法大との接戦制し、史上最多タイ33度目V/東京六大学春季新人戦

2012.06.09
 粘り強さで接戦をものにした。優勝を懸け臨んだ法大との一戦。4回に眞榮平大輝内野手(政経2=興南)、石井元内野手(営1=履正社)の適時打を含む、4連打で2点のリードを奪う。投げては北田純投手(法2=倉吉東)、古屋吉浩投手(営2=明大中野八王子)、上原健太投手(商1=広陵)のリレーで法大打線を1失点に抑えた。逃げ切り勝ちで、2季ぶり33回目の新人戦優勝。法大と並び、史上最多タイの新人戦優勝回数となった。

 ナインの笑顔が喜びを物語っていた。9回1死一塁、3ボール2ストライク。3番手・上原が投じた6球目は高校時代のチームメートである蔵桝(法大)のバットの空を切り、坂本誠志郎捕手(文1=履正社)が若林(法大)の二盗を阻止。「厳しい試合でしたが、優勝できて良かったです」(糸原健斗内野手・営2=開星)と、三振ゲッツーで33回目の優勝を決め、マウンド付近に歓喜の輪が広がった。
 上原が連日の好投でチームを優勝へと導いた。「1点を守り切るために、攻めの投球を心掛けました」。昨日の立大戦でも3回2/3無失点の好リリーフ。今日は1点リードの6回からマウンドに上がった。「いつでもいけるように準備していたので、連投でも大丈夫でした」と、毎回走者を出すも、要所を抑えるピッチングで4回を無失点。2試合連続の好リリーフで優勝に大きく貢献した。
 神宮初登板の2人も自らの役割をしっかり果たした。先発・北田は犠牲フライで1点を失うも、4回1失点の好投。「試合をつくろうと思っていました」と、初回から力のある速球を低めに集め、打たせる投球を心掛けた。続く2番手で登板した古屋は2死一、二塁のピンチを招くも、5番中園(法大)を速球で空振り三振に。気迫のこもった投球で一打同点の場面を凌いだ。

 連打で試合を決めた。序盤の4回、先頭の4番水井優外野手(法2=佼成学園)から4連打。無死一、二塁の好機で6番眞榮平が一塁線を破る同点適時二塁打を放った。「前の打席でヒットを打てたので、リラックスして打席に入れました」と、おととし甲子園春夏連覇を達成した興南高では4番を務めた強打者が大器の片りんを見せつけた。続く7番石井も中前適時打を放ち、この回2得点。法大先発・青木の球が浮き始めたところを逃さなかった。

 秋でのリベンジを誓う。各選手が自らの持ち味を発揮。チームとしてもまとまりが生まれ、優勝を勝ち取った。だが走塁ミスや守備の乱れなど、今後への課題も多く見つかった。秋春連覇を狙い臨んだリーグ戦は、Bクラスの4位。「優勝に浸るのは今日まで。明日からリーグ戦に向けて頑張っていきます」(糸原)。この優勝をステップに、秋は王座奪還を目指す。

[桑原幹久]

