法大に連敗でV許す 今季全日程を終える/東京六大学秋季リーグ戦 

2012.10.22
法大に連敗でV許す 今季全日程を終える/東京六大学秋季リーグ戦 
 悔しさが残る敗戦となった。明大は第1戦で完投し、この日も連投の法大先発・三嶋から2回に先制。しかし6、7回に得点を奪われ勝ち越しを許す。さらに9回にもダメ押しとなる4失点。最後は小川健太外野手(商4=横浜)が三振に倒れ、2試合続けて三嶋に完投勝利を許した。この結果、法大の7季ぶりの優勝が決定。明大は2季連続で対戦校の優勝の瞬間を目の当たりに。連敗で今季リーグ戦全日程を終えた。

 9回2死3ボール2ストライク、小川に投じられた7球目のストレートに主審の手が挙がる。その瞬間、法大ベンチから選手が飛び出し、小川は顔をうつむけた。マウンド上に集まる法大の選手をよそに、明大の選手たちは整列に向かう。春の早大4回戦に続き、またもや対戦校の優勝の瞬間を見届けることに。「目の前で胴上げされるのは悔しかった」(小川)。選手たちは悔しさをにじませながらベンチを後にした。
 
 三嶋を今日も打ち崩せなかった。昨日に引き続き先制はしたものの、連投となった三嶋の立ち上がりを攻め切ることができない。4回から6回までは1人の走者も出せず苦しい展開に。それでも勝ち越しを許した直後の7回、敵失と2四球で2死満塁の絶好のチャンスをつかむ。だが代打の中嶋啓喜外野手(法3=桐蔭学園)は低めのスライダーに手が出てしまい三振。数少ない好機を逃してしまう。結局、明大の得点は2回に坂本誠志郎捕手(文1=履正社)が決めたスクイズでの1点のみ。最後まで三嶋を捉えることができず、3安打1失点に抑えられてしまった。

 法大の勢いを止めることができなかった。先発の関谷亮太投手(政経3=日大三)は法大打線を5回まで1安打無失点。慶大2回戦で10回を無失点に抑えた投球をここでも披露していた。だが6回に連打を許し1死二、三塁のピンチを迎える。すると建部(法大)への2球目が暴投となり同点とされる。流れを引き戻したい明大は、今季リリーフでの登板では自責点0の山崎福也投手(政経2=日大三)が7回から登板。だが安打と犠打を絡められ1死二、三塁のピンチを招く。ここで鈴木翔(法大)に左前適時打を浴び、勝ち点を許してしまう。9回にも失策や適時打などで4点を与えてしまった明大はここで力尽きた。

7回表法大2死一、三塁 鈴木翔に<br />勝ち越しとなる左前適時打を浴びた山崎”align=left><br clear=7回表法大2死一、三塁 鈴木翔に
勝ち越しとなる左前適時打を浴びた山崎

 連覇はならず悔しいシーズンとなった。立大、早大、東大から勝ち点を奪取し、連覇は見えてきていた。だが「いざ優勝が懸かった試合で力を出し切れなかった」(田中勇次主将・法4=鳴門工)。リーグ終盤戦、慶大、法大と続けて勝ち点を落とし、失速した。ただ「悔しさを知る選手が先頭に立って引っ張っていってほしい」(田中勇)と来期以降の期待も口にした。下級生にとって今季の試合経験は大きな財産になったはずだ。「今年は2度優勝の瞬間を目の前にしたので、今度は自分たちが優勝したい」(山崎)。この悔しさをばねに、来季はリベンジを果たす。

[中田宏明]

  

◆明大打撃成績◆
打順 守備 名 前
(遊) 上本(広陵) .245 二ゴ    投ゴ       三振 二飛   
(二) 福田(広陵) .077 三ゴ    三振       二ゴ         
眞榮平(興南) .000                   三振   
  大塚健(花咲徳栄) .167                        
(中) 高山(日大三) .267 中飛       三振       三振    中飛
(一) 岡大(倉敷商) .353    遊ゴ    二ゴ       三失    右飛
5  (右) 小川(横浜) .357    左二    三振       左直    三振
(左) 菅野(東海大相模) .292    左安       三振    四球      
(捕) 坂本(履正社) .200    投ギ      一飛          
  川嶋克(日南学園) .154                   四球      
  今岡(横浜隼人) .000                        
  月田(熊本工)                        
関谷(日大三) .091    二ゴ                     
山崎(日大三) .083                        
中嶋(桐蔭学園) .239                   三振      
  高橋隼(日本文理) .000                        
(三) 宮内(習志野) .167       左安       三飛    左飛   
   29 .224                           

