投手陣が度重なるピンチをしのぎ、引き分けに持ち込む/東京六大学春季リーグ戦

2013.04.29
投手陣が度重なるピンチをしのぎ、引き分けに持ち込む/東京六大学春季リーグ戦
 3時間16分にわたる激戦は価値ある引き分けとなった。負ければ勝ち点を落とし、優勝争いから大きく後退するこの試合。好調の早大打線に2ケタ安打を許すも関谷亮太投手(政経4=日大三)、上原健太投手(商2=広陵)、山崎福也投手(政経3=日大三)の3投手の継投で、2点に抑えた。一方、打線は先週の東大戦で完全試合を達成した高梨(早大)から2点を取った。何度もチャンスをつくる早大を粘りの投球で抑えて優勝争い相手の勝ち点獲得を阻止し、価値のあるドローとなった。

 粘りの投球を見せた。先発マウンドにあがったのは、先週の立大戦第3戦で9回 1/3を1失点の好投を見せた関谷。今試合では4回 2/3を投げて被安打5四死球4と、普段の安定感が見られなかった。しかし第1戦で10得点をあげ勢いのある早大打線相手に4回 2/3イニングを2失点にとどめた。4回の1死満塁のピンチで土屋、重信(ともに早大)を直球で2者連続三振に取るなど、要所を締める投球が光った。「ある程度は打たれると思っていたので、ピンチも想定していた」(関谷)と、ピンチを断ち切る投球を見せた。

 関谷の他にも、ともに第1戦で投げた上原、山崎の2投手がそれぞれ2回 1/3イニング、2イニングを投げて無失点に抑えた。第1戦で先発した山崎は8回の無死二塁のピンチの場面で登板。「昨日はあまり投げていなかったので、疲れはなかった」というエースは、この回最後の打者の3番河原(早大)から136kmの変化球で空振り三振を取ると雄叫びをあげた。クールな男の熱い一面が垣間見えた。早大の攻撃9イニング中7イニングで得点圏に走者を置くなどピンチの場面の連続だったが、粘りのピッチングで好調の早大打線を2失点に抑えた。

 バックも守備で盛り上げた。7回2死二、三塁のピンチで、土屋(早大)がマウンドと一塁の中間付近に浅いハーフライナーを上げる。落ちれば適時内野安打となる難しい打球に一塁手の岡大海内野手(政経4=倉敷商)がダイビングキャッチ。ファインプレーでピンチを断ち切り、紫紺に染まった三塁側スタンドは大きく盛り上がった。岡大は第1戦でマウンドの上原との連携ミスでフライを取り損ねる失策を犯すなど一塁の守備でのミスが目立っただけに、汚名返上となるプレーとなった。

明大3回1死二塁 中前に適時打を放った関谷
明大3回1死二塁 中前に適時打を
放った関谷

 

 少ない好機をものにした。早大の先発は先週の東大戦第2戦で東京六大学史上3人目となる完全試合を達成した高梨。その高梨を相手に数少ないチャンスをものにして2得点をあげた。3回1死二塁の場面では、投手の関谷が抜けたカーブを中前にはじき返す適時打を放ち、自らを援護した。チーム安打数は4本と少なかったものの、1点リードされた直後の6回に土屋(早大)の捕逸で三塁走者の福田周平内野手(商3=広陵)が本塁に返って同点とするなど、相手バッテリーのミスにも助けられた。リリーフの内田、横山(ともに早大)には無安打に抑えられたものの、完全試合男の高梨から得点をあげて引き分けに持ち込んだ。

 次戦は再び難敵が立ちはだかる。第3戦の早大の先発はエースの有原(早大)が予想される。有原は14イニングを投げていまだ無失点の好投手。1―10で大敗を喫した第1戦でも、7回無失点に抑えられた。明大はチーム打率.164と開幕からチーム全体として不調に陥っている。「消極的なバッティングが目立つので、失敗を恐れずに打ちにいくことが必要」(中嶋啓喜主将・法4=桐蔭学園)と、奮起が求められる明大打線。早大不動のエースを打ち崩し、1勝1敗のタイに持ち込みたい。

[森大輔]

