少なく終えられたのでよかったです」

巧みなリードで早大打線を翻弄した坂本
「監督からスクイズはあると言われていました。三塁走者が(岡)大海さんだったので転がせばいいという気持ちで思いきってやれました。(守備について)相手の嫌がるボールを使ってリードしました。(中村、小野田への攻めについて)外のフォークにタイミングがあっていませんでした。上原もそこは理解して投げてくれました。(9回にブルペンで西村と会話)関谷さんのブルペンでの調子を聞いていました。ブルペンの投手陣のことは西村さんに任せてあるので心配していません。(昨日自分のリードを敗因に上げたことについて)今日も4点取られてしまいました。自分のせいです。このあともこんな感じだと危ないので、もう一回考え直していきたいと思います。今日勝ち点を取れたことはよかったです。立教戦も勝ち点を取ることを考えて戦いたいです」

7回にダメ押しの適時二塁打を放った高山
「(7回の適時打は)落ちる球でした。調子は悪くはないです。昨日は帰ってから低い当たりを打つ練習をしましたが、今日は序盤にフライが多かったので、もう少し低い打球を打つことを意識したいです。(昨日まで2番だったが、今日の試合は3番だったが)監督から言われたことは特にないです。打順が変わっても自分のやる仕事は変わらないので、あまり打順が変わったことは気にしていないです。次の立教戦は勝ち点を落とさずここまで来ることができたので、まず勝つことを一番に考えてやっていきたいです」

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対立大戦 
10月5日 11時試合開始予定(三塁側)

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