慶大・白村、福谷の前に幾度の好機逃し、逆転負けを喫す/東京六大学秋季リーグ戦

2012.10.14
慶大・白村、福谷の前に幾度の好機逃し、逆転負けを喫す/東京六大学秋季リーグ戦
 春に続き、陸の王者が明大の前に立ちはだかった。1点リードの4回裏、先発・山崎福也投手(政経2=日大三)が大川武(慶大)の適時2点三塁打を含む3点を奪われ、逆転を許してしまう。明大は好機をつくるも白村、福谷(共に慶大)のリレーの前に振り逃げでの2点止まり。投打がかみ合わず、立大、早大戦と同じく、またもや第1戦目を落としてしまった。

 不運もあったが踏ん張り切れなかった。初回1死一、三塁のピンチで相手の4番阿加多(慶大)の放った打球はショート正面へ。併殺かと思われたが「足が動いてくれなかった」と名手上本崇司内野手(商4=広陵)がまさかの失策。痛い先制点を奪われる。さらに1点リードで迎えた4回、1死一、二塁の場面で7番大川武が放った打球は三遊間へ。遊撃手・上本が飛び込むも打球はグラブをはじいてしまう。左翼手・中原北斗外野手(文3=横浜)がカバーできず、打球は外野を転々。その間に、一塁走者まで生還し、逆転を許してしまった。記録は三塁打となったが不運な形で点を奪われ、悔しい失点となった。続く白村にもフルカウントからスクイズを決められこの回3失点。内容は悪くなかったが山崎はここで降板となった。


明大7回表一、三塁の好機で
空振り三振に倒れた高山

 白村、福谷の投手リレーの前に打線が沈黙した。初回、制球の定まらない白村を攻め立て、四球とヒットで無死一、三塁と先制点のチャンスを迎える。だが3番菅野剛士外野手(法1=東海大相模)は三振。4番岡大海投手(政経3=倉敷商)は外角の変化球を引っ掛けて併殺打。絶好の得点機を逃し、試合の主導権をつかむことができなかった。その後も白村の145kmを超える直球を捉えることができない。逆転された直後の5回には2死から一、二塁の好機も岡大が右飛。白村に対し、6回までに11奪三振を喫してしまった。7回表には登板直後の2番手・福谷を攻め、1死一、三塁の好機をつくる。しかしここでも高山俊外野手(文1=日大三)、川嶋克弥外野手(商4=日南学園)が続けて凡退。幾度の好機も得点に結び付けられなかった。慶大は6安打で5得点に対し、明大は5安打2得点。「1点が勝負を分ける場面で点が取れなかった」(坂本誠志郎捕手・文1=履正社)と拙攻が目立ち、振り逃げでの得点のみに終わった。

 敗戦にも選手たちは下を向いていない。「2、3戦目はこれまで勝ってきた。そこを信じたい」(田中勇次主将・法4=鳴門工)と立大、早大戦と同様の戦況に焦りはない。今春は慶大に2連敗を喫し勝ち点を献上した。だが今季はこのままでは終われない。「これからが正念場」(中嶋啓喜外野手・法3=桐蔭学園)。優勝に向け、一戦一戦負けられない戦いが続く。

[中田宏明]

◆明大打撃成績◆
打順 守備 名 前
(遊) 上本(広陵) .324 四球    投ギ    三振    右安      
(右) 高山(日大三) .300 左安    三振    遊安    三振      
(左) 菅野(東海大相模) .400 三振    三振                  
  中原(横浜)                           
  打左 川嶋克(日南学園) .200             四球    一ゴ      
(一) 岡大(倉敷商) .387 遊併    四球    右飛       二ゴ   
(中) 中嶋(桐蔭学園) .303    遊ゴ 三振       三ゴ    三振   
(三) 原島(国士舘) .182    三振    中飛    三振    三振   
(投) 山崎(日大三) .091    三振    三振               
  上原(広陵) .500                           
   糸原(開星) .118                三振         
  今岡(横浜隼人) .000                           
  内海(桐蔭学園)                           
   小川(横浜) .250                         遊ゴ
(捕) 坂本(履正社) .231   

