赤尾が完投勝利 法大との初戦を制す/東京六大学秋季リーグ戦

2013.09.16
赤尾が完投勝利 法大との初戦を制す/東京六大学秋季リーグ戦
 本来の力を発揮した。慶大に2試合連続大量得点で逆転勝利を挙げ、迎えた法大初戦。打数は伸びなかったものの守備で一人一人がきっちりと自分の仕事をこなし勝ち星を手に入れた。明大本来の「守って勝つ」試合となった。  

 好投が光った。先発のエース・赤尾裕希(文3=錦城)が9回を完投し、1失点に抑えた。「先頭を打ち取ることができて良かった」(赤尾)と先頭打者を抑えた回はすべて無失点。「自分の仕事はしっかり最低限安定してやってくれるので安心して先発として送り出せる」と捕手の伊藤晋太郎(営4=千葉経大附)も太鼓判を押す。「無駄なフォアボールを出さないことが目標」(赤尾)と無四球完投勝利を挙げ、108球で9回を投げ抜いた。  
 
 明大打線が続いた。先発で出場した赤尾が打線でも好調を見せた。3回、赤尾は法大先発松田を相手に左前安打を放った。その後、3番加藤直紀(商3=明大中野八王子)のセンターに抜ける安打により生還。先制点を勝ち取った。さらに6回では伊藤が内野安打、続いて橋本健史(商3=明大中野八王子)が左前安打を放ち、両者とも4回表から途中出場した寶田慎太郎(営2=東北)の適時打により本塁に帰還し2点を奪取。伊藤は「整備後だったので、とにかく塁に出ることを優先的に考えた」と振り返った。前節のような大量得点とはならなかったものの効率よく得点を重ねた。

 一方、後半に拙守、拙攻が続く場面もあった。6回裏には先頭打者を一塁に送ってしまった。先頭は2番の犠打により二塁に進み、3番打者での赤尾の第3球が暴投となりそのまま三塁に進塁。適時打により1失点を喫した。さらに続く7回表、明大の攻撃では無死満塁の好機をものにできなかった。4番打者伊藤の放った打球はショートゴロ。あと一歩で生還しかけた船木翼主将(農4=広陵)とともに併殺され点を加えることはできなかった。しかし、船木は「自分たちらしい野球をしたい」と前を向く。  
 
 明大らしい僅差で勝つ野球となった。守備面の「無駄な進塁をさせない」といった点も達成された。「無駄を減らす」ことを目標に法大第2戦に向けてチーム一丸となって挑んでいく。  

[橋本杏菜]

試合後のコメント
船木

「チームらしさが出せた。赤尾は安心して見てられた。今までやってきた中でも1番気持ちの入った投球だったのではないか。清瀬杯では見られないようなピッチングだった。(7回のノーアウト満塁で無得点だったが)気にすることは無い。伊藤の打球の当たりも良かったが、正面を突いてしまった。しかも、前進守備からあの素早い送球をされてしまっては仕方ない。相手がうまかった。慶大戦のようにいつも何点も取れない。それより今日は送りバントのミスが多かったので、そこを改善していきたい。(ここまで3連勝と好調だが)慶大戦で勝ち点が取れて、いい形で今日も勝てた。しかし、法大は気を抜いたら一気にひっくり返される。気を引き締めてピッチャーを中心に、自分たちらしい野球をしたい」

伊藤  
「今日は赤尾に尽きる。出てよく投げてくれた。赤尾はいい日もあれば悪い日もあるが、自分の仕事はしっかり最低限安定してやってくれるので、安心して先発として送り出せる。(6回の内野安打は)結果的には得点につながったが、整備後だったのでとにかく塁に出ることを優先的に考えた。それが形となったので良かった。今チームが良く機能している。清瀬杯での優勝がたまたまではなかったことを証明したいとやるべきことを一人一人徹底してできている。基本中の基本をやろうと口酸っぱくみんなで言って、無駄なことをしないということを目標としている。勝つことが第一優先だが、まだ試合の経験が少ない選手たちも来年このリーグ戦のマウンドに立たないといけない。4年生にできることはチャンスを与えて、来年いい形でバトンタッチすること。後輩たちにはいい思いや経験をさせてあげたいと思っている」  

赤尾
「序盤先頭を打ち取ることができて良かった。全体的にもまとまっていた。今日はチェンジアップが良かったのでそれでカウント、空振りを取れた。ストレートが入ったら危険だと思ったので、スライダーで外に伸びていくボールを中心に投げようと思っていた。いつも先発なので行けるところまでという感じ。春の法政戦は同じ1失点だったが7回くらいで交代してしまったので、今回は9回まで投げるつもりだった。(法政は)いいチームで強いが、今4年生がいない状態なのでまだいつも以上の怖さはなかった。目標は守備では先頭を押さえること。攻撃では取るところは取る。そうすれば負ける相手じゃないと思うので自分たちの勝ち方をしたい」

寳田
「試合前に途中出場と言われていたので、バットを振ったりしてしっかり準備していた。いつでも行ける状態だった。(6回の貴重な追加点の適時打は)バットが振れていたので、ストライクが来たら行こうと思った。打った球は外角のストレート。空振りする球ではなかったので、思い切って振った。今日の試合は2安打だがとにかくバットが振れているので、じっくり見ていくのでは無く積極的に振っていきたい。自分が打てなくてもチームが勝てればそれでいい。プレー以外でもチームに細かい気配りをしていきたい」