関谷の好投が勝利を呼び込む 日本2大会ぶり17度目V/日米大学選手権

2013.07.11
関谷の好投が勝利を呼び込む 日本2大会ぶり17度目V/日米大学選手権
 日本が2大会ぶり17度目の優勝を果たした。明大から日本代表に選ばれたのは岡大海内野手(政経4=倉敷商)、関谷亮太投手(政経4=日大三)、山崎福也投手(政経3=日大三)、坂本誠志郎捕手(文2=履正社)の計4人。2勝2敗で迎えた第5戦目は山崎、関谷の明大コンビの継投で米国打線に追加点を許さず、日本に流れを呼び込んだ。中盤に梅野(福岡大)、中村(早大)の2者連続本塁打などで加点した日本代表が7―4で勝利し、3勝2敗で優勝を決めた。また関谷は最優秀選手賞を受賞した。

 明大リレーで米国打線を封じ込めた。4回途中から山崎に代わって登板した関谷が米国打線の追撃を断ち切り、チームに流れを呼び込んだ。関谷は5回を投げ被安打3、1失点の好投。キレのある直球を中心に、コーナーを突いた投球で米国に傾きかけていた流れを日本に引き戻した。9回1死から山崎(亜大)に交代するまで素晴らしい投球を見せた。
5戦目の先発マウンドに上がったのは山崎。3回、4回と米国打線につかまり、関谷にマウンドを譲ったが、第2戦目では8回途中まで米国打線を無失点に抑える投球を見せた。

 野手では岡大が全試合で先発出場し、2戦目では8回に走者一掃となる3点適時三塁打を放つなど2戦目の勝利に大きく貢献した。出場機会はなかった坂本だが「もう1度力を付けて代表に選んでもらえるように頑張りたい」と語り、来年度以降行われる国際大会への出場に意欲を見せた。

 この経験をリーグ戦でも生かしていく。「いい経験ができた」(山﨑)。「自分自身も成長できました」(関谷)。春季リーグ戦で明大を支えた左右の柱は今回の大会を経て一段と成長した。大学選手権の経験を生かし、秋のリーグ戦での優勝、そして2年ぶりの日本一奪還に走り出す。

[西村典大]

◆日本代表打撃成績◆
打順 守備 名 前
(左) 大城戸(法大) 二ゴ    二安 遊ゴ    二ゴ         
(遊) 西浦(法大) 中安    三ギ 二飛       三振      
(二) 河合(法大) 右安    右三    三振    三ゴ      
(指) 梅野(福岡大) 左安    三ゴ    左本    三振      
(中) 中村(早大) 右安    遊飛    左本    右飛   
(右) 吉田(青学大) 三ゴ       三振 一ゴ       四球   
大城(立大)                           
江越(駒大)                           
(一) 岡(明大)    三ゴ 死球 三振       三振      
(三) 藤岡(亜大)    中飛    四球    遊ゴ         
(捕) 嶺井(亜大)    右飛    中安    三ゴ         
   30                        

◆日本代表投手成績◆
名 前 球数
山崎福(明大) 31/3 65
関谷(明大) 83
山崎康(亜大) 2/3 12
◆ベンチ入りメンバー◆
11 六埜(東海大) 10 梅野(福岡大) 中村(早大)
14 大瀬良(九州共立大) 22 嶺井(亜大) 峰下(近大)
18 杉浦(国学院大) 27 石川(国学院大) 大城(立大)
19 関谷(明大) 12 坂本(明大) 藤岡(亜大)
15 山﨑(亜大) 三木(上武大) 大城戸(法大)
17 山﨑(明大) 河合(法大) 24 江越(駒大)
21 石田(法大) 西浦(法大) 26 吉田(青学大)
16 田中(日本文理大) 25 岡(明大) 水本(亜大)

試合後のコメント
善波監督

「最後まで1戦1戦、アメリカチームをよく感じながら戦うことができました。アメリカはスピード感のあるピッチャーばかりでそれぞれ特徴もあり簡単には勝たせてくれませんでした。バッテリーを中心によく粘ってくれたと思います。山崎や関谷を中心に初戦からゲームをつくってくれました。それは今日粘れたことにもつながったと思います。その中で嶺井(亜大)のリードも光っていました。打線も、1戦1戦戦うにつれて相手のピッチャーの特徴もうまくとらえることができました。今大会では“つながり”を目指していたので、つながりは出せたのかなと感じています」

全試合先発出場した岡大
「優勝できてうれしいです。いろいろな人に裏で支えてもらっていたので、本当に良かったです。今日はチームに迷惑を掛けてしまって申し訳なかったです。でも勝てて良かったです。(今後は)秋季リーグで優勝して、日本一を獲りたいです。そのためにもチャンスに強いバッターを目指します。秋はピッチャーとしても頑張っていきたいです」

最優秀選手賞を獲得した関谷
「MVPは取れると思っていなかったのでうれしいです。今日は正直楽ではなかったです。一人一人アウトにすることを心掛けました。ピンチの難しい場面の登板で難しかったですが、そこを切り抜けてチームが勝つことができて、自分自身も成長できました。嫌な流れを変えようと思って登板しました。福也(山崎)がアメリカ打線に対応されていましたが、自分のいいボールを投げようと思っていました。調子は良くなかったですが、まっすぐとチェンジアップをうまく使えました。嶺井(亜大)がバッターを観察し、すぐに話して上手く引っ張ってくれました。一人一人手強い中、一つずつアウトをとるピッチングができました。日の丸を背負うのは初めてで、責任とプライドを持ってマウンドに立ちました。選考会では調子が良くない中、監督、コーチが選んでくれたので期待に応えたいと思っていました。アメリカ人はリーチが長く、届くところに気をつけるように監督から言われていました。飛ばす能力と捉える能力はすごかったです。全日本の中ではドラフト候補の大瀬良(九共大)や杉浦(国学院大)を見て真っすぐがいいと感じました。自分はまだまだです。個人的には社会人でやって3年後ドラフト上位でいけるようにがんばりたいです。秋は春逃してしまった大学日本一を取り返したいです」

5戦目に先発した山崎
「(日米野球5戦を通して)悔しかったです。もっといい内容のピッチングができるようにしたいです。(キャンプでも米国の選手と対戦する機会がありましたが)その効果はでていたと思います。いい経験ができました。今後は、日本代表だったということで扱いも変わると思うので私生活から引き締めてやっていきたいです」

坂本
「チームとして4年生中心にやろうと引っ張ってくれて自分たちはそれについていきました。技術どうこうよりもその投手をどのようにリードしていくか共通の認識を持ってやっていきました。もう1回力を付けてリーグ戦で頑張って代表に選んでもらえるように頑張りたいです」