(14)巧みなリードで投手を支える扇の要・石畑桂佑

2012.04.22
(14)巧みなリードで投手を支える扇の要・石畑桂佑
 新たな司令塔がチームを引っ張る。石畑桂佑捕手(商3=広陵)は東大との開幕カードで2戦ともにスタメンマスク。投手陣を巧みにリードし、2試合連続完封勝利に貢献した。昨年、不動のレギュラーとしてチームを支えた川辺健司選手(平24商卒・現ヤマハ)が抜けた今年。横一線のレギュラー争いの中、正捕手定着へ、一戦一戦アピールを続けていく。

 高校時代から評価の高い強肩が売りだ。「肩には自信があります」と本人も肩には絶対の自信を持っている。遠投は100mを超え、二塁への送球時間は2秒を切るほど。投手に安心感を与え、投球へ集中できる状況をつくり出している。

 リードの研究には余念がない。時間があるときにはリーグ戦のDVDを見てリード研究。「川辺さんがこの投手対打者のときはどんなリードをするのか、またそのときの状況によってどうリードを変えていくのかなどを意識して見ています」と客観的に相手を分析する洞察力を養っている。また川辺とは同部屋ということもあり、リードについてよくアドバイスをもらっていた。これまでのアドバイスで最も印象的だった言葉は「配球に正解はない。投手を生かすも殺すも自分次第」。捕手一筋16年を誇る先輩の言葉は石畑の胸に強く響いた。

 勝負強い打撃にも注目だ。対東大2回戦では6回に左前2点適時打を放ち、投手をバットでも援護。コンパクトなスイングで鋭い打球を打ち返した。「一冬越えてスイングスピードが速くなりました」と守備面だけでなく攻撃面でも成長を遂げ、打線につながりを生み出した。

 責任感は人一倍だ。昨年、新人戦では主将を務め、先頭に立ってチームを引っ張った。4年生の捕手がいない中「3年生になり、自分のことだけを考えているようじゃ駄目。周りに目を配ろうと意識しています」とチームの柱へ成長しなければという自覚が芽生えてきた。「負けたらキャッチャーの責任。責任感を持ってプレーしています」。結果を残し続けることで周囲の信頼を勝ち取り、正捕手の座をつかむ。

◆石畑桂佑 いしはたけいすけ 172cm・72kg 捕手 右/右
昨秋の新人戦で準優勝に終わった後「この悔しさはリーグ戦で晴らしたい」と語った石畑。正捕手の座をつかみ、自らのプレーでその悔しさを晴らす。