優勝へ向け好発進! 打線つながり初戦を突破/全日本選手権
先頭打者を失策で出塁させ1得点を失った初回。しかし「1点先制されて落ち着くことができた」(長谷部光主将・農4=広陵)と、相手に流れを渡さなかった。直後のその裏に岡田昌祥(法4=常葉菊川)が自慢の脚で二塁を陥れると、小町知秀(営4=明大中野八王子)が右前に弾き返し、難なく追い付く。その後も3、5回には斉藤俊(文4=静岡)が2打席連続で犠飛を放ち追加点を上げる。また4回には、品川直樹(法4=上宮)が意表を突くスクイズで確実に得点を稼いでいく。そしてとどめは終盤の7回、斉藤の適時打と船木翼(農3=広陵)の二塁適時打などで大量4得点と相手投手を攻め立てた。投げては先発の赤尾裕希(文2=錦城)は走者を許しながらも7回2失点の投球を披露。初回に先制点を許しながらも見事に立て直し、最少失点で試合をつくり上げた。

4安打の活躍を見せた小町
中でも、オフ明け後から不調に苦しんでいた斉藤が2安打2犠飛で3打点の活躍。復調の兆しを見せた。大会数日前には「自分が機能していない。オフが明けてから何かに取りつかれたように打てていない」ともらした斉藤。しかし、4番としての責任感の強さで振り切った。オフ明けからの1カ月間、完全に出場メンバーと分けて練習も合宿も行ってきた。出場メンバー最優先の練習。その他の選手は十分なレベルアップが図れているとは言い難かった。「そういった人たちに対する責任感というものがある。自分が打てなくて自分で悔しんだりする分にはいいかもしれない。しかし、そういう人たちがいるのである程度の成績を出さないといけない」(斉藤)。「相手投手に救われた感じがある。まだ不調を抜け出せたとは言えない」と語る斉藤自身だが、チームに対する強い思いが大舞台で結果となって表れた。そして、小町もセーフティバントを含む4安打1打点でチームの勝利に貢献した。
効果的な攻撃で初戦突破を果たした明大。リーグ戦からここまで勝ち上がってきた経験を強みに一戦一戦を勝ち抜く覚悟は十分。悲願の優勝へ今日の勢いを次戦につなげる。

試合をつくった赤尾(右)・伊藤のバッテリー
☆試合後のコメント☆
長谷部
「初戦ということでみんな硬かった。最初に失策から始まって、1点先制されて落ち着くことができた。試合前には思い切ってやらないと悔いが残ると話した。(愛知大の印象は)技術はそこまでだが、勢いに乗ったら怖い。(ゲームの内容は)失策や四球もあったが、アウト一つ一つ取って最少失点でいけたと思う。それぞれのミスをみんなでカバーできたことが良かった。(個人では先頭打者として得点に絡む活躍を見せたが)1番だから期待されることもあるけど、とりあえず塁に出れたらいいかなという気持ち。(明日に向けて)攻守どちらかからペースをつかめるように、最初の入りを大切にしたい」
小町
「負けたら終わりのトーナメントは高校野球以来で緊張していた。最初の打席で安打を打てて、それからはいつも通りできた。(3安打を含む全打席出塁の活躍を見せたが)最近調子が良いから打てると思っていた。次も打てるようにしたい」
斉藤
「(不調が続く中で今日の活躍だったが)本当に今日は相手投手に救われた感じがある。自分が打った球が全部高めだったので、それなら不調でも打てるかなという感じ。まだ不調を抜け出したとは言えない。ただ全日本で結果を求められていて結果を出せたことに関しては素直に喜びたい。(チーム的に今日の勝ち方は)良かった。安打、犠飛、スクイズ、そして走塁でも取れたので完璧。自分は緊張しなかった。最後だし楽しんだもの勝ちかなと思って楽しめた。(明日に向けて)明日も4番にチャンスが回ってくると思うので、きっちり点数が取れるように頑張る」
赤尾
「(初戦で7回2失点の投球を披露したが)今日は本当に勝ったこともそうだが楽しくやれた。周りが声を掛けてくれたし、笑顔でできた。緊張などは特にはなかった。リーグ戦の慶大戦や法大戦でぎりぎりの場面を勝ってきたからこそ、初戦で緊張せずできた。今までの経験がこういうところで生かされた。(点数を付けるとしたら)まだ60、70点くらい。決め球が甘く入ってしまうことが多くある。決勝の時には100点になっているようにしたい。初戦はどこも緊張していると思うし、それを突破できたのでチームの雰囲気もいい。(次戦に向けて)負けたら終わりだし4年生と長くやりたいのでただ勝つだけ」
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