(21)フォアザチームの4番・中嶋啓喜

2012.04.26
(21)フォアザチームの4番・中嶋啓喜
 勝負強いバッティングで打線の中核を担う。中嶋啓喜外野手(法3=桐蔭学園)は4番で東大戦に出場。1回戦の9回には適時打を放ち、開幕戦の勝利に貢献した。昨季、本塁打王と打点王の2冠に輝いたスラッガーは、今季もチャンスでの一打を決めてくれそうだ。

 昨年は2年生ながら大車輪の活躍を見せた。それだけに他大により警戒されるだろう。しかし中嶋は高い対応力を備えている。以前は変化球を苦手としていた。実際に昨年の春季リーグ戦ではレギュラーに定着するも、後半戦になると変化球攻めに合い失速。しかし夏に逆方向へのバッティングを意識することで克服。秋はシーズンを通して失速せず、チームを優勝に導いた。

 今季、より厳しくなるマークへの対策も十分だ。冬には打撃フォームを改良。重心を低くし、右足に体重を乗せ、バットのグリップを下げた。その結果、速球と変化球への対応力が向上し、飛距離も伸びたという。「配球は変わるだろうけど、不安はない」と変わらぬ打棒を発揮する。

 昨季は打撃の活躍が多く見られたが走守も一級品。50m5秒9の俊足、遠投118mの強肩を生かした守備力で投手を助ける。また打順の関係で昨季の盗塁は1個にとどまったが「(今年は)盗塁もしたい」と足で相手をかき乱すつもりだ。果敢に次塁を狙う4番は相手にとって脅威となる。

 今季は「チームがつなげたものを返したい」と打点にこだわる。しかしそれは目標である優勝のため。「優勝に貢献できれば個人成績は関係ない」と語気を強めた。フォアザチームの精神で、勝利への一打を放つ。

◆中嶋啓喜 なかしまひろき 法3 桐蔭学園高出 180cm・80kg 外野手 右/右
参考にしている選手は内川聖一選手(福岡ソフトバンクホークス)。練習メニューもまねた結果、バットが最短距離で出るようになったという。