船木のサヨナラ打で立大に先勝/東京六大学春季リーグ戦

2013.05.04
船木のサヨナラ打で立大に先勝/東京六大学春季リーグ戦
 今季の明大の粘り強さを証明する一戦だった。1-1の同点で迎えた最終回。2死から寶田慎太郎(営2=東北)が盗塁を成功させ、最後は主将の船木翼(農4=広陵)自らの手でサヨナラ勝ちを演出した。先発の赤尾裕希(文3=錦城)が振るわない中でも、耐え抜いて立大から先勝を果たした。

 持ち前の勝負強さはここでも発揮された。9回裏2死二塁、一打逆転の場面で打席には船木。「とりあえずゴロを打てば何かが起こる。たたくことだけを意識した」(船木)。直球一本に狙いを定めて振り抜いた当たりは、レフト線を破るサヨナラ打となった。「ベンチでみんなが盛り上がっているのが本当に自分の力になる」(船木)とチームの期待を一身に、主将としての責務を果たした。

 このサヨナラの好機を生み出したのが寶田自慢の脚だった。「あれだけミスしていた寳田が最後に意地を見せてくれた」(船木)と、2死一塁という失敗は許されない場面で二塁を奪う。「自分の仕事はしっかり塁に出て、脚を意識させて投げづらくさせること」(寶田)。直前まで3打席連続三振に倒れていたものの、重大な場面で自らの持ち味を存分に生かした。

 6回途中からマウンドに上がった小出啓介(営4=明大中野八王子)も、最終回まで無失点の投球を披露。初回からエースの赤尾が安定感に欠き5回で降板するも、小出は打たせて取る投球で立大に行きかけそうな流れを断ち切った。調子こそ万全ではないものの、前回の法大戦に続いて好投を見せた小出。優勝争いのカギを握る存在となりそうだ。

 毎回に渡る接戦を勝ち抜き、チーム力を増す明大。しかし「明日勝ってやっと全国への道が見えてくる」(船木)とまだまだ気を抜くことはできない。連勝で勝ち点を奪取し、後半戦の優勝争いを有利に進めたいところだ。

[千島良太]

試合後のコメント 
船木

「みんながつないでくれたから打つことができた。あとはあれだけミスしていた寳田が最後に意地を見せてくれた。それがあったからこそ自分が打てた。正直打たなければ最後だと緊張していたが、ベンチを見ていたら気持ちも和らいで楽に打席に入れた。法大戦でうまく連勝し、そこで調子に乗って強いと思ってしまっては足元をすくわれる。だから去年連敗した立大に対しても全力でいくようにみんなには伝えていた。明日勝ってやっと全国への道が見えてくるという感じなので、残りのカード全部連勝するつもりでやっていきたい」

前回に続き好リリーフを見せた小出
前回に続き好リリーフを見せた小出

小出
「流れがそこまでいいわけではなかったので、流れを変えようと打たせて野手に任せてリズムを整えようと思った。(調子悪いながら前回から好投しているが)前回よりはいいが、万全かというと決してそういうわけでもない。自分の調整の仕方が下手なだけだが、これからもっと整えて残りの試合無失点で抑えていきたい。やはり打たせて取って、悪いなりにもカウントを整えてやっているから結果として出ている。明日もピンチの場面で回ってくると思うので、守備からリズムをつくって攻撃にいい形でつなげていきたい」

寳田
「ずっとチャンスで回ってきていたが3打席連続三振だった。最終回の場面で、出ることができて良かった。ピッチャー陣の方々も頑張って1点に抑えていたので、どうしてもあそこで点を取りたいと思っていた。打球が抜けた時はほっとした。とりあえず勝ち点取れればいいと思っている。こういう展開が続くと思うが、最終的に勝てばいい。今日はバッティングで貢献できなかったので、明日はしっかり結果を出したい」