
雨で暗転…9回に4点差追い付かれ引き分けに終わる/東京六大学春季リーグ戦

目前にあった勝利は、手中からすり抜けた。9回途中から大雨が降り出し、試合は一時中断。この雨で試合の流れは一変した。7回からマウンドを受け、2イニングを1安打に抑えてきた岡大海投手(政経3=倉敷商)だったが、9回、先頭打者に四球を与えてしまう。ここで明大は3番手・今岡にスイッチ。漂い始めた悪い流れを食い止めたかったが、2連続四死球を与えてしまい無死満塁のピンチを広げてしまう。この場面で、伊藤諒(法大)の打球は左中間を抜け走者一掃の適時二塁打となり1点差詰め寄られる。さらに犠打で1死三塁とされ、5番手・月田雄介投手(商2=熊本工)が上戸(法大)に投じた一球はバットをへし折るも、前進守備の内野を越えてショートの後方に落ちて同点とされた。しかし月田は後続を連続三振で抑え、逆転は許さなかった。
先発の関谷は2回に4点の援護を受けると、走者を許しながらも要所を締めた。3回の2死一、三塁のピンチでは、ここまでリーグ戦通算88安打を放っている好打者の4番多木をテンポ良く2球で追い込むと、最後は137kmの高めのストレートで空振り三振を奪い、窮地を切り抜けた。「調子は悪くも良くもない中で試合をつくれた」。6回を無失点に抑えたが報われなかった。
打線は序盤で先制点を奪い、試合を有利に展開した。2回、二つの四死球と安打で2死満塁とすると迎えるは好調の川嶋克。カウント3-2からの甘く入った球を思い切り引っ張る。打球は右中間を抜け、走者一掃の適時三塁打となった。続く上本も右前へ適時打を放ち、ここまで2勝を挙げている石田から4点をもぎ取った。しかし、この回以降は「相手の気持ちに押されてしまった」(田中勇次主将・法4=鳴門工)と、好機にあと一本が出なかった。
土壇場で4点差を追い付かれ、引き分けに終わったものの「まだ負けたわけではない」(川嶋克)。2試合連続で2桁安打を記録しており打線も復調の兆しを見せている。先発を任される山﨑福也(日大三=政経2)、関谷の2人も試合をつくれている。「明日は気持ちで勝ちにいく」(田中勇)。まだ、1勝1分けと追い込まれたわけではない。気持ちを切り替え、明日こそ勝ちにいく。
☆山崎 打率4位&防御率2位☆
投打の二刀流に挑戦している山崎が、先発で9回途中まで投げた法大1回戦に続き、法大2回戦も6番一塁でスタメン出場。4打数2安打の活躍で打率はリーグ4位の4割1分2厘まで上昇した。本職の投手でもこれまで2勝を挙げ、防御率はリーグ2位の0.42。まさに投打の中心としてチームをけん引している。
打順 | 守備 | 名 前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (左) | 川嶋克(日南学園) | 5 | 3 | 3 | .435 | 三振 | 右三 | 右安 | 遊ゴ | 左安 | ||||
走左 | 中原(横浜) | 0 | 0 | 0 | ― | ||||||||||
2 | (遊) | 上本(広陵) | 4 | 2 | 1 | .200 | 右飛 | 右安 | 二飛 | 右安 | 投ギ | ||||
3 | (左) | 小室(昌平) | 4 | 2 | 0 | .381 | 中安 | 左安 | 左飛 | 二ゴ | |||||
走中 | 田中勇(鳴門工) | 0 | 0 | 0 | ― | 四球 | |||||||||
4 | (中)右 | 中嶋(桐蔭学園) | 5 | 0 | 0 | .105 | 遊ゴ | 三振 | 遊ゴ | 三振 | 三振 | ||||
5 | (三) | 石川(北大津) | 3 | 0 | 0 | .286 | 死球 | 右飛 | 中飛 | 二飛 | |||||
6 | (一) | 山崎(日大三) | 4 | 2 | 0 | .412 | 左安 | 遊ゴ | 左飛 | 左安 | |||||
走一 | 竹内(日大三) | 0 | 0 | 0 | .417 | ||||||||||
7 | (捕) | 石畑(広陵) | 2 | 0 | 0 | .118 | 一ギ | 左飛 | 三振 | 投ギ | |||||
8 | (投) | 関谷(日大三) | 2 | 0 | 0 | .143 | 三振 | 二ゴ | 四球 | ||||||
投 | 岡大(倉敷商) | 1 | 0 | 0 | .000 | 中飛 | |||||||||
投 | 今岡(横浜隼人) | 0 | 0 | 0 | ― | ||||||||||
投 | 大久保(花咲徳栄) | 0 | 0 | 0 | ― | ||||||||||
投 | 月田(熊本工) | 0 | 0 | 0 | ― | ||||||||||
9 | (二) | 福田(広陵) | 3 | 1 | 0 | .316 | 四球 | 左安 | 一ゴ | 三振 | |||||
計 | 33 | 10 | 4 | .290 | |||||||||||
名 前 | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 球数 | 安 | 振 | 球 | 責 | 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
