雨で暗転…9回に4点差追い付かれ引き分けに終わる/東京六大学春季リーグ戦

2012.05.07
 9回にまさかの展開が待っていた。明大は2回に2死満塁から川嶋克弥外野手(商4=日南学園)の走者一掃の適時三塁打と、上本崇司内野手(商4=広陵)の右前打で4点を先制。先発の関谷亮太投手(政経3=日大三)は、6回を無失点に抑える好投を披露した。4-0とリードし9回に突入したが、雨で試合が中断。これで流れが変わった。9回裏に3番手・今岡一平投手(文2=横浜隼人)が3失点を喫するなど4点差を追い付かれ、引き分けに持ち込まれた。これで1勝1分けとなった。

 目前にあった勝利は、手中からすり抜けた。9回途中から大雨が降り出し、試合は一時中断。この雨で試合の流れは一変した。7回からマウンドを受け、2イニングを1安打に抑えてきた岡大海投手(政経3=倉敷商)だったが、9回、先頭打者に四球を与えてしまう。ここで明大は3番手・今岡にスイッチ。漂い始めた悪い流れを食い止めたかったが、2連続四死球を与えてしまい無死満塁のピンチを広げてしまう。この場面で、伊藤諒(法大)の打球は左中間を抜け走者一掃の適時二塁打となり1点差詰め寄られる。さらに犠打で1死三塁とされ、5番手・月田雄介投手(商2=熊本工)が上戸(法大)に投じた一球はバットをへし折るも、前進守備の内野を越えてショートの後方に落ちて同点とされた。しかし月田は後続を連続三振で抑え、逆転は許さなかった。

 先発の関谷は2回に4点の援護を受けると、走者を許しながらも要所を締めた。3回の2死一、三塁のピンチでは、ここまでリーグ戦通算88安打を放っている好打者の4番多木をテンポ良く2球で追い込むと、最後は137kmの高めのストレートで空振り三振を奪い、窮地を切り抜けた。「調子は悪くも良くもない中で試合をつくれた」。6回を無失点に抑えたが報われなかった。

 打線は序盤で先制点を奪い、試合を有利に展開した。2回、二つの四死球と安打で2死満塁とすると迎えるは好調の川嶋克。カウント3-2からの甘く入った球を思い切り引っ張る。打球は右中間を抜け、走者一掃の適時三塁打となった。続く上本も右前へ適時打を放ち、ここまで2勝を挙げている石田から4点をもぎ取った。しかし、この回以降は「相手の気持ちに押されてしまった」(田中勇次主将・法4=鳴門工)と、好機にあと一本が出なかった。

 土壇場で4点差を追い付かれ、引き分けに終わったものの「まだ負けたわけではない」(川嶋克)。2試合連続で2桁安打を記録しており打線も復調の兆しを見せている。先発を任される山﨑福也(日大三=政経2)、関谷の2人も試合をつくれている。「明日は気持ちで勝ちにいく」(田中勇)。まだ、1勝1分けと追い込まれたわけではない。気持ちを切り替え、明日こそ勝ちにいく。

[高村洋輔]

☆山崎 打率4位&防御率2位☆
 投打の二刀流に挑戦している山崎が、先発で9回途中まで投げた法大1回戦に続き、法大2回戦も6番一塁でスタメン出場。4打数2安打の活躍で打率はリーグ4位の4割1分2厘まで上昇した。本職の投手でもこれまで2勝を挙げ、防御率はリーグ2位の0.42。まさに投打の中心としてチームをけん引している。

打順 守備 名 前
◆明大打撃成績◆
(左) 川嶋克(日南学園) .435 三振 右三 右安 遊ゴ 左安
走左 中原(横浜)   
(遊) 上本(広陵) .200 右飛 右安 二飛 右安 投ギ
(左) 小室(昌平) .381 中安 左安 左飛 二ゴ
走中 田中勇(鳴門工) 四球
(中)右 中嶋(桐蔭学園) .105 遊ゴ 三振 遊ゴ 三振 三振
(三) 石川(北大津) .286 死球 右飛 中飛 二飛
(一) 山崎(日大三) .412 左安 遊ゴ 左飛 左安
走一 竹内(日大三) .417   
(捕) 石畑(広陵) .118 一ギ 左飛 三振 投ギ
(投) 関谷(日大三) .143 三振 二ゴ 四球
岡大(倉敷商) .000 中飛
今岡(横浜隼人)   
大久保(花咲徳栄)   
月田(熊本工)   
(二) 福田(広陵) .316 四球 左安 一ゴ 三振
     33 10 .290                           

