試合への意識が明暗… 慶大に痛い逆転負け/東京六大学春季リーグ戦

2013.05.14
試合への意識が明暗… 慶大に痛い逆転負け/東京六大学春季リーグ戦
 「勝ったという意識に付け込まれた」。船木翼主将(農4=広陵)は試合後こう述べた。序盤好調だった打線が中盤以降つながりを欠き、8回から登板した小出啓介(営4=明大中野八王子)が2被弾で逆転を許し慶大に敗北を喫した。全国大会を目指す明大には手痛い敗戦となった。

 明大の先発は赤尾裕希(文3=錦城)。2回表に1点先制を許すも、持ち味の打たせて取る投球で付け入るスキを与えない。打線は同点の3回裏、無死三塁に2番寶田慎太郎(営2=東北)の適時打、さらに相手の敵失で無死一塁三塁とすると4番伊藤晋太郎(営4=千葉経大附)の犠牲フライで2点の勝ち越しに成功。4回裏にも1死二塁から加藤直紀(商3=明大中野八王子)の適時打で3点リードを奪い、勝利を手中に収めたかに見えた。

 5回裏、ここまで4失点と不安定な投球を見せていた先発の森(慶大)に代えて中場(慶大)を投入。「データを見る限り調子が悪い」(船木)の発言とは裏腹に、初顔合わせだった明大打線が翻弄(ほんろう)され、明大優勢だった試合の流れを手放してしまう。

 すると、ここまで好投していた赤尾が慶大打線に捕まる。7回表2死二塁、小西(慶大)の打球を中堅手加藤が捕球しきれずランニング本塁打となり1点差に追い上げられる。さらに8回表には2番手小出が登板するも左右に1発ずつソロ本塁打を浴び、ついに逆転を許す。最終回は中場から走者1人を出すも最後は2死二塁の一打同点のチャンスを生かせずゲームセット。

 「詰めの甘さが出てしまった」(船木)。試合への意識が今日の試合の明暗となり、ひいては全国大会への道の明暗を分けそうだ。

[中垣雄太郎]

試合後のコメント
船木

「詰めの甘さ。勝ったと正直思ってしまったところに付け入られた。負けです。別に赤尾が悪かったり小出が悪かったわけでもなく、これだけこっちの流れだったのに向こうに流れを渡してしまったのが敗因。小さいプレーをミスして相手に流れが行ってしまったという最悪の感じ。(代わった中場から打てなかったことは)6回ピッチャーが代わってから点が取れなかったのも敗因だと思う。3者凡退になってしまうのはバッティングは水物なので仕方ない面もあるが、みんなが勝ちたいという気持ちが少なかったというか、見ていてがむしゃらさというのも4点取ってから感じられなくなった。一番の明治のいいところなのにそこが欠けてた。(今後に向けて)勝つしかない。明治のいいところは必死にがむしゃらに勝ちに行く。相手より1点多く取っていれば勝ちなので、それを目指してやっていきたい」

赤尾
「調子が悪いなりにやっていこうということで序盤は無駄なフォアボールとか、打たれても抑えていく感じだったので、悪いなりに良かった。終盤はちょっと、フォアボールとか連打を食らったりして、その辺はまずかった。どうしても投げ急いだときは甘く入って打たれているので、投げ急がないようにしたい。(7回守備から嫌な流れとなり逆転のピンチを背負ったが)周りも声を掛けてくれましたし、逆に開き直ってなるようになるだろうと思って打たれてもいいから抑えてやるという気持ちでガンガン行って、最後は思いっきり投げた。(今後に向けて)みんな勝ちたいと思っているので全力で。もし投げる機会があればもちろん投げていきたいですし、3連投も覚悟していきたい」