悪夢の13失点、立大に連勝ならず/東京六大学秋季リーグ戦

2012.09.11
悪夢の13失点、立大に連勝ならず/東京六大学秋季リーグ戦
 前日は辛勝し初戦を飾った明大。勝利の勢いそのままに立大から勝ち点奪取を狙ったが、かなわなかった。多くの課題が浮き彫りとなり、念願のリーグ戦優勝へ早くも暗雲が漂い出した。

 投手陣が試合をつくれなかった。「守備でテンポよく帰ってきて攻撃につなげるっていうのは野球の基本」(小澤真吾・商4=掛川西)それができなかった。序盤、立大に先制されるも3回表に伊藤晋太郎(営3=千葉経大附)の適時打で追い付く。しかし鬼門は3回裏だった。先発の酒井一輝(商3=明大明治)は安打などで満塁とされると、四球と死球で連続押し出しをしてしまう。そこで投手を中村健太(政経4=新潟明訓)に替えるも、スクイズと適時打によりこの回一挙5点を失ってしまう。「はっきり言ってその回で試合は決まったようなものだった」(酒井)と述懐するほど、流れは立大となった。

 守備のリズムが悪いと攻撃もつながらない。嫌な流れの中で、6回には成田翔平(政経3=能代)が本塁打、7回には小澤が二塁打とどちらも代打で登場した選手が素晴らしい打撃を披露した。「空気を変えたいというのがあった」(小澤)。しかし、打線のつながりは生まれず、結局散発7安打4得点にとどまった。

 流れは最後まで立大だった。3番手投手の菊池秀之(農2=新田)も8回に先頭を四球で出すと連打され、その後4番手の小出啓介(営3=明大中野八王子)に替わったが、連打を浴びる。結局この回もビックイニングにされ5点を献上し、勝負を決定づけられた。前日完投勝利した赤尾裕希(文2=錦城)以外の主力投手リレーであったが、終わってみれば13失点だった。

 多くの課題が見つかった。特に投手は課題が山積している。「投手が良くなったおかげで優勝できた、と言わせたい」(中村)。秋季リーグは始まったばかりだ。まだ改善する時間はある。また、この状況は今年の春季リーグに酷似している。春季リーグは投手陣が崩壊し、崖っぷちに立たされてから驚異の粘りを見せた。追い込まれてからの強さを見せることができるか、明大の底力を期待したい。

試合後のコメント
長谷部光主将(農4=広陵)

「(今日の試合)見た感じ今までの流れ。投手が試合をつくらないと。捕手もリードし切れなくて『どうしようもない』という感じ。捕手がそんな感じだと内野もそうなってしまう。投手というセンターラインが大事。軸がしっかりしてないと勝てない。センターラインが今後の課題だと思う。投手はリズム一緒で淡々としていて工夫出していないから大量失点になってしまった。工夫した投球しないと。投手と捕手がカギだと思う。(バッティング)今日は消極的だった。絞り球絞って狙って打つという考えが甘かった。積極的に打っていかないと。盗塁とかは良かったけど、打つ方は相手にプレッシャーを与えられなかった。(外で見て)外で見ている方が気付くこと多い。いろんな角度から見れるので、それを言っていって修正していきたい。(3回戦は)応援しかできないが、明日勝ち点取れるようにしてほしい。今日は消極的だったので試合の入りから集中できるように」

小澤
「(今日の試合について)収穫はない。悪い流れで自分たちが負ける時の展開をしてしまった。どうやって流れを持ってくるかと言ったら守備でテンポよく帰ってきて攻撃につなげるというのは野球の基本だと思っているので、いくら点を取ってもそのあと点取られてしまったら流れも来ないし、そこができないとどうしてもこのような苦しい試合になってしまう。(代打での二塁打について)雰囲気が悪かったので雰囲気変えたいとは思っていたが、それで打てたのは上出来。(悪いところの改善点は)難しい。技術的なことを言ったら、守備からちゃんとつくれる・投手がコントロールよく投げてもらうというところを改善していきたい。あとは全員の試合の取り組む姿勢。そこをもう一度見直していくことが必要だと思う。(次戦に向けて)せっかく春の後半からいいチームができ上がってきているので、その流れをもう一度思い出して、いい勝ち方をしたい。勝ち点は取ります!」