関谷(日大三) | 3 | 1 | 1 | 6 | 100 | 4 | 3 | 2 | 0 | 1.04 |
岡大(倉敷商) | 5 | 0 | 0 | 2 0/3 | 21 | 1 | 0 | 1 | 1 | 3.00 |
今岡(横浜隼人) | 3 | 0 | 1 | 0 0/3 | 12 | 1 | 0 | 2 | 3 | 13.50 |
大久保(花咲徳栄) | 1 | 0 | 0 | 0 1/3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 |
月田(熊本工) | 2 | 0 | 0 | 0 2/3 | 11 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0.00 |
18 | 大久保(文4=花咲徳栄) | 32 | 坂本(文1=履正社) | 10 | 田中勇(法4=鳴門工) |
---|---|---|---|---|---|
11 | 岡大(政経3=倉敷商) | 3 | 竹内(商4=日大三) | 7 | 小室(政経4=昌平) |
19 | 関谷(政経3=日大三) | 4 | 福田(商2=広陵) | 8 | 小川(商4=横浜) |
1 | 山崎(政経2=日大三) | 14 | 大塚健(商1=花咲徳栄) | 20 | 川嶋克(商4=日南学園) |
23 | 今岡(文2=横浜隼人) | 5 | 石川(政経4=北大津) | 9 | 中嶋(法3=桐蔭学園) |
31 | 月田(商2=熊本工) | 15 | 糸原(営2=開星) | 27 | 中原(文3=横浜) |
2 | 石畑(商3=広陵) | 6 | 上本(商4=広陵) | 38 | 高山(文1=日大三) |
22 | 柴田(法3=中京大中京) | 16 | 池田秀(農4=長野日大) | ||
12 | 高橋隼(法2=日本文理) | 37 | 水井(法2=佼成学園) |
早 | 法 | 慶 | 明 | 立 | 東 | 試合 | 勝利 | 敗戦 | 引分 | 勝ち点 | 勝率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
早大 | — | ○○ | ○○ | 4 | 4 | 0 | 0 | 2 | 1.000 | |||
法大 | — | △○○ | ●△ | ○○ | 7 | 4 | 1 | 2 | 2 | .800 | ||
慶大 | △●● | — | ○○ | ○○ | 7 | 4 | 2 | 1 | 2 | .667 | ||
明大 | ○△ | ●● | — | ○○ | 6 | 3 | 2 | 1 | 1 | .600 | ||
立大 | ●● | ●● | — | 4 | 0 | 4 | 0 | 0 | .000 | |||
東大 | ●● | ●● | ●● | — | 6 | 0 | 6 | 0 | 0 | .000 |
◆選手コメント◆
2死満塁の好機で3点適時三塁打を放った川嶋克
「あと1点が取れなかったです。(3点適時三塁打について)勝利につながる一打だったので良かったです。負けてはいないので明日は頑張ります」
6回無失点の好投で法大打線を抑えた関谷
「野手の人が守ってくれたので助かりました。調子は良くもなく悪くもない中で試合をつくれました。(同点になった瞬間は)自分の勝ちとかよりも、チームが勝てず悔しかったです。(今後は)負けられない戦いが続くので、また頑張ります」
1打点を挙げた上本
「(2回の2死三塁の場面で走者を)返してやろうという気持ちでいました。打てて良かったです。(打撃について調子は)まだまだです。(守備に関しては)全然問題なくやれています。(9回同点にされた場面について)しょうがないですね」
守備から出場した田中勇
「序盤からいい試合ができました。9回だけ悪い流れになってしまいました。(投手陣については)本当に最後だけですね。フォアボールからの失点で、ヒットを打たれているわけじゃないので。みんな調子はいいと思います。試合前の練習やアップをしっかり行っていたので、上手くスタートダッシュできたと思います。(2回以降無得点について)チャンスでもう1本欲しかったです。向こうもやりたくないという気持ちが強かったと思います。明日は気持ちで勝ちにいきます。負けたわけじゃないです。明治はまだ1敗できるけど、法政は負けられないはず。今日と同じく頑張ります」
9回1死三塁から登板し、同点にされたものの逆転は許さなかった月田
「悔しかったです。打たれたのは真っすぐです。スライダーを投げておけば良かったと思いました。でも同点で収める投球ができたのは良かったです。明日につながればいいです」
5人の投手をリードした石畑
「今日は負けたわけではないので、気持ち切り替えてこれから明日に備えます。(今岡は)本来の球が来てなかったと思います。関谷はランナー出しながらもしっかり抑えましたし、月田も苦しい中でよく抑えたと思います。明日は絶対勝ちます」
☆応援へ行こう☆
対法大戦
5月7日 13時試合開始予定(一塁側)
☆神宮球場アクセス☆
・東京メトロ銀座線 外苑前駅より徒歩3分
・都営大江戸線 国立競技場駅より徒歩7分
・JR総武線 信濃町駅より徒歩7分 千駄ヶ谷駅より徒歩10分
関連記事
RELATED ENTRIES