連日の打線爆発で慶大から勝ち点奪取/東京六大学秋季リーグ戦

2013.09.03
連日の打線爆発で慶大から勝ち点奪取/東京六大学秋季リーグ戦
 1勝1敗で迎えた慶大との第3戦。連日の打線の奮起により、開幕カードで勝ち点を奪取した。船木翼主将(農4=広陵)が3回に先制の適時打を放つと、5回には打者一巡で一挙9得点の猛攻。先発の赤尾裕希(文3=錦城)も、走者を許しながら要所を締め、無失点で切り抜けた。それでも、好調の打線とは対称的に、無駄な得点を与えてしまった後半の守りには大きな課題を残した。

 前日コールド勝ちを収めた好調打線が、またしても均衡を破った。3回裏に船木の右中間を破る適時打で先制を決め、1点リードで迎えた5回裏。吉田由宇(法2=日本文理)の安打を皮切りに無死満塁のチャンスをつくる。ここから寶田慎太郎(営2=東北)、船木、加藤直紀(商3=明大中野八王子)の三者連続の適時打で5点を追加。その後も打線は途切れることを知らず、先発の赤尾のスクイズも決まり、この回合計9得点で慶大を突き放した。そして、8回には代打露木拓朗(営4=静岡)の本塁打も飛び出し加点。「打った瞬間にいったと思った」とインコース高めのストレートを振り抜いた当たりは、公式戦初の本塁打となった。

代打で本塁打を放った露木<
代打で本塁打を放った露木

 好調とは言えない中でも、きっちりと試合をつくった。先発した赤尾は、先頭を出塁させ幾度となくピンチを招く。それでも「自分はランナーを背負うことが多い。ピンチと思わず、冷静に投げることを意識している」。その一心で走者を塁に出しても、本塁は踏ませない。5回には打球が左足に直撃するハプニング。加えて2死一、三塁というピンチでも、続投を志願し後続を三振で切り抜けてみせた。「いつも目標にしていることは試合をつくること」と、6回を投げて無失点にまとめあげた。

 大勝を果たすも、試合後のミーティングでは主将の船木の喝が入った。赤尾に代わり酒井一輝(商4=明大明治)と渡辺誠人(政経2=明大中野八王子)が継投したが、それぞれが失点。「合宿と清瀬杯でいい経験をしてきたにも関わらず、ここでこういう結果を出されるとつらい」(船木)と投手陣を含めた守備全体に課題が見られた。次のカードは春季リーグ2位の法大との一戦。「相性はいいので、接戦をものにして勝ちたい」(露木)と、明大本来の競り勝つ野球で勝ち点を奪いにいく。

[千島良太]

試合後のコメント
船木

「(後半の投手交代で失点を許したが)別に試したわけではなく、投手の状況も考えて抑えられることを信じて投げさせた。点を取られたことは投手陣が不甲斐ないし、合宿と清瀬杯でいい経験をしてきたにも関わらず、ここでこういう結果を出されるとつらい。それでも勝てたということが一番良かった。試すということは思っていない。自分の場合勝つために選手を使っている。(先制打を含む3安打)先制打は右中間を抜けてびっくりした。バットを出したら飛んでいってくれた。体が勝手に動いてくれるので調子はいいと思う。(次の法大戦は)気を抜いたらやられるが、いつもの野球ができれば負けない。ミスした方が負けだと思うで、この2週間でしっかりやって法大戦を迎えたい」

露木
「攻撃に関しては満足しているが、守備に関しては清瀬杯でやってきたことや、この夏意識してきたことの半分くらいしかできていない。今日のような大味の試合ではなく僅差をものにして勝ち上がるチームなので不安はあるが、とりあえず勝てて良かった。四球を出したり、先頭打者に簡単に打たれたり、集中力が切れて細かいミスが出ている。点を取られること自体はいいが、無駄に進塁させて点を取られることが増えている。清瀬杯ではそれが全くなかったために優勝できたので、今週来週で直さないといけない。(代打での本塁打は)打った瞬間にいったと思った。高校以来なのでベースを一周するのが気持ち良かった。(次の法大戦は)向こうは分からないがこっちは勝手にライバル意識を持っている。 相性はいいので、接戦をものにして勝ちたい」

6回無失点の投球を見せた赤尾<
6回無失点の投球を見せた赤尾

三浦
「序盤はピッチャーが抑えて、その流れで先制点を取れたのが大きかった。ランナーが踏ん張れたことが大量得点につながった。(この日の2安打は) 清瀬杯では全くヒットが打てなかったので、どんな当たりでも出てつなげたかった。当たりは良くなかったがヒットになって良かった。(次の法大戦は)ピッチャーの起用法を考えていつでも誰でも出られるように心構えが必要。(副将として)試合では内野手なので投手に近い。周りの状況を確認したり、声を掛けることを心掛けている。今回は大量得点だったがそれはなかなかできないし、うちの野球ではない。次は締めるところを締めて、接戦を制していきたい」

赤尾
「初回に四球を出したらいけないと思っていたが、今日は多かった。もっとストライクゾーンで勝負できるようにしたい。いつも目標にしていることは試合をつくること。今日は無駄な四球を出してしまったが、結果的にピンチでも0点に抑えることができたので試合を作ることができた。自分はランナーを背負うことが多い。ピンチと思わず冷静に投げることを意識しているので、今回はそれができた。(5回の大量得点は)連打で点が取れて相手のミスに漬け込めて良かった。昨日もこんな感じの試合だったが、毎試合今回みたいな試合だとは思っていない。ピッチャーとしては気を抜かず、ただ抑えることを意識してやっていきたい。(次の法大戦は)先発か途中出場かはわからないが、勝ち点を取るためにどういう形で関わるかが重要」