◆明大投手成績◆
名 前 球数
関谷(日大三) 88 1.53
●山崎(日大三) 12 15 2.20
今岡(横浜隼人) 10 12/3 40 2.29
月田(熊本工) 01/3 0.00
◆ベンチ入りメンバー◆
11 岡大(政経3=倉敷商) 13 眞榮平(政経2=興南) 10 田中勇(法4=鳴門工)
19 関谷(政経3=日大三) 33 原島(農3=国士舘) 小川(商4=横浜)
山崎(政経2=日大三) 福田(商2=広陵) 20 川嶋克(商4=日南学園)
23 今岡(文2=横浜隼人) 14 大塚健(商1=花咲徳栄) 中嶋(法3=桐蔭学園)
21 上原(商1=広陵) 15 糸原(営2=開星) 27 中原(文3=横浜)
31 月田(商2=熊本工) 35 石井(営1=履正社) 37 菅野(法1=東海大相模)
西村祐(法3=春日部共栄) 上本(商4=広陵) 38 高山(文1=日大三)
12 高橋隼(法2=日本文理) 26 宮内(政経1=習志野)
32 坂本(文1=履正社) 34 廣﨑(商4=明大明治)
勝敗表 第7週  10/21現在
試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
法大 ●○● ○○ ○○ ◯○ ○○ 11 9 2 0 4 .818
早大 ○●○    ○●● ◯◯ ○○ 10 7 3 0 3 .700
慶大 ●●    ○●△○ ◯◯ △◯○ 11 6 3 2 3 .667
明大 ●● ●○○ ●○△● ●○◯ ○○ 14 7 6 1 3 .538
立大 ●● ●● ●● ○●● ○○ 11 3 8 0 1 .273
東大 ●● ●● △●● ●● ●● 11 0 10 1 0 .000

試合後コメント
田中勇
「今までの自分たちの弱さが全部出てしまった試合でした。具体的には大事なところで守り切れない、粘り切れない、先制しても追い付かれて自分たちが追う場面では追い付けなかったり。序盤はまだ粘れていましたが終盤ここ一番の法政、慶応といざ優勝が懸かってくると力を出し切れませんでした。来年は今ベンチに入ってるメンバー、入っていないメンバーも力を合わせてほしいです。下級生には今年と同じことをしていても絶対に勝てないという話はしました。この悔しさを知っている人間が先頭に立って引っ張っていってもらいたいと思います」

小川
「最後の打者になりたくなかったので、打ってやると強い気持ちで臨みましたが、打てませんでした。自分たち4年生の代で胴上げをすることが目標だったので、目の前で胴上げされるのは悔しかったです。 今季は下級生にとっていい経験になったと思います。自分たちの代を踏み台にして、もっといいチームになってほしいです。 (下級生へ一言)自分は、今まで試合に出られなかった人間。それでも自分を信じてやってきたことで、最終的に神宮でプレーができました。神宮は本当にいいところです。後輩たちには諦めず、自分を信じて神宮の舞台に立ってほしいと思います」

岡大
「今年は監督から投手としていくと言われましたが、投手としていい結果を残せなくて自分への情けなさがあります。(今季は18安打を放つなど打撃面で活躍したが)その中でも今季の優勝が懸かった慶大戦では打点が挙げられなかったです。(来年に向けて)投手としてチームが優勝できるように活躍をしたいです。打者としては、この成績(打率3割5分3厘)ですが、ここ一番では打てなかったです。精神的に強くなりたいです。(チーム内の競争について)また横一線になると思います。自分が、という気持ちを常に持ってやりたいです。こいつが投げれば大丈夫という存在になりたいです」

山崎
「今日勝って4年生と1日でも長く野球をやりたかったです。春に続いて優勝の瞬間を見せられたので、今度は自分たちがやりたいと思いました」

菅野剛士外野手(法1=東海大相模)
「1年生が多い中、4年生はベンチで盛り上げてくれました。プレー面では勇次さんや小川さんにお世話になったので、良い形で送り出したかったのですが、申し訳ないです。また今度は自分たちがやらなくちゃという気持ちにもなりました。来年新しく入る1年生に示しがつくようにしていきたいです」

高山俊外野手(文1=日大三)
「4年生には勝って終わってもらいたかったです。自分のミスで迷惑を掛けて、取り返したかったです。4年生は1年生がやりやすい環境をつくってくれました。いい4年生の下でやれて、感謝をしたいです」

坂本
「関谷さんは調子が良く、いけると思いましたが自分にミスが出てしまいました。絶対に勝たなきゃいけない試合でミスをしてしまうということはまだまだ未熟かなと思いました。今季の収穫は他大相手でもしっかり投手と話し合ってピッチングを組み立てれば抑えることができると感じたことです。ですが、1回戦を落としてしまう大きさが分かったシーズンでした。1年生が多く出場する中で4年生にはベンチの中でも声を掛けてもらい、その中で野球ができたことは幸せです。もっと長く野球を一緒にしたかったです」