中村
「今日のピッチングの感想はない。前の投手が出した走者だけど、満塁で、スクイズで3点取られた。厳しいコースを決められたのは実力不足。力んだわけでもびびったわけでもない。追加点でその回5点入った。序盤はあれだと、最後まで諦めないっていうのはやっぱり無理。投手は3点以内が最低限だと思う。投手はいろいろ言われ続けているし、投手陣はもどかしさを感じている。来週から頑張る。明日すぐに技術が変わるわけじゃないから来週練習する。明日はとりあえず勝つ。(チームの雰囲気)チームの雰囲気は悪い。今チームは若返りを図っているのだけど、覇気がない。声とか出てない。さっきのミーティングで監督も仰ってたんだけど、もうちょっと出してもらっている以上責任と誇りを持ってプレーしてほしい。(投手陣全体)良くない。赤尾だけに持ってかれている。悔しいし、申し訳ない。赤尾は昨日完投して勝ったのに今日は赤尾以外で13失点は悔しいし、憤りを感じる。ピッチャーいろいろ言われているけど、見返すつもり。その言葉を糧にして自分が引っ張って、リーグ戦が終わった時立大2回戦を期に変わった、ピッチャーが良くなったおかげで優勝できた、と言わせて謝らせたい。そんなピッチャー王国をつくりたい」

酒井
「(今日の試合について)僕のせい。本当に情けなくてみんなに申し訳ない。打たれたのではなくて投手のミスで防ぎようがなく取られ、そんなことをすると相手もリズム乗ってしまう。結局その3回裏は5点取られて、その回で試合は決まったようなものだった。自分が試合を壊してしまった。(夏と比べて)自分でもちょっと分からない。全日でも試合つくれず、今回も試合を壊してしまった。悪いイメージみたいな考えを持ち過ぎている。本来自分は伸び伸び自分のテンポで投げてくというのが持ち味だと思っているので、それを今できないというのが問題。(問題の改善策は)練習して自信をつけるしかない。今はっきり言って先発とかやるのが不安。試合つくれるかなと弱気になってしまっている。いつもの自分なら俺が全部投げてやるくらいの強気な気持ちでいたが、弱気な部分が試合を壊している原因になっている。練習するのもそうだが、考え方も改めて次の登板に向けて頑張りたい。(次回は)もっと強気でバッターに勝負して、もっとテンポよく自分の投球ができるようにしたい」

小出
「(今日の内容)自分の調子自体は悪くなかった。終盤ずっと向こうのチームのペースで進んで、それに自分も飲まれてしまって打たれてしまった。打たしてゴロとかフライでアウトということが大切かなと。しかし投手は投手で打たれたくて打たれてるとか調子悪くて悪くしているわけではない。今はトレーニングを積んでもっと自信を持ってやっていくしかないと思う。自分の役割としては、ピンチの時に登板してそこのピンチを脱して雰囲気をよくして攻撃にいいリズムでつなげるというのが役目。それをしっかりやっていくために四球を出さないようにやっていきたい。(全体として)抽象的に言えば『あれ、赤尾じゃなくても勝てるんじゃ…?』みたいな投手陣にすることが最終目標。それにいくにはみんなで一致団結して、赤尾のいいところも見ながら自分のいいところも生かしてレベルアップを図れればいいと思う」

菊池
「(今日の内容)2回とも先頭出してしまった。駄目でした。(1回目は切り抜けたが)2回は腕が縮こまっていて、駄目でした。久々で緊張したのですけど、初回は腕振れていた。腕振れなくなったら打たれる。しっかり腕振っていきたい。腕振って低めにコントロールして四球を出さないようにしていきたい」