強敵早大に同点まで迫るも、勝ち越し切れず敗戦/東京六大学春季リーグ戦

2013.05.20
強敵早大に同点まで迫るも、勝ち越し切れず敗戦/東京六大学春季リーグ戦
 投手陣の踏ん張りもむなしく8回裏に大失点。4点差を付けられ試合終了となった。得点圏に走者を進めても得点を取りきれなかった。歓喜を迎えた早大の姿を見て、うなだれる紫紺の選手たち。早くも春季リーグ戦優勝を決めた早大から白星を手にすることはできなかった。

 好打者ぞろいの早大打線に苦しんだ。先発の酒井一輝(商4=明大明治)は初回から本塁打を浴びせられる。5球ものファウルで粘りを見せた4番嘉悦(早大)が左中間を越える本塁打を放った。「今日投げていてそのバッターだけ投げにくかった。投げる球種がなくなってストレートの甘いコースを運ばれてしまった」(酒井)。この打者だけですでに10球の投球。最後の11球目で集中力に欠けたことが勝敗を分けた。さらに追い討ちをかけられたのが8回裏。3番手の小出啓介(営4=明大中野八王子)がつかまる。早大5番木藤のまたも左中間を越える本塁打により3人がホームに生還。この回で4点の失点となった。

 

打たれた打球の行方を見る酒井
打たれた打球の行方を見る酒井

安打数では早大に勝ったが、大事な場面であと1本が出なかった。2得点を上げた早大に5回に1点返すと6回。先頭打者の伊藤晋太郎(営4=千葉経大附)が左中間を破る2塁打を放つ。1死二塁で6番橋本健史(商3=明大中野八王子)が右前安打。二塁から伊藤が必死の走りを見せ、ついに同点に追い付く。1点を追う8回は、無死二塁の好機をつくり出す。船木翼主将(農4=広陵)の当たりが二塁手の失策を誘発。同点としさらに好機を続ける。しかし後続が凡退。「あの同点になった時に勝ち越しきれなかった。もう1点が遠かった。取るべき時に取れなかったのが敗因」(伊藤)。課題は前回と同じだ。好機をつくるも最後の1歩で得点につながらないことが安打数を無駄にした。

 明大に何が足りないのか。早大を同点まで追い詰めたことに少なからず満足していた選手が多かったなかで、船木は珍しく難色を示した。「実力じゃない何かで負けてしまっている。早大と実力差はないのに、強いと意識しすぎている」(船木)。チームに自信を付けるためにも、早大2回戦では勝ち星を付け、予選会1位通過の切符を手にしたいところだ。

[橋本杏菜]

2点目の同点打を放った橋本健
2点目の同点打を放った橋本健

試合後のコメント
船木

「勝てる試合を勝てなくて、自信を失いかけている。キャプテンは難しい。チームの雰囲気がどうしても緩むときがあって、そのときに声を掛けても点が取られてしまう。チームとして抜けているのは自分が抜けているということ。それでもみんな信じてくれているし、勝ちたいという思いも感じる。でも、明治には何か抜けている。実力じゃない何かで負けてしまっている。早大と実力差は無いのに、強いと意識し過ぎている。なんとかして早大に黒星を付けたい」

伊藤
「今の六大学の中で早稲田が一番力があるのは間違いないと思うので、その早稲田を同点まで行って追い詰められたからには勝ち切りたかったというのがチームとしての本音。あの同点になった時に勝ち越し切れなかった。もう1点が遠かった。取るべき時に取れなかったのが敗因。(次戦に向けて)早稲田から1勝すれば、予選会に1位通過という形で可能になってくる。1位で行くのと2位で行くのではぜんぜん話が違うし、キツさもあるから、もちろん勝ち点取るのが一番だけど、まず明日の1試合集中して、全員で勝ちに行くことだけを考えてやっていければいいかなと思う」

小崎将徳(法4=掛川西)
「(最初の回)3人目の打者に四球を出してしまったのでそこだけ余分だった。球数を少なくしてリズムに乗せられたと思うのでもったいなかった。次の回は球が浮いていて甘かったのでまだまだかなと。左バッターへの配球が課題で投げ切れていない部分がある。そこをもっと攻め切れるようにしないといけない。(接戦を落としたが)接戦でも勝ち切れないと意味がない。ここ一番で決める力をチーム全体的で上げていかないといけない。技術というよりも気持ちでもっと下を引っ張っていけるような。そしてチームを盛り上げるような行動を取れたらいいと思っている」

酒井
「点は取られましたけど、6回3失点。試合は作れたかなと思う。相手はそんなにバッティング良くないという印象だった。点を取られた回はみんなフォアボールでランナーを出して点を取られたので、自分の反省としてはフォアボールを出さないようにしたい。4年生は春のリーグ戦早稲田戦で終わりなので、試合出ていない選手も含めて今回は4年生中心にベンチに入っている状況なんで、その中で自分が4年生の集大成として、選手として早稲田を絶対倒したかったが、及ばなかった。(同点に追い付くも勝ち切れませんでしたが)エラーが出てしまったので、そこを何とかしないと。あそこをもう少し集中してツーアウトで抑えていれば打たれることもなかった。そこは気が抜けていたと思う。(次戦に向けて)今日早稲田とやって、そこまでの差は感じなかったので、全然勝てる相手だと分かったのは、僕を含め、チームとして自信になったと思う。明日は僕は出ないと思いますけど、なんとか第3戦までつないでもらって、早稲田にリベンジしたい」

加藤直紀(商3=明大中野八王子)
「ずっと打席にはいい感じで入れている。自然にバットが出ているという感じ。今日は無死二塁から逆転したかった。8回の4点は早稲田の強さが出た。今日は1番になって初めて初回に出塁できた。盗塁は行けたら行こうと思っている。1番として、初回に出塁して走ってチャンスをつくりたい」

橋本健
「六大学トーナメントでもぼろぼろにやられて、またすでに全日を決めているし最初から強いことは分かっていた。実際やってみて、やはり打つべきところで打ってきて、チームとして打線がつながっている。何回か勝ち越されても同点にしたが、同点としてさらに勝ち越せなかったのが勝敗を分けた。流れも良かったし、相手のミスに付け込んで点が取れたが、最後のもう一歩で自分たち有利に持ち込めなかった。してもいいエラーはないと思うが、流れが変わりかけているところでのエラー許されない。今日はそういうことが分かったと思うので、みんなで意思疎通を図りながらやっていきたい」