(12)ひときわ光る安定感・今岡一平

2012.04.19
(12)ひときわ光る安定感・今岡一平
 安定した投球を武器にする。今岡一平投手(文2=横浜隼人)は昨秋、神宮大会1回戦の福山大戦で1年生ながら先発として登板。5回まで1人の走者も出さない完璧な投球で、15年ぶりの日本一に貢献した。今季の東大1回戦では8回からリリーフで登板。3者連続三振を奪い、幸先の良いスタートを切った。「周囲の期待に応えられる投手になりたい」。柱不在の投手陣の中、秋春連覇へ向けフル回転で投手陣を支えていく。

 自分のスタイルを貫く。冬のキャンプで多い時に1日250球の投げ込みを行い、球速がアップ。「ファウルが増え、簡単に前に飛ばされなくなった」と速球に手応えを感じていた。しかし先発した国士大とのオープン戦では、速球を狙われ初回に4失点。「真っすぐでいきたい気持ちが強過ぎた」と本来の投球ができなかった。リーグ戦では「低めに集めて球のキレ、コントロールで勝負したい」と持ち味のコーナーを突く丁寧な投球を心掛けている。

 今年は一皮むけた「大人の投球」を見せる。昨年は野村という大黒柱に頼っていた部分が大きかった。「昨年と同じでは駄目」と自らの成長を促すために意識の面から変えていった。「一球一球考えて、一人一人の打者に意味のある球を投げたい。結果はあとから付いてきてくれればいいです」。がむしゃらに投げるだけでなく、内容にもこだわりを持ちエースの座を狙う。

 どんな場面でも投げられる対応力も光る。昨秋のリーグ戦では、登板した3試合全てでリリーフ登板。「いつ出番が来るか分からない大変さはあった」と高校時代とは違った起用に不慣れな部分もあった。それでもブルペンでの球数を調節するなど、工夫した調整で安定した投球を見せ続けた。「前でも後ろでも変わらずに良い投球をしたい」と継投がポイントとなる今年の投手陣の中で、欠かせない存在となる。

◆今岡一平 いまおかいっぺい 文2 横浜隼人高出 173cm・76kg 投手 右/右
自信のある球は、決め球であるシンカー。「中学2年の時に何となく練習していたら投げられるようになりました」と偶然の産物が現在の今岡を支えている。