新エース山崎がリーグ戦初完封 開幕勝ち点獲得/東京六大学春季リーグ戦

2013.04.23
新エース山崎がリーグ戦初完封 開幕勝ち点獲得/東京六大学春季リーグ戦
 エースと4番の活躍で1点を争う好ゲームを制した。先発の山崎福也投手(政経3=日大三)は立大打線に7安打を許すも、キレのある直球と多彩な変化球で相手打線に的を絞らせず、リーグ戦初完封勝利。8回から最終回にかけては圧巻の5者連続三振で試合を終わらせた。初回に菅野剛士外野手(法2=東海大相模)が放った左翼線適時二塁打での「スミ1」をものにし、優勝に向け好スタートを切った。

 新エースが輝きを放った。1―0で緊迫していた終盤、気合の入った投球で8回から9回にかけて圧巻の5者連続三振を奪い、自身初の完封勝利を決めた。「最後は絶対に負けたくないという気持ちで投げ抜いた」。最後の打者の我如古(立大)へ投じた115球目の速球はこの日最速となる145㎞を計測。三振で試合終了を決めると、山崎は力強くガッツポーズをした。中1日での登板に「多少疲れはあった」と話すも「11番を付ける重みは感じている。エースとして負けは許されない」と強い気持ちが結果につながった。7回には一塁走者をけん制でアウトにするなど、冷静な判断も光った。エースの好投に中嶋啓喜主将(法4=桐蔭学園)が「福也はよく投げてくれた」と話せば、スタメンマスクをかぶった坂本誠志郎捕手(文2=履正社)も「ピンチになっても心配はしていなかった」と山崎を絶賛。後がない大事な試合で、今年から新たに「11」を付けた新エースが素晴らしい投球を披露した。

1回裏2死三塁 4番の菅野が左翼線へ<br />先制の適時二塁打を放った<br />“align=left><br clear=1回裏2死三塁 4番の菅野が左翼線へ
先制の適時二塁打を放った

 起用に結果で応えた。初回、2死三塁の先制の好機をつくる。この場面で、今日の試合4番に抜てきされた菅野が左翼線への先制適時二塁打を放った。前日までは岡大海内野手(政経4=倉敷商)が4番を務めていたが、不調のため6番に。2試合で5打数3安打と好調の菅野に白羽の矢が立った。4番での出場は「今日の朝に伝えられた」と話したが、菅野は首脳陣の抜てきに見事応え、明大に待望の先制点をもたらした。この冬場にはそれまでの引っ張り中心の意識を変えるために「広角に打てるように練習を重ねた」。打撃練習ではわざと少々厳しい球でも逆方向へ持っていき、体の使い方をくせとして覚え込ませた。初戦に続き、左翼方向への適時打と、冬の成果がしっかりと試合で発揮されている。

 勝ち点を取った勢いで次週に臨みたい。27日からは昨春の覇者である早大との対戦が待っている。エースの有原を筆頭に、吉永や東大戦で完全試合を達成した高梨らが控え、盤石な投手陣を誇る。この2試合で9安打1得点と当たりのない打線の奮起が、早大戦のカギとなりそうだ。

[中田宏明]

◆明大打撃成績◆
打順 守備 名 前
(遊) 福田(広陵) .167 三ゴ 遊飛       遊ゴ    左飛      
(二) 宮内(習志野) .182 右二    遊ゴ    遊ゴ       遊ゴ   
(右) 高山(日大三) .083 一ゴ    二ゴ       二ゴ    左飛   
(左) 菅野(東海大相模) .500 左二    四球       一ゴ    投ゴ   
5  (中) 中嶋(桐蔭学園) .250 死球    二ゴ       一ゴ         
(一) 岡大(倉敷商) .100 三振       遊ゴ       中安      
(投) 山崎(日大三) .500    一安    遊ゴ    左飛      
(捕) 坂本(履正社) .000    一ギ    三ゴ

