粘る立大を振り切り、開幕戦で勝利を挙げる/東京六大学春季リーグ戦

2013.04.21
粘る立大を振り切り、開幕戦で勝利を挙げる/東京六大学春季リーグ戦
 序盤に点を奪い、最後は逃げ切った。同点で迎えた3回に宮内和也内野手(政経2=習志野)の右前適時打で先制。さらにこの回3本の適時打で一挙5得点を挙げた。先発の山崎福也投手(政経3=日大三)は本調子ではなかったものの、要所を締める投球で7回2失点の好投。最終回に四球や失策が絡み、同点のピンチを招いたが最後は今岡一平投手(文3=横浜隼人)が相手打者を三者連続三振に抑え、5―3で試合終了。苦しい試合をものにした。

 鮮やかな集中打で立大投手陣を打ち崩した。3回裏、先頭の山崎が二塁打で出塁。1死後、福田周平内野手(商3=広陵)の絶妙なセーフティーバントが決まり、1死一、三塁と好機を広げた。この好機に宮内が右前に運び、先制。続く3番高山俊外野手(文2=日大三)も右翼線への2点適時三塁打を放ち、立大先発の大澤をマウンドから引きずり下ろした。代わった田村(立大)からも菅野剛士外野手(法3=東海大相模)、中嶋啓喜主将(法4=桐蔭学園)が連続適時二塁打を放ち、この回5得点。「打線全体は積極的に振れている」(中嶋)。この回だけで4長打を含む6安打を集中させ、ビッグイニングをつくった。
 
 

先発の役割を果たした山崎
先発の役割を果たした山崎

  
 最終回、勢いづく立大打線を食い止めた。3点差で迎えた9回表、ルーキーの星知弥投手(政経1=宇都宮工)が登板するも、失策絡みでピンチを招き降板。この窮地を救うべく無死一、二塁から今岡がマウンドに上がった。だが今岡も「久しぶりの神宮で緊張した」と、3番岡部(立大)を四球で歩かせてしまい満塁に流れの悪い明大は4番寺田(立大)への3球目に坂本誠志郎捕手(文2=履正社)が一塁へ牽制を投げるも、ボールはショートバウンド。岡大海内野手(政経4=倉敷商)がボールを見失う間に三塁走者が生還してしまい、これで2点差に慶大3回戦で9回に逆転し勝利を飾った立大ベンチは湧き立った。だが今岡は冷静だった。「まだ2点差あると思えた」(今岡)と、ここから寺田、大塚拓、平原の3人を3者連続三振に抑え、明大に勝利をもたらした。

 エースの役目を果たした。昨春同様、開幕戦の先発マウンドを託されたのは山崎。昨年までの1番に代わり、今季から11番を身にまとう。過去には川上憲伸氏(平10商卒・現中日ドラゴンズ)岩田慎司氏(平21営卒・現中日ドラゴンズ)、野村祐輔氏(平24商卒・現広島東洋カープ)などが背負った明大伝統のエース背番号だ。序盤はノビのある直球、中盤にはブレーキの効いた変化球を駆使し、ランナーを出しながらも立大打線を6回まで0点に抑えた。7回に失策が絡み2失点を喫するが、後続の打者を三振に取り、追加点は許さなかった。「(球が)高く浮いてしまった」と走者を許す場面が多く、三者凡退は4回のみ。だが、我慢の投球でチームに流れを呼び込んだ。
 
 昨季は1戦目を落とすことが多かったが、今試合はものにした。3戦目までもつれると勝率にも大きく影響する。昨年、明大は春秋共に勝率の差で惜しくもBクラスに甘んじた。今試合をものにできたことは大きい。「明日以降も勝ち続けなきゃいけない」(山崎)。3季ぶりの優勝に向け、最高の開幕スタートを切った。

[中田宏明]

先神宮drデビューを果たした星
神宮デビューを果たした星

  
★星が神宮初登板★
 期待のルーキー・星投手がリーグ戦初登板を果たした。オープン戦で好投を続け、9回裏に神宮の土を踏んだ。不本意な内容での降板となったが、高校時代にプロのスカウトにも注目された素質を十分に見せた。初登板は1死も取れずほろ苦い経験となったが、星のこれからの活躍に期待だ。

  

◆明大打撃成績◆
打順 守備 名 前
(遊) 福田(広陵) .250 左飛    投安 遊ゴ       左飛      
(二) 宮内(習志野) .250 中飛    右安 一飛       捕飛      
(右) 高山(日大三) .250 左飛    右三    中飛    二飛      
(一) 岡大(倉敷商) .000    死球 二ゴ    三振       三失
5  (左) 菅野(東海大相模) .500    投ギ 左二    三振       捕ギ   
(中) 中嶋(桐蔭学園) .333    中飛 左二       四球    投ゴ   
(三) 糸原(開星) .000    右飛 三振       三振    二ゴ   
  星(宇都宮工)                           
  今岡(横浜隼人)                        
(投) 山崎(日大三) .666       左二 中安

