(9)ついにベールを脱ぐ!明大屈指の強打者・石川駿

2012.04.16
(9)ついにベールを脱ぐ!明大屈指の強打者・石川駿
 ケガに泣いてきた石川駿内野手(政経4=北大津)が、ついにチャンスをつかんだ。

 高校時代に通算49ホーマーを放った大型スラッガーだ。しかし明大に入学してからは、度重なるケガの影響によりリーグ戦への出場はゼロ。昨秋の日本一の瞬間もスタンドから見ていた。「(優勝して)うれしかったけど、貢献できなくて悔しかった」。打撃力を武器に六大の世界に飛び込んでから3年。憧れの場所でバットを振ることができず、悔しさをかみしめていた。

 しかしそんな石川に今年、ようやくチャンスが巡ってきた。「特にどこがってわけではないけれど、今も少しケガをしている」と決して万全の調子ではないが、オープン戦にはコンスタントに出場。「自信がある」と自慢の長打力で安打を量産した。中でも強烈なインパクトを残したのが阪神タイガースとの交流戦。3ランを含む2安打を放ち「石川に中軸を打ってもらいたい」(上本崇司内野手・商4=広陵)とチームメイトの信頼を裏切らない活躍をしてみせた。
 だが、それほどのバッティングセンスを備えてながら「たまたまだからもっと頑張らないと」とあくまで謙虚だ。今の実力におごることなく、鍛錬を怠らない。それも人望を集めている要因の一つだ。

 強いキャプテンシーも魅力の選手。高校時代は主将を務めており、2年秋の新人戦でもキャプテン。そしてこの春、副将に就任した。石川の周囲を取り込む力は大きい。内野ノック中は、三塁から低めの声がとにかくよく響いた。「(副将になって)しっかりやっていかなければという感じ。声を出して引っ張っていきたい」と、積極的にチームをまとめ上げていくつもりだ。

 最後に今季の目標をこう即答した。「ケガなくリーグ戦を戦い抜くこと」。ケガをするのは決まってこの時期だった。しかし今春は大きなケガもなく、自身初となるリーグ戦出場を果たした。これまでの悔しさを糧に、今季は神宮で思い切り暴れる。

◆石川駿 いしかわしゅん 政経4 北大津高出 178㎝・80㎏ 内野手 右/右
阪神戦ではトリプルプレーを演出した石川。バッティングだけでなく、守備にも注目だ。