福島決勝打!立大に逆転勝ちで決勝進出/東京六大学春季新人戦

2012.06.08
 打線がつながり、逆転勝利を収めた。5回までに3点のリードを奪うも、6回に先発・今岡一平投手(文2=横浜隼人)がつかまり4失点と、立大に逆転を許す。それでも連打に暴投が重なり同点に追い付いた8回、1死二、三塁の好機で、福島大剛内野手(政経2=中京大中京)が右前へ勝ち越し適時打を放ち、試合を決定付けた。投げては上原健太投手(商1=広陵)が6回途中から登板し、無失点と好リリーフ。粘り強さを見せ、決勝進出を決めた。

 名誉挽回の一打だった。1点を追う8回、1死から3番菅野剛士外野手(法1=東海大相模)、4番水井優外野手(法2=佼成学園)の連打に、四球が重なり1死満塁のチャンス。ここで打席には6番福島。暴投で同点に追い付いた後、川端大翔(立大)が投じた4球目のストレートを振り抜いた。打球は一二塁間を破り、勝ち越し右前適時打に。「前の回にエラーをしてしまったので、とにかく必死でした」。6回裏、1点差に追い上げられ、なおも1死一塁の場面。この回、守備から途中出場の福島は7番我如古(立大)が放った二ゴロを後方へ失策。併殺打でチェンジと思われた展開から一転、1死一、三塁とピンチを広げ、代打寺田(立大)に逆転左越え適時打を許すきっかけをつくってしまった。「チームに迷惑をかけていたので、打ててほっとしました」と、意地の一振りで、自らのミスを取り返した。

 大型左腕の好投で流れを取り戻した。先発した今岡が3点差の6回につかまり、一挙4失点。逆転され劣勢の中、1死二塁の場面から上原がマウンドに上がった。「逆転された場面からの登板でしたが、とにかく抑える一心で投げました」と、後続を打ち取り、点差を1点に抑えた。その後も190cmの長身から投げ下ろされる角度のある速球に加え、鋭く曲がるスライダーを武器に立大打線を翻弄(ほんろう)。逆転後の8、9回も3者凡退に抑え、勝利投手となった。「あまり力まず、打たせていこうとしたのが良かったです」。テンポの良い投球で攻撃へと流れをつくり、8回の逆転劇を引き寄せた。
 
 グラウンドとベンチが一体となった。「逆転されても試合に出ていないメンバーが盛り上げてくれたので、その分も頑張ろうと思いました」(糸原健斗内野手・営2=開星)。劣勢になっても粘り強さを発揮し、気落ちすることはなかった。
 明日、昨秋決勝で敗れた法大と再び対戦する。「優勝しか見えていません」(糸原)。法大と並び、史上最多タイ33回目の新人戦優勝へ。チーム一丸で決戦に挑む。

[桑原幹久]

打順 守備 名 前
◆明大打撃成績◆
(二)三 糸原(開星) .500 四球    四球    中安    三飛    四球
(遊) 大塚健(花咲徳栄) .333 捕ギ    中飛    右安       左直 三ギ
(右) 菅野(東海大相模) .600 中三    右安    右飛       右安 右直
(左) 水井(佼成学園) .500 遊飛    中二    一飛       左安 死球
(一) 植田(関西) .000 投ゴ    三ゴ                  
打一 眞榮平(興南) .000                一ゴ    四球 右飛
(三) 石井(履正社) .000    三振    遊飛               
橋本(花咲徳栄) .000                左飛         
福島(中京大中京) 1.000                      右安   
(捕) 坂本(履正社) .000    中飛    一飛    一飛         
打捕 高橋隼(日本文理) .000                      三振   
(中) 木村(日大明誠) .000    遊ゴ    左飛       二ゴ
川合(倉敷商) 1.000                      右安   
走中 小倉(関西)                           
(投) 今岡(横浜隼人) .000       二ゴ    三振            
上原(広陵) .000                   三振 三振   
     34 .265                           
名 前 球数
◆明大投手成績◆
今岡(横浜隼人) 5 1/3 96 3.39
○上原(広陵) 3 2/3 39 0.00
◆ベンチ入りメンバー◆
喜多(商2=金沢錦丘) 眞榮平(政経2=興南) 長嶺(文2=宮崎工)
17 関矢(営2=明大中野) 13 植田(文2=関西) 水井(法2=佼成学園)
18 北田(法2=倉吉東) 33 川合(政経1=倉敷商) 木村(農2=日大明誠)
21 古屋(営2=明大中野八王子) 大塚健(商1=花咲徳栄) 橋本(商2=花咲徳栄)
23 今岡(文2=横浜隼人) 14 福島(政経2=中京大中京) 27 野地(政経2=明大明治)
31 上原(商1=広陵) 糸原(営2=開星) 35 石井(営1=履正社)
高橋隼(法2=日本文理) 15 川野(政経2=明大中野) 38 小倉(文1=関西)
12 樋口(政経2=明大明治) 37 菅野(法1=東海大相模)
22 坂本(文1=履正社) 28 会田(商2=明大中野八王子)

◆選手コメント◆
勝ち越し右前適時打を放った福島
「(タイムリーについて)前の回にエラーをしてしまったので、とにかく必死でした。チームに迷惑をかけていたので、打ててほっとしました。打ったのはストレートです。みんなとにかく勝ちたい気持ちが強かったので、ベンチも盛り上がっていました。明日も今日のようにいい試合をして勝ちたいです」

3回2/3を無失点と好リリーフを見せた上原
「(リリーフについて)逆転された場面からの登板でしたが、とにかく抑える一心で投げました。あまり球速は出なかったのですが、しっかりと腕を振って投げられたので、いい真っすぐを投げられました。スライダーはうまく相手のタイミングを外すことができました。あまり力まず、打たせていこうとしたのが良かったです。明日勝てば優勝なので、気合を入れていきます」

新人戦主将を務めた糸原
「打線が良くつながったと思います。逆転されても試合に出ていないメンバーが盛り上げてくれたので、その分も頑張ろうと思いました。(主将として)チームを引っ張っていきたいという気持ちがあります。(明日へ向けて)優勝しか見えていません。先輩方のリーグ戦での借りを返したいです」

8回から出場し、上原をリードした高橋隼之介捕手(法2=日本文理)
「みんな練習通りプレーできて、いい雰囲気でやれたと思います。(上原について)真っすぐとスライダーの二つだけで組み立てられるほど調子が良かったです。上原がいいリズムをつくったので、打線もうまくつながったと思います。(明日に向けて)とにかく勝ちにこだわっていきます」

新人戦で監督を務めた東儀正太選手兼学生コーチ
「上原が良く投げてくれました。逆転できる自信はありました。収穫は投手が粘れたこと、相手のミスに付け込めて点が取れたことです。課題はミスが多いことです。(明日へ向けて)昨春も優勝したので、今春も連覇したいです。そしてリーグ戦での悔しさを晴らしたいです」

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決勝 対法大戦 
6月8日 12時半試合開始予定(一塁側)

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