大逆転勝利!激戦を制し法大に先勝/東京六大学春季リーグ戦

2012.05.20
大逆転勝利!激戦を制し法大に先勝/東京六大学春季リーグ戦
 勝利への執念が形として現れた。1度は逆転を許したものの、そこからの集中力に本物の強さを見せた。最終回には岡田昌祥(法4=常葉学園菊川)の一振りで再び逆転。「ベンチからも声が出ていて、みんなが打たせてくれたヒット」(岡田昌)と全員野球を体現させ、法大に先勝を果たした。

逆転の適時打を放った岡田昌(左)
逆転の適時打を放った岡田昌(左)

 手に汗握る熱戦だった。初回、無死満塁から斎藤俊(文4=静岡)が初球を引っ張り、2点適時打で先制する。しかし、その後は2回、3回と走者を返し切れず、流れは法大へと傾く。6回には先発赤尾裕希(文2=錦城)が4番の茨田(法大)につかまり2点本塁打を許し逆転。7回にも連打を浴び点差が3点となってしまう。
  
 それでも、明大の選手たちは誰一人として諦めてはいなかった。8回、先頭の3番小町知秀(営4=明大中野八王子)の絶妙なセーフティーバントで出塁すると、6番船木翼(農3=広陵)の適時打で1点差まで詰め寄る。2点を追う9回は、無死一、二塁から1番長谷部光主将(農4=広陵)がきれいに中前へ運ぶと、続いて岡田昌がセンターオーバーの大飛球を飛ばし三塁打。2人を返し逆転に成功する。
 
 気持ちで負けなかった。9回裏は背番号1を背負う中村健太(政経4=新潟明訓)がマウンドに上がる。四球と安打、そして暴投が重なり1点を失い、2死二、三塁と一打サヨナラのピンチを迎えてしまう。しかし、勝ちたいという気持ちは明大の方が強かった。最後の打者は空振り三振に切ってとり、何とか初戦をものにした。

最後の打者を三振で抑えた中村
最後の打者を三振で抑えた中村

 
 このカードを2タテすることで2位以上が確実となる明大。その意味でも第2戦は絶対に落とすことは許されない。チーム状況は今が最高潮。昨シーズン果たすことのできなかった全日本選手権出場へ。今シーズン積み上げてきたチームの全てを結集させ、必ず道を切り開く。

先発として試合をつくった赤尾
先発として試合をつくった赤尾

☆試合後のコメント☆
逆転のきっかけとなる適時打を放った長谷部光主将
「全員の気持ちが法政よりも強かったことが結果が出た試合だった。特にスタメンに出ていない4年生が気持ちで引っ張ってくれた。(今日は1番でしたが)キャプテンなのでムードメーカーとしてバッターを盛り上げるつもりで1番になった。(今の良い雰囲気になったきっかけは)前までは3回戦までで勝てればよいという考えがみんなにあった。最近は一回一回が勝負だと思うようになっているのが好調のきっかけとなっている」

9回表に逆転の三塁打を放った岡田昌
「無死二、三塁でまた後ろに小町と斎藤がいたので、自分がアウトになってもいいという気持ちで思い切りいけた。ベンチからも声が出ていて、みんなが打たせてくれたヒット。流れも本当にいい。やはり後がなかったので、もう勝つしかないという状況でみんな思い切ってやった結果。とにかく勝たないと始まらない。優勝の可能性はないわけではないので信じてやるだけ。自分が打てなくても、チームが勝つためにやっていきたい」

初回に先制適時打を放った斎藤
「今日は全員で勝ったの一言。9回の逆転は気持ち良かった。法大とは相性がいいので、負けていても何かあるのではと思っていた。(9回裏のピンチの場面では)ひやひやして生きた心地がしなかった。(先制打を放ったが)調子はいまいち良くない。明日得点圏で打って4番の仕事をしたい」

負傷しながらもマスクを被った伊藤晋太郎(営3=千葉経大付)
「(リードについて)法政は初球から打ってくる打者が多いので初球の入りには細心の注意を払った。赤尾は直球が良かったので真っすぐ中心で投球を組み立てた。中盤からは相手に合わせられるようになってしまった。最後の中村の時には、後ろにやれない場面ではあったが、変化球を主体にした。(足がとても痛そうですが)肉離れを起こしているけど、1年からスタメンで出ているので、ケガを理由に試合に出ないということはないようにしたい」

抑えとしてサヨナラのピンチを防いだ中村
「今日勝ったことは完全に技術などではなく、勝ちたいという気持ち。それが完全に明大の方が大きかった。勝ちたいという気持ちが強いと感じたので、どんなピンチでも怖くなかった。(サヨナラのピンチもあったが)自分ももちろん負けていないし、明大全体としても法大よりも全然強いから、負けるわけがないと思えた。どんなピンチでも1人ではない。一人一人がそういう気持ちだった。また切り替えて、明日勝たないと今日の意味が無くなってしまう。(第2戦は)今日より楽に勝ちたい」

4失点も先発として試合をつくった赤尾
「今日は調子悪く腕が振れていなかった。晋太郎さん(伊藤)にも悪いなりに抑えていこうと言われていたので、もっと要所で抑えられれば良かった。悪い時にも悪いなりに抑えられるようにしてきたい。1年生の時や2年生が始まってからも全然投げさせてもらえなかったので本当に投げられることに感謝している。また周りも支えてくれるので、感謝しながら投げている。(1年生の時と比べ)安定感が出てきたし、コントロールもついてきたと思うのでその精度を上げたい。(チームは)今が最高の状態。このままの勢いで明日も勝って全日に行きたい」