(8)守備で連覇を手繰り寄せる!六大ナンバーワンショート・上本崇司

2012.04.13
(8)守備で連覇を手繰り寄せる!六大ナンバーワンショート・上本崇司
 今季も上本崇司内野手(商4=広陵)が内野の要として、守り勝つ野球を体現する。

 六大随一の名手だ。明大入学後からバッティングは振わず、3年間で打率は1割台と不本意な結果に終わっている。しかし抜群の守備力が首脳陣の目に留まり、グラウンドを離れたことはほとんどなかった。本人も「守備は誰にも負けたくない」と守りには絶対の自信を持っている。
 

守備には絶対の安定感を誇る上本
守備には絶対の安定感を誇る上本

 優れた守備センスで幾度となくバックを守り立ててきた。しかしあくまでも上本自身は「センスがいいわけじゃないよ」と話す。「人のまねをするのが得意だっただけ」。同じく野球人である父の見よう見まねで、幼いころからボールを追いかけるのが大好きだった。小学校に上がるころには既にグラブを握り、壁当てを始めていた。毎日ボールに触れているうちに培われた野球の勘が、今につながっているという。

 守備面に注目が集まりがちだが、彼が最も重きを置いているのがバッティング。しかし「野球はとにかく打撃」という言葉とは裏腹に、打率はなかなか上がらなかった。そんな上本に奮起を促したのが先頭打者であるという自覚。「今年は1番だから塁に出ないといけないし、打たなきゃ」と、強い決意を胸に刻み付けた。

 だが決して、力み過ぎないのがスマートなところだ。最上級生として当然、結果は今まで以上に求められる。加えてプロからの視線も熱くなれば、兄・上本博紀選手(阪神タイガース)と比べられることだって少なくない。それでも「気にしない。自分は自分」と言い切った。新チームの副将に決まった時も自分を貫いた。「責任感は芽生えた。意識も変わったかもしれないけど、やることはそんなに変えないよ」。どんな状況に置かれても自分のペースを崩さないことが、彼のプレーを支えているのかもしれない。
 
 上本が力強く誓ったのは「ノーエラーと3割超え」。冬は地獄のような内野ノックでさらに守備力を鍛え上げ、これまでで一番バッティング練習に取り組んだ。「打撃でも僕がしっかり引っ張って、守り勝っていきたい」。今季は守備でもバッティングでも魅せてくれるはずだ。リーグ戦秋春連覇は、上本に委ねられている。

◆上本崇司 うえもとたかし 商4 広陵高出 170㎝・70㎏ 内野手 右/右
オフの日は映画を見ることも。最近見た中で面白かったのは三谷幸喜氏監督作品の『ステキな金縛り』だそう。