名 前 球数
◆明大投手成績◆
関谷(日大三) 100 1.04
岡大(倉敷商) 2 0/3 21 3.00
今岡(横浜隼人) 0 0/3 12 13.50
大久保(花咲徳栄) 0 1/3 0.00
月田(熊本工) 0 2/3 11 0.00
◆ベンチ入りメンバー◆
18 大久保(文4=花咲徳栄) 32 坂本(文1=履正社) 10 田中勇(法4=鳴門工)
11 岡大(政経3=倉敷商) 竹内(商4=日大三) 小室(政経4=昌平)
19 関谷(政経3=日大三) 福田(商2=広陵) 小川(商4=横浜)
山崎(政経2=日大三) 14 大塚健(商1=花咲徳栄) 20 川嶋克(商4=日南学園)
23 今岡(文2=横浜隼人) 石川(政経4=北大津) 中嶋(法3=桐蔭学園)
31 月田(商2=熊本工) 15 糸原(営2=開星) 27 中原(文3=横浜)
石畑(商3=広陵) 上本(商4=広陵) 38 高山(文1=日大三)
22 柴田(法3=中京大中京) 16 池田秀(農4=長野日大)
12 高橋隼(法2=日本文理) 37 水井(法2=佼成学園)
試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第4週  5/6現在
早大 ○○ ○○ 4 4 0 0 2 1.000
法大 △○○ ●△ ○○ 7 4 1 2 2 .800
慶大 △●● ○○ ○○ 7 4 2 1 2 .667
明大 ○△ ●● ○○ 6 3 2 1 1 .600
立大 ●● ●● 4 0 4 0 0 .000
東大 ●● ●● ●● 6 0 6 0 0 .000

◆選手コメント◆
2死満塁の好機で3点適時三塁打を放った川嶋克
「あと1点が取れなかったです。(3点適時三塁打について)勝利につながる一打だったので良かったです。負けてはいないので明日は頑張ります」

6回無失点の好投で法大打線を抑えた関谷
「野手の人が守ってくれたので助かりました。調子は良くもなく悪くもない中で試合をつくれました。(同点になった瞬間は)自分の勝ちとかよりも、チームが勝てず悔しかったです。(今後は)負けられない戦いが続くので、また頑張ります」

1打点を挙げた上本
「(2回の2死三塁の場面で走者を)返してやろうという気持ちでいました。打てて良かったです。(打撃について調子は)まだまだです。(守備に関しては)全然問題なくやれています。(9回同点にされた場面について)しょうがないですね」

守備から出場した田中勇
「序盤からいい試合ができました。9回だけ悪い流れになってしまいました。(投手陣については)本当に最後だけですね。フォアボールからの失点で、ヒットを打たれているわけじゃないので。みんな調子はいいと思います。試合前の練習やアップをしっかり行っていたので、上手くスタートダッシュできたと思います。(2回以降無得点について)チャンスでもう1本欲しかったです。向こうもやりたくないという気持ちが強かったと思います。明日は気持ちで勝ちにいきます。負けたわけじゃないです。明治はまだ1敗できるけど、法政は負けられないはず。今日と同じく頑張ります」

9回1死三塁から登板し、同点にされたものの逆転は許さなかった月田
「悔しかったです。打たれたのは真っすぐです。スライダーを投げておけば良かったと思いました。でも同点で収める投球ができたのは良かったです。明日につながればいいです」

5人の投手をリードした石畑
「今日は負けたわけではないので、気持ち切り替えてこれから明日に備えます。(今岡は)本来の球が来てなかったと思います。関谷はランナー出しながらもしっかり抑えましたし、月田も苦しい中でよく抑えたと思います。明日は絶対勝ちます」

☆応援へ行こう☆
対法大戦 
5月7日 13時試合開始予定(一塁側)

☆神宮球場アクセス☆
・東京メトロ銀座線 外苑前駅より徒歩3分
・都営大江戸線 国立競技場駅より徒歩7分
・JR総武線 信濃町駅より徒歩7分 千駄ヶ谷駅より徒歩10分