打順 守備 名 前
◆明大打撃成績◆
(二)三二 糸原(開星) .571 一ゴ    左安    左安    中安 三振   
(遊) 大塚健(花咲徳栄) .333 一安    三振    右飛    一ギ    四球
(中)右 菅野(東海大相模) .375 四球    二ゴ    左飛    四球 遊ゴ
(左) 水井(佼成学園) .375 三振    中安    四球 三振 左飛
(右) 橋本(花咲徳栄) .600 二ゴ       一安    左安 遊ゴ   
小倉(関西)                           
打中 海部(履正社)                         四球
(一) 眞榮平(興南) .400    右安    右二    三飛    四球   
木村(日大明誠) .000                           
七田(小城)                           
川合(倉敷商) .500                      三振
川野(明大中野)                     
(三)一 石井(履正社) .333    投ギ    中安    四球    投ギ   
(捕) 坂本(履正社) .167    中犠飛    投ギ    二直    中安   
(投) 北田(倉吉東) .000    右飛               
佐野(日大三) .000             捕飛            
古屋(明大中野八王子)                           
高橋隼(日本文理) .000                遊ゴ         
上原(広陵) .000                      三振   
     31 11 .308                           
名 前 球数
◆明大投手成績◆
北田(倉吉東) 62 0.00
古屋(明大中野八王子) 26 0.00
○上原(広陵) 57 0.00
◆ベンチ入りメンバー◆
17 田中歓(営2=明大中野八王子) 眞榮平(政経2=興南) 25 佐野(商2=日大三)
18 北田(法2=倉吉東) 32 中村修(文2=粉河) 水井(法2=佼成学園)
19 湖山(商2=米子西) 33 川合(政経1=倉敷商) 木村(農2=日大明誠)
21 古屋(営2=明大中野八王子) 大塚健(商1=花咲徳栄) 橋本(商2=花咲徳栄)
23 今岡(文2=横浜隼人) 14 福島(政経2=中京大中京) 28 海部(商1=履正社)
31 上原(商1=広陵) 糸原(営2=開星) 35 石井(営1=履正社)
高橋隼(法2=日本文理) 15 川野(政経2=明大中野) 38 小倉(文1=関西)
12 井上(文2=錦城) 16 七田(商2=小城)
22 坂本(文1=履正社) 37 菅野(法1=東海大相模)

◆選手コメント◆
2試合続けて好リリーフを見せ、優勝に大きく貢献した上原
「あんまりコントロールが安定していなかったですが、腕を振って抑えました。最後は高校時代のチームメートを抑えて勝てたので良かったです。打線がつながっていなかったので、1点を守り切るために、攻めの投球を心掛けました。いつでもいけるように準備していたので、連投でも大丈夫でした。(優勝について)うれしさはありますが、リーグ戦で勝つことが大事なので、切り替えて頑張ります」

4回に右翼線適時二塁打を放ち、先制点を挙げた眞榮平
「打ったのはインコース低めのチェンジアップかストレートです。前の打席でヒットを打てていたので、(タイムリーを)打てる自信がありました。リラックスして打席に入ることができました。(試合開始前は)決勝で勝たないと意味がないので絶対勝とうという話をしていました。自分が打って優勝できたのでうれしいですが、リーグで勝たないと意味がありません。秋に向けて頑張っていきたいです」

2点目となる中前適時打を放った石井
「優勝できて良かったです。それに限ります。(タイムリーについて)気持ちで打ちました。気持ちだけです。(優勝について)最高です。うれしいです。(今後の目標は)リーグ戦で活躍して優勝したいです」

新人戦主将としてチームを引っ張った糸原
「厳しい試合でしたが、優勝できて良かったです。(Vの要因)チームが一つになり、先輩方の分まで頑張ろうといい雰囲気でやれました。個人的には守備と走塁でミスがあったので、秋のリーグ戦までに克服してチームに貢献したいです。収穫は1番としての役割を果たせたことです。塁に出ようという意識がいい結果につながりました。(秋に向けて)リーグ戦で優勝しなければ意味がありません。新人戦優勝に浸るのは今日までにして、明日からまたリーグ戦に向けて練習していきます」

神宮初登板で4回1失点の好投を見せた北田
「優勝を目指して頑張ってきたのでうれしいです。初めて神宮のマウンドに立ったので、試合をつくろうと思っていました。周りも同級生だったので、緊張はなかったです。調子が悪いなりに試合をつくることができた。2ストライクから高めに浮いてしまったので、もっと低めに集められればいいです。自分の球をきちんと投げることができれば、(リーグ戦)メンバーに入れると思います」

2試合で8打数3安打1打点と活躍した菅野剛士外野手(法1=東海大相模)
「新人戦ですけど、優勝したことで六大学で一番になれてとてもうれしく思います。決勝戦でしたし、絶対勝つつもりでいました。自分の結果よりも、チームの勝利を優先していました。(春いきなり結果を出せたのは)日頃からいつ呼ばれてもいいように神宮をイメージして練習していたからだと思います」