   二ゴ         
上原(広陵) .000                        
原島(国士舘)                           
(二) 坂本(履正社) .000       三振 投ギ    三ゴ         
   29 .241                           

◆明大投手成績◆
名 前 球数
○山崎(日大三) 126 0.00
上原(広陵) 22 0.00
星(宇都宮工) 0 0/3 10 0.00
今岡(横浜隼人) 23 0.00
◆ベンチ入りメンバー◆
19 関谷(政経4=日大三) 22 高橋隼(法3=日本文理) 10 中嶋(法4=桐蔭学園)
11 山崎(政経3=日大三) 12 坂本(文2=履正社) 糸原(営3=開星)
18 今岡(文3=横浜隼人) 25 岡大(政経4=倉敷商) 福田(商3=広陵)
31 月田(商3=熊本工) 32 柴田(法4=中京大中京) 中原(文4=横浜)
上原(商2=広陵) 宮内(政経2=習志野) 26 宮武(商4=三重)
17 柳(政経1=横浜) 14 大塚健(商2=花咲徳栄) 菅野(法2=東海大相模)
23 星(政経1=宇都宮工) 原島(農4=国士舘) 高山(文2=日大三)
石畑(商4=広陵) 15 伊藤剛(文4=長野日大)
27 西村祐(法4=春日部共栄) 38 上西(営2=明大中野八王子)
勝敗表 第2週  4/20現在
試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
法大             ○○ 2 2 0 0 1 1.000
立大    ○●○       4 2 2

0 1 .500
慶大    ●○●          3 1 2 0 0 .333
早大             1 1 0 0 0 1.000
明大             1 1 0 0 0 1.000
東大 ●●       3 0 3 0 0 .000

試合後のコメント
3回に適時打を放った中嶋
「3回のタイムリーで打った球はスライダーです。自分に回るまでいい流れで来ていたので、自分もその流れに乗ろうという楽な気持ちで打席に入れました。いつも開幕戦はマイナスなイメージがあるのですが、1本打てたことですっきりしました。打線全体は積極的にみんな振れていると思います。あとはうまく捉えられるかどうかだと思います。投手陣は少し固さがあったのかなと思います。マウンド慣れしてくればいい球を投げてくれると思います。立教は終盤の粘りもすごくて勢いもあると思います。明日は先攻なので、最初から思い切っていきたいです」

最終回に登板した今岡
「立大に勢いがあったのと神宮での登板が久しぶりだったので、力が入りました。四球を出して点も取られてしまいましたが、まだ2点差あったので案外余裕がありました。3者連続三振については気付いていなかったのですが、最初からこの調子でいけたらと思いました」

先発で好投を見せた山崎
「勝てて良かったです。低めを意識して投げたのですが、高く浮いてしまったのが反省です。それでも抑えられたのは勢い良く投げ込めたからです。序盤は真っ直ぐ、中盤以降はカーブが良かったのでそれを中心にしました。背番号11になりましたが、プレッシャーは無いです。自分のピッチングをするだけです。(今日は2安打を放ったが)打撃に関しては特に意識せず打っています。明日以降も勝ち続けなきゃいけません。いつでも投げられるようにしていきたいです」

スタメンマスクを被った坂本
「山崎さんの調子は良かったです。でも点を取ってから、少しほっとしてしまった部分があったのかなと思います。上原は球がバラバラでした。今岡さんはああいった苦しい場面で投げても抑えられる力はあると思うので、信頼していました。明日も勝ちます」

2点適時三塁打を打った高山
「リーグ戦では1本目を打つことにこだわっているので、1試合目にヒットが出て良かったです。昨年の春は良かったですが、秋は研究されていることを意識して自分のバッティングができていなかったのでこの春は自分のバッティングをしようと心掛けたのがいい結果につながったと思います。自分の結果よりも、優勝をまだ経験していないので優勝したいです。自分のバッティングができればチームの勝利に貢献できると思います。(3回に)打ったのは変化球だと思います。福田さんが盗塁して外野フライでいいと思って打ちました」

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対立大2回戦
4月21日 11時試合開始予定(三塁側)

神宮球場アクセス
・東京メトロ銀座線 外苑前駅より徒歩3分
・都営大江戸線 国立競技場駅より徒歩7分
・JR総武線 信濃町駅より徒歩7分 千駄ヶ谷駅より徒歩