好投光る! 東大、慶大破り決勝進出/東京六大学トーナメント
[1回戦(対東大戦)]
投打ともに圧倒した。東大といえども昨年の秋季リーグ戦では歴史的1敗を許し危うくカードを奪われかけた相手。主将の船木翼(農3=広陵)も「どきどきだった」と警戒を怠らなかった。しかしふたを開けてみれば、コールドゲーム。新体制で臨んだ一戦は、地力の差が出た。相手投手陣の制球難もあり、3回までに11得点を奪い、試合を決定付けた。投げては先発菊池秀之(農2=新田)が6回無失点被安打4と好投。7回は酒井一輝(商3=明大明治)が2奪三振を含む3者凡退で試合を決めた。
[2回戦(対慶大戦)]
相手の隙を突いた。1点を追いかける明大は7回、相手の失策と野手の連係ミスから、1死二、三塁の好機をつくる。打席には9番寳田慎太郎(営1=東北)。「いけいけの状態だった」と2球目を弾き返した。打球は三遊間を抜け、左前安打の同点打。続く1番の船木もしぶとく一、二塁間を抜き、右前安打。右翼手の守備がもたつく間に寳田も帰還し2得点を追加した。
積極性が勝利を呼び込んだ。同点打の寳田は3回にも果敢な盗塁を見せ、三塁まで進む。無安打で一、三塁とし重盗でホームを狙ったがタッチアウト。惜しくも先制とはならなかった。しかし「積極的に行けたのが、あとのタイムリーにもつながった」(寳田)と、積極的な姿勢が、結果として7回の逆転となった。「寶田みたいに思い切ったプレーをしてくれると上級生も刺激をもらって、底上げされたいいチームができる」(船木)と主将も賛辞を贈った。
投手陣が安定し、リードを守り切った。先発の加賀谷至(法2=能代)は緩急を付けた投球で5回を1失点にまとめ、野手の反撃を待つ。6回からは東大戦でも登板した酒井がマウンドへ。7回味方が逆転を果たすと、8回に慶大が逆襲を仕掛ける。1死一,二塁の好機をつくられるが、後続を連続で飛球に打ち取り流れを断った。9回はクローザーとして今季も期待が懸る小出啓介(営4=明大中野八王子)が登板。安定した投球を見せ、打者4人に2奪三振で締めた。
同点打と走塁でアピールした寶田
好守にも助けられた。1回に鋭い打球が2塁に飛んだが、ここを二塁手の橋本健史(商3=明大中野八王子)がバックハンドで収め一塁に送球。7回にはあわや本塁打という大飛球を、左翼手の三浦周(商4=掛川西)がフェンスにぶつかりながらも捕球。流れを変えたこれらの守備が、逆転勝利への大きな足掛かりをつくった。
決勝は早大戦だ。昨年は関東選手権での敗北に始まり、リーグ戦でも1勝4敗と相性が良くない。新体制ではいい流れで来ているだけに、苦手意識を克服したい。勢いそのままに、今季の初顔合わせでは、一泡吹かせたいところだ。
試合後のコメント
船木
「東大に関しては秋に一敗しているのでさすがに今日は負けられないというのがあった。東大戦はみんな結構気持ちを楽にやっていたが、正直自分の中ではどきどきだった。東大戦の方が怖かった。(慶大戦の逆転打は)みんなが打たせてくれた。ベストメンバーで負けられない試合だったが、ああいう試合になって最後に自分に回してくれた。ベンチの声援が打たせてくれた。投手陣はみんな良くなってきている。今までにないくらいの投球をしてくれている。その中で気持ちを持っているやつを使っていく」
酒井
「調子が良かった。意識を変えたらうまくいった。自分はどちらかというとスリークォーターだが、今まで上から投げようという意識があった。それを横から腕を振るように意識した。球の伸び、コントロールが良くなって、変化球とのコンビネーションにもつながった。今日はしっかり投げれば打たれないという自信が付いた」
久々の公式戦登板で好投した加賀屋
加賀谷
「変わったばかりで先頭打者を出してしまったところは反省しなければならない。しかしとりあえずチームが勝てたので良かった。昨年赤尾(裕希・文3=錦城)が活躍して自分もそれに刺激を受けた。赤尾だけでなく、それ以外の投手で勝てるようにしたい。とりあえずチームに貢献できるように頑張りたい」
寳田
「(慶大戦での同点打は)いい場面でくると思っていた。いけいけの状態だった。(3回については)いけたらいけというサインで、投手を見ていけると思った。あれはセーフ。でもアウトになったのだから駄目。ただ、積極的にいけたのが、後のタイムリーにもつながった。自分はいい場面で回ってくることが多い。自分が勝負を決めて優越感に浸りたい」
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