◆明大打撃成績◆
打順 守備 名 前
(二) 宮内(習志野) .118 四球    中飛    四球       二飛   
(遊) 福田(広陵) .240 捕ギ    右飛       左安    二ゴ   
(左) 宮武(三重) .250 二飛       左飛               
  高山(日大三) .056                一ゴ    一ゴ   
(右)左 菅野(東海大相模) .362    遊ゴ    死球    三振       捕飛
  中原(横浜)                           
(一) 岡大(倉敷商) .200    左二    死球    死球       二ゴ
(中) 中嶋(桐蔭学園) .125    二飛    中飛    捕飛       一ゴ 
(三) 糸原(開星) .154       中安 遊飛       左飛      
(捕) 坂本(履正社) .000       一飛   

三ゴ    三振      
(投) 関谷(日大三) .167       中安    二ゴ            
上原(広陵) .000                   三振      
山崎(日大三) .429                           
   27 .164                           

◆明大投手成績◆
名 前 球数
関谷(日大三) 42/3 95 1.29
上原(広陵) 21/3 51 1.69
山崎(日大三) 27 1.77
◆ベンチ入りメンバー◆
19 関谷(政経4=日大三) 35 石井(営2=履正社) 10 中嶋(法4=桐蔭学園)
11 山崎(政経3=日大三) 12 坂本(文2=履正社) 糸原(営3=開星)
31 月田(文3=熊本工) 25 岡大(政経4=倉敷商) 福田(商3=広陵)
上原(商2=広陵) 32 柴田(法4=中京大中京) 中原(文4=横浜)
17 柳(政経1=横浜) 宮内(政経2=習志野) 26 宮武(商4=三重)
23 星(政経1=宇都宮工) 14 大塚健(商2=花咲徳栄) 菅野(法2=東海大相模)
石畑(商4=広陵) 原島(農4=国士舘) 高山(文2=日大三)
27 西村祐(法4=春日部共栄) 15 伊藤剛(文4=長野日大)
24 海部(商2=履正社) 38 上西(営2=明大中野八王子)
勝敗表 第2週  4/22現在
試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
法大          ○○ ○○ 4 4 0 0 2 1.000
早大    ○△       ◯◯ 4 3 0

1 1 1.000
明大    ●△ ○●◯       5 2 2 1 1 .500
立大       ●◯● ○●○    6 3 3 0 1 .500
慶大 ●●       ●◯●    5 1 4 0 0 .200
東大 ●● ●●       4 0 4 0 0 .000

試合後のコメント
6番でスタメンの中嶋
「両チーム一歩も譲らない均衡した試合でした。明治は守りのチームなので、しっかり守れたことは収穫です。ですが、もっと打つ方で点を取っていきたいです。消極的なバッティングが目立つので、失敗を恐れずに打ちにいくことが必要です。早稲田の方が意外とがっくりきているかもしれませんし、うちは一歩踏ん張れたので、明日は勝ちたいと思います」

8回からリリーフした山崎
「8回無死二塁で登板した場面では、一点もあげられないので絶対に抑えてやろうと思って投げました。今日は試合後半になるにつれて、中継ぎでの登板を意識しました。昨日あまり投げなかったので、疲れはなかったです。今日負けなかったことは大きいです。明日にまた試合ができるので勝ちにいきます」

5番で出場した岡大
「初回の二塁打は直球を打ちました。カウントが有利だったので、思い切っていきました。今日は長打が出たので、それは良かったです。明日は有原選手と対戦できるので楽しみです。7回のフライをスライディングキャッチしたファインプレーは球を追いかけた結果です」

先発し、4 2/3回を2失点の関谷
「とにかく負けなくて良かったです。投手陣も粘ってよく投げたと思います。3回のタイムリーは抜けたカーブだったと思います。ピンチも多かったが、ある程度は打たれると思っていたので、ピンチも想定していました。それが功を奏したと思います」

2番手で登板した上原
「調子は良かったのですが、少しでも甘く入れば打たれるイメージがあって硬くなってしまいました。ピンチの場面ではマイナスなイメージを持たないように意識しました。7回の微妙な判定の際には、そのプレーを意識しないように、集中力を切らさないように投げました。まだ1勝もできていないので、明日まず勝って2勝できるようにしたいです」

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対早大戦 
4月29日 13時試合開始予定(一塁側)

神宮球場アクセス
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