早大の猛攻止められず優勝逃す/東京六大学トーナメント

2013.03.17
早大の猛攻止められず優勝逃す/東京六大学トーナメント
 六大学では法大と並び屈指の実力を誇る早大との決勝戦。その評判通りの打線の勢いに飲まれ、ワンサイドゲームを許してしまった。準決勝の慶大戦とは打って変わって、今季の課題が浮かび上がる一戦となった。

 早大の勢いを抑えることで精一杯だった。エースの赤尾裕希(文2=錦城)を先発のマウンドに送り込むものの、強力打線は高めに甘く入った球を見逃さない。2回にスクイズで先制を許すと、そのまま9番松田(早大)から4連打。隙のない攻撃を展開される。早大ペースを象徴するかのように、打ち取ったような当たりでもテキサス安打とされた。結局、赤尾はケガの影響もあり3回を投げて5失点。「細かいコントロールができていなかった」(赤尾)と修正が利かずにマウンドを降りた。
 後続を任された菊池秀之(農2=新田)も加速する早大打線に圧倒される。「球が高かったし、先頭に四球を出してしまった」(菊池)と3つの四球をで1死満塁のピンチを迎える。そこからは、7番に入った南(早大)の三塁打を皮切りに、またしても4連打。4回だけで6失点を喫して、序盤にして試合を決定付けられた。
 打線は3回に相手の失策により1得点。6回には豊田貴光(営2=広陵)がレフトオーバーの2点適時打がとび出したがそこまで。7回までは毎回走者を出しながらも、つながりに欠いた。そんな中でも橋本健史(商2=明大中野八王子)がスタメン定着へ意欲を見せている。この試合で2安打放ち、すかさず盗塁も2つ決めた。持ち前の守備でも、中前に抜けるかという当たりをしっかりとさばいた。「最近になって出させてもらえるようになったのでやってやろうという気持ちがある」(橋本健)と今季の活躍に注目したい。

今大会活躍を見せた橋本健
今大会活躍を見せた橋本健

 決勝こそ大敗で優勝を逃したが、この3試合は今季につながる結果をもたらしたことは間違いない。「いいプレーが出てチームが乗ることができれば自分たちのペースで試合をできる」(橋本健)。慶大戦の逆転劇ではそれを証明してみせた。25日からは関東選手権も始まり、いよいよ本格的なシーズンの幕開けとなる。一新されたチームで、再び全国の舞台を目指す。

試合後のコメント
赤尾

「全体的に投げ込みの量が少なく球が浮いていた。走者が出た時に、ワンテンポでバッター中心になっていて、もっとリズムを入れたり牽制を取ったり間を取ったりリズムを変えれば変わってきたのかなと思う。(ケガの影響は)ちょっと痛いので投げ込みや練習試合を控えていたので、細かいコントロールとか球が上に行っているのがあるなと思ったが、仕方がないと思う。(関東選手権まで)残り短いが、試合を追うごとに調子は良くなると思う。その中で何かきっかけをつかめればいい。(目標は)とりあえず昨年よりも上を狙って、一戦一戦勝つこと。いきなり優勝など大きな目標立てるよりも、まずは一戦一戦勝つことを頑張りたい」

加藤
「守備から攻撃につなげるという野球の基本なのだが、あれだけ取られると…。各自がバットをしっかり振っていかなければならない。(2安打について)自分自身調子は悪くない。甘く入ったのを打っただけ。(守備位置について)後半は後ろはいいと言われた。ああいうヒット(ポテンヒット)は流れがある証拠。(早大のように)バットを振っていけば、流れも変わる。(今年のチームは)打力は、現段階では昨年より落ちている。足でカバーしている。投手は昨年よりいい。先頭が出ることを心掛けている。(盗塁について)チーム全体として、次の塁を狙っていこうというのがある。(関東選手権に向けて)2週間ぐらいしかない。船木も言っていたが、実際差はそこまでない。あとは気持ちだったり試合の入りや準備なので、準備をしっかり各自がするだけ。頑張りたい」

菊地
「球が高かったし、先頭に四球を出してしまった。昨日の東大戦は公式戦の初戦だったのでいい緊張感で投げることができて良かった。自分はどこでも投げられる投手になりたい。いつもいい練習をできているし、試合前もいい感じで入れているのでこれからもそういうことを意識してやっていきたい」

橋本健
「ピッチャーはストライクが入らないことが課題でこれまでやってきて、成長した姿も見せられたと思うが、それ以上に早大の強烈な打撃が上回った。序盤から力の差を感じた。今日のような試合展開が今後もあると思うので、そこで自分たちがどういう野球ができるのかを考えさせられる試合だった。今までは試合に出ていなくて、最近になって出させてもらえるようになったのでやってやろうという気持ちがある。その中で結果が欲しいところで出たのはうれしい。自分は守備で盛り上げて、いい流れを持っていって攻撃では後ろにつなぐことが持ち味。場面に応じたチームのためのバッティングをできるように心がけている。今日は差が付いたが、前回は慶大戦で負けている状況から逆転することができた。いいプレーが出てチームが乗ることができれば自分たちのペースで試合をできると感じている。苦しい展開だからこそ自分たちで盛り上げていければ、実力以上のものが出せると思う。(関東選手権)まずは一戦一戦勝たないと次はない。まだ一週間あるので自分たちのできる練習をして、リーグ戦に向けて次のステップとなるような大会にしたい」