
(13)投手陣支える最上級生・大久保匠

140km前後のストレートに加え、カーブ・スライダー・カットボール・ツーシームが持ち球の大久保。多彩な変化球で丁寧に投げ分ける投球は、高校時代から変わらず健在。注目すべきは精神面の変化だ。今年で最上級生となった大久保は、責任を感じるようになり練習への取り組み方にも変化があったという。これまではコーチなどにも「欲がない」と言われてきた大久保だが「先発の座は勝ち取らないといけない」と、貪欲に上を目指すようになった。「自信がある」という制球力と最上級生としての意地を持ってリーグ戦に挑む。
エースを失ったが「昨年は野村さんというすごい投手がいたので、諦めていた部分が少なからずあったけど、今年は違う」と前向きだ。これまではほとんどの試合を野村が先発、完投で他の投手陣の出番が少なかった。しかし今季は第1カードを終え山﨑福也投手(政経2=日大三)、関谷亮太投手(政経3=日大三)ら5人の投手が既に神宮のマウンドに上がっている。月田雄介投手(熊本工=商2)など初出場の選手の登板も見られた。大黒柱は不在だが、全員でつないで失点を防ぐのが今年の明大の特徴。この若い投手陣を率いるには「大久保さんが中心」と後輩からの信頼も厚い大久保の存在は必要不可欠となっている。
オープン戦では抜群の制球力を披露している。「絶好調」というカットボールを巧みに練り混ぜ、敵打線を封じている。後輩に負けていられない。最上級生としての意地とプライドで、相手打線を封じに挑む。
◆大久保匠 おおくぼたくみ 文4 花咲徳栄高出 177㎝・75㎏ 投手 右/右
ポーカーフェースとよく言われるというが「新人戦で打たれたから、地引雄貴選手(早大)は抑えたいです」と取材中悔しさをにじませた大久保。試合では普段クールな大久保の、内に秘めた闘争心を見られるかもしれない。
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