   中安 三振       遊飛    投ゴ
(二) 宮内(習志野) .150       四球    右飛    三安    右飛
   31 .258                           

◆明大投手成績◆
名 前 球数
●山崎(日大三) 3 1/3 70 2.79
上原(広陵) 1 2/3 29 0.77
今岡(横浜隼人) 1 1/3 26 1 1.80
内海(桐蔭学園) 1 2/3 30 0.00
◆ベンチ入りメンバー◆
17 池田航(営4=明治) 32 坂本(文1=履正社) 10 田中勇(法4=鳴門工)
11 岡大(政経3=倉敷商) 33 原島(農3=国士舘) 小川(商4=横浜)
19 関谷(政経3=日大三) 福田(商2=広陵) 20 川嶋克(商4=日南学園)
山崎(政経2=日大三) 14 大塚健(商1=花咲徳栄) 中嶋(法3=桐蔭学園)
23 今岡(文2=横浜隼人) 15 糸原(営2=開星) 27 中原(文3=横浜)
21 上原(商1=広陵) 35 石井(営1=履正社) 37 菅野(法1=東海大相模)
31 内海(商1=桐蔭学園) 上本(商1=広陵) 38 高山(文1=日大三)
西村祐(法3=春日部共栄) 26 宮内(政経1=習志野)
12 高橋隼(法2=日本文理) 34 廣崎(商4=明大明治)
勝敗表 第6週  10/13現在
試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
法大    ○○ ◯○ ○○ 7 6 1 0 3 .857
明大    ●◯◯ ●◯◯ ○○ 9 6 3 0 3 .667
早大 ◯●●    ◯◯ ◯○ 8 6 2 0 2 .750
慶大 ●●    ○◯ △○○ 8 5 2 1 2 .714
立大 ●● ○●● ●● ●●    9 1 8 0 0 .111
東大 ●● ●● ●● △●●    9 0 8 1 0 .000

試合後コメント
田中勇
「(慶大の先発が白村投手だったことについて)竹内大投手の対策をしてきましたが、白村投手ということに関しては特に何もありませんでした。初回の無死一、三塁のチャンスで先制することができなかったのが痛かったです。ここまでの流れで東大戦以外は1戦目を落として2、3戦目を勝ってきました。そこを信じてまた明日あさってとやっていきたいと思います」

上本
「(初回のエラーについて)足が動いてくれなかったです。(バッティングに関しては)状態は良いとは言えないです。(4年でスタメンは上本だけだが)4年としてチームを引っ張っていけたらいいと思います」

現在首位打者の岡大
「チャンスで打てなくて、チームも負けてしまいました。初回と第三打席と打てなくて情けないです」

中嶋
「気持ちの面では今までと変わらずやっていきましたが、また一戦目を落としてしまいました。相手に攻められすぎて、受け身になってしまったのが駄目でした。嫌な流れで点を取られてしまい何とかしたかったのですが…。これからが正念場なので、何としても勝ち点を取っていきたいです」

先発した山崎
「(3回途中降板について)ヒットを打たれたのが駄目でした。(不運な失点も多かったが)そういったピンチを招いたのは自分なので、ピンチをつくらないようにしたいと思います。(調子は)それなりに球はいっていたと思います。(慶大先発・白村について)球が来ていて調子が良く、捉え切れなかったです。(明日に向けて)負けられない試合なので、チーム全員でやっていきたいです」

先発マスクをかぶった坂本
「先制されて追い付けたのは良かったですが、1点が勝負を分ける場面で点が取れなかったです。(スクイズについては)予想はしましたが、外そうかなとも思いました。自分にもっと決断力があれば良かったと思います。山崎さんは点を取られてしまいましたが、ボールは良かったです。内海(裕太投手・商1=桐蔭学園)も経験があまりないですが、いい球を投げていました。(明日に向けて)勝つしかないですね。勝ち点を取るために頑張ります」

チーム唯一の複数安打を放った高山
「(フォームを変えてからの好調について)今日は低目の変化球に手が出てしまいましたが、ボールは見えています。(7回表1死一、三塁の場面で打席が回ってきた時)あの場面は打つしかなかったです。(明日に向けて)勝つしかないのでしっかり勝って、勝ち点を取りたいと思います」

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対慶大戦 
10月14日 11時試合開始予定(一塁側)

神宮球場アクセス
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