赤尾の粘投に奮起! 成田の一打でサヨナラ勝ち/東京六大学秋季リーグ戦

2012.09.27
赤尾の粘投に奮起! 成田の一打でサヨナラ勝ち/東京六大学秋季リーグ戦
サヨナラ打を放つ成田
サヨナラ打を放つ成田

 エースの粘投にチームが応えた。白熱した投手戦は延長13回裏、成田翔平(政経3=能代)の一振りで決着した。先発の赤尾裕希(文2=錦城)は13回を投げて2安打1失点の完投。残り2カードを残して5勝目をマークした。

 均衡したゲームに終止符を打った。1-1で試合は13回裏、先頭の赤尾がストレートの四球を選ぶと、品川直樹(法4=上宮)がこの日初安打で出塁。続く小町知秀(営4=明大中野八王子)がフルカウントから四球を奪い、1死満塁の場面。打席には4番の成田。「1死だったので当てにいくというより、思いっ切り打って最悪犠飛でという気持ちが強かった」(成田)と気合で振り抜いた打球は、右翼手の横に落ちサヨナラの適時打となった。

 エース赤尾はこのサヨナラ勝ちをお膳立て。東大1回戦でも完投勝利し、この試合中1日での登板でも、それを感じさせない投球を披露。4回に二塁打を足がかりに1点を許し同点とされながらも、以降打たれたのは7回の1安打のみ。チームのサヨナラを最後まで信じ、試合終了まで無安打で守り抜いた。個人的にも5勝目を挙げ、秋季リーグのチームの全勝利を1人で稼ぐ。それでも「守備が良くて自分の投球が成り立つ。周りがいないと自分の投球は成り立たない」(赤尾)と個人の成績は二の次。エースとなっても周囲への感謝は決して忘れない。この試合でもその姿勢を貫き、チームの勝利の一翼を担った。

 それでも終盤戦へチームに新たな課題を残した。試合序盤から走者を出しながら得点を挙げたのは初スタメンを果たした山田裕太郎(政経3=明大中野八王子)の1得点のみ。4回に同点とされると、その後も東大先発の岡部から好機を生み出すことができなかった。「自分たちの弱さを認識させられた」(長谷部光主将・農4=広陵)「チャンスをつくっていて決め切れなかった」(成田)とこのカードを振り返る選手たち。この東大戦をチームを再び見つめ直すチャンスと捉え、次節の早大戦への弾みとしたいところだ。

好投しチームメイトに迎えられる赤尾
好投しチームメイトに迎えられる赤尾

試合後のコメント
長谷部

「自分たちの弱さを認識させられた。今日は3年生中心のメンバーだったが、フルメンバーと比べてやっぱり力の差はある。試合経験は少ないが、これからチームを引っ張っていく学年。いい経験になったのでは。(次の早大戦は)優勝には絶対落とせないカード。東大戦は打てなかったので、バッティングがカギになる。バッティング中心で練習していく。また投手に関しては赤尾以外のピッチャーはまだまだ。四死球が多いので、コントロールの制度を上げることが課題」

成田
「(サヨナラ安打について)とりあえず1アウトだったので当てに行くというより、思いっ切り打って最悪タッチアップでという気持ちが強かった。(チャンスをものにできない場面が多かったが)チャンスをつくっていて決め切れなかったのは自分たちの気持ちも技術も下がっているということ。次までに直さないといけない課題。昨日も自分たちのミスが多かったので、レベルを上げていかないといけない(早大戦へ向けて)早大、法大で勝ち点を上げればまだ分からない。勝ち点を上げられるようにチーム全体でやっていきたい」

山田裕
「(リーグ戦初スタメンについて)今日は外野のいつも出ている4年生が少ないので代役のつもりだった。今日の朝にスタメンと聞いてやってやろう、期待に応えたいと思っていた。(先制点について)とにかく転がそうとは思っていたが、結果的に点が入ってラッキーだった。(ゲーム内容は)守備は良かったが、チャンスで1本が出なくて悔しい。正直東大からここまで打てないとは。東大は快勝した春と比べて守備も投手も良くなっていた。(次の早大戦は)早大、法大と残りのカードを勝たないと優勝はない。今日も貧打だったしみんな振り込みが足りない。バッティング中心に練習をやっていきたい。早大は投手がいいので、打ち返せるようにしたい」

初スタメンで安打を放ち打点を挙げた山田裕
初スタメンで安打を放ち打点を挙げた山田裕

赤尾
「今日は周りに助けられた。最後の船木(翼・農3=広陵)さんのショートライナーしかり、失策もなかった。守備が良くて自分のピッチングが成り立つ。守備に感謝したい。(早くも5勝目を挙げたが)あまり考え過ぎると欲が出てしまって、自己中心的になってしまい絶対に崩れると思う。周りがいないと自分の投球は成り立たないのでそれはあまり考えていない。(投手陣の柱として)自分がやらなきゃという思いも強い。チームが優勝することを思ってやっているので、それが結果的に引っ張る形になっているのであればそれはそれでいい。(東大に苦戦をしたが)とりあえず勝ち点を取れて良かった。昨日の負けは東大だからというおごりとかが全体的にあった。それが昨日あってもっと引き締めろということだったと思う。昨日の負けを意味のある負けとして捉えれば東大戦はすごい内容の濃い2勝1敗だった。(早大戦へ)とりあえず走者出しても返さないように。今日みたいな投球ができるようにじっくり調整したい」