      投ゴ      
(三) 糸原(開星) .000    三振       三振            
宮武(三重) 1.000                四球      
伊藤剛(長野日大)                        
原島(国士舘)                           
   27 .180                           

◆明大投手成績◆
名 前 球数
○山崎(日大三) 115 12 0.00
◆ベンチ入りメンバー◆
19 関谷(政経4=日大三) 22 高橋隼(法3=日本文理) 10 中嶋(法4=桐蔭学園)
11 山崎(政経3=日大三) 12 坂本(文2=履正社) 糸原(営3=開星)
18 今岡(文3=横浜隼人) 25 岡大(政経4=倉敷商) 福田(商3=広陵)
31 月田(商3=熊本工) 32 柴田(法4=中京大中京) 中原(文4=横浜)
上原(商2=広陵) 宮内(政経2=習志野) 26 宮武(商4=三重)
17 柳(政経1=横浜) 14 大塚健(商2=花咲徳栄) 菅野(法2=東海大相模)
23 星(政経1=宇都宮工) 原島(農4=国士舘) 高山(文2=日大三)
石畑(商4=広陵) 15 伊藤剛(文4=長野日大)
27 西村祐(法4=春日部共栄) 38 上西(営2=明大中野八王子)
勝敗表 第2週  4/22現在
試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
法大             ○○ 2 2 0 0 1 1.000
早大             ◯◯ 2 2 0

0 1 1.000
明大       ○●◯       3 2 1 0 1 .666
立大       ●◯● ○●○    6 3 3 0 1 .500
慶大          ●◯●    3 1 2 0 0 .333
東大 ●● ●●       4 0 4 0 0 .000

試合後のコメント
5番に座った中嶋主将
「勝ったので良かったです。昨日の敗戦を引きずらず、雰囲気は悪くなかったです。(山崎)福也はエースとして安心して守れました。よく投げてくれました。打線は昨日と同じく淡泊で粘りがなかったです。もっと投手を助けてあげたいです。早稲田は投手が良いので、苦しい戦いになると思います。1点を取った方が有利になると思うので、チームみんなで頑張りたいです」

リーグ戦初完封の山崎
「まず勝ち点が取れて良かったです。終盤は絶対に負けないという気持ちで投げました。三振は多く取れましたが、あまり意識はしていなかったです。第1戦では球が高めに浮いていたので、全て低めに集めようと徹底していきました。多少疲れはありましたが、そんなことは言ってられません。11番を付ける重みは感じています。エースとして負けは許されないといつも考えています。反省としては7安打と多くヒットを打たれてしまい、苦しい投球が続いたことです。次はもっと楽に投げられるようにしたいです」

スタメンマスクをかぶり続けている坂本
「山崎さんは1回戦よりもボールの質自体は良く、低めに集めてくれました。しっかりお互いコミュニケーションを取って意図したボールを投げてくれました。ピンチになっても闘志を出していて、心配はなかったです。打者としてピッチャーを楽にすることができていないので、次からは打者として頑張りたいです」

1回に適時打を放った4番の菅野
「4番に入ったのはリーグ戦では初めてでした。今日の朝に4番に入ることを伝えられました。特に気負いませんでしたが、相手からのマークは4番打者ということで厳しくなるだろうし、そこは意識しました。しかし自分のやることだけ考えて、大振りせずにいこうと思いました。打った球はアウトコースの直球でした。ここで打たないと、という気持ちでした。自分は常にクリーンアップで打っているので、チャンスでどれだけ打てるかが勝負になります。あのような場面に回ってきて、結果を残せたことは練習の成果が出たと思います。1年生のときは引っ張るバッティングが多かったので、この冬は広角に打てるように練習を重ねました。打撃練習で意識的にレフトに犠牲フライを打つなど、流し打ちを意識して練習してきました。バットコントロールをうまくできるように練習しました」