野村、島内、柴田(章)、笑顔と涙のドラフト指名!/ドラフト会議

2011.10.31
野村、島内、柴田(章)、笑顔と涙のドラフト指名!/ドラフト会議
 それぞれの思いを胸に、さらなる高みへ――。今年は野村(商4)、島内(法4)、柴田(章・文4)の3選手がプロ志望届を提出し、運命のドラフト会議を迎えた。そして野村が広島東洋カープから1位指名、島内が東北楽天ゴールデンイーグルスから6位指名、柴田(章)が読売巨人軍から育成ドラフト3位指名を受けた。

 

チームメイトに胴上げされる野村
チームメイトに胴上げされる野村

自身の名前が呼ばれると野村は笑顔を浮かべた。ドラフト1位指名は一場靖弘選手(東京ヤクルトスワローズ)以来、実に7年ぶりとなる。相思相愛が実り野村も「早くから(指名を)表明して下さっていたので、運命を感じています」とにっこり。「息の長い選手になりたいです」と目標を語った。
 そして指名後約2時間後に広島東洋カープ監督・野村謙二郎氏が電撃訪問。入団会見さながらに野村は広島東洋カープの帽子をかぶり、野村謙二郎氏とがっちり握手を交わした。今月23日に史上7人目となる30勝300奪三振を記録した明治の不動のエースが今、プロの世界へと歩みだす。

指名され満面の笑みを浮かべた島内
指名され満面の笑みを浮かべた島内

 
 「青木(宣親)選手(東京ヤクルトスワローズ)のようになりたいです」(島内)。普段は寡黙な男がほおを緩め、力強くその理想像を掲げた。機動力野球を目指す東北楽天ゴールデンイーグルスから50m5秒8の俊足を買われ6位指名を受けた島内。その走力に加え、一番の魅力は何と言ってもバッティングである。昨季は.385、今季は全試合3番に座り.349と高打率を記録した。その「天才です。一つやるにしても自分らは10球打ってそれを得ますが、島内は一球打っただけでそれを得ることができます」(阿部寿・情コミ4)とチームメイトも称賛するその天性のバッティングセンスが東北を熱くするに違いない。

 

指名され涙を拭う柴田(章)
指名され涙を拭う柴田(章)

柴田(章)が指名されるとこの日一番の歓声が上がった。特定疾患に指定されているベーチェット病を患いながらも、柴田(章)は戦い続けついに念願のプロ入り。これまで支えてくれたチームメイトへの思いを「(病気だったが)普通の人のように生活できたのはみんなのおかげです。良い仲間に巡り会えました」と語った。感極まり、言葉に詰まる場面も。その瞳に浮かべていた涙が柴田(章)の気持ちを物語っていた。
 柴田(章)は夏季オープン戦の対読売巨人軍戦で登板した際、3回を完全に抑えた。1軍の試合を経験したこともある2軍の選手を手玉に取った逸材を、プロのスカウトは見逃さなかった。育成枠3位での指名だが読売巨人軍は松本哲也選手、山口鉄也選手など育成枠から這い上がった選手も多い。「育成の巨人」の異名で呼ばれるだけに柴田(章)のこれからの飛躍に期待が懸かる。

 指名された選手はこれからプロ野球の世界へと羽ばたく。弱肉強食の厳しい世界だ。苦楽を共にした仲間でも皆ライバルとなる。しかし「1年目から頑張ります」(野村)、「ベースを駆け巡ります」(島内)、「もっと上手くなって2人に追いつきたいです」(柴田章)と語気を強めた。4年間で得たものを胸に、選手たちはプロの世界に臨む。

☆ドラフト後のコメント☆

東北楽天ゴールデンイーグルスに6位指名された島内
「名前出ると思いませんでした。すごいうれしかったです。わくわくした部分もあって、プロになったんだなと思いました。プロ野球選手として恥じない行動をしていきたいです。自分の売りは足。ベースを駆け巡って良い走塁がしたいです。バッティング、守備、走塁なんでもできるような。青木(宣親)選手のような選手になりたいですね。今まで支えてくれた人に感謝の気持ちしかないです。(チームメイトに向けて)最後の神宮大会も頑張っていきましょう!」。

読売巨人軍に育成ドラフト3位に指名された柴田(章)
「自分は選ばれる可能性が低かったのでずっと緊張していましたがうれしかったです。
『名前呼ばれろ』ってずっと思っていました。2人と違って育成枠なので、満足しちゃいけないと思っています。練習してうまくなって2人に追い付けるように頑張ります。
プロ野球選手は見てる人に希望や勇気を与える存在。そんな選手になりたいです。高校のときは病気と戦っていたが、大学では野球と戦えました。辛い時も楽しい時も一緒になって過ごしてくれて大切な仲間に出会えて、本当に良かったです」。

善波監督
「島内は青木(宣親選手)のような選手になってほしいですね。4年になってからゲーム出るようになったので、今が伸び盛りです。もつと練習して、大きくプロの世界へ羽ばたいてほしいです。柴田(章)は病気を見せないほどの練習量で、今までうまくなってきました。これからも課題は多いですが、信念がとても強い子なので、壁は厚ければ厚いほど頑張れると思っています。野村は右肩上がりの大学生活でした。これから相手選手の力は上がります。さらに努力を重ねて、より良い選手になって欲しいです」。

井上部長
「3人それぞれの活躍の場が用意されました。両親、仲間の存在を忘れずに頑張って下さい」。

竹田主将
「うれしいです。自分の力を信じて頑張ってほしいです」。

難波
「2年後自分も、という思いが強くなりました。みんな指名されて嬉しいです」。

小林(要)
「うれしいですね。頑張ってほしいです」

野村のご両親
「実感が沸かないですが、小さい頃からの夢が叶って本当に良かったです」。

野村謙二郎氏と挨拶を交わした野村
野村謙二郎氏と挨拶を交わした野村

柴田(章)の指名を自分のことのように喜ぶ野村
柴田(章)の指名を自分のことのように喜ぶ野村

東北楽天ゴールデンイーグルスの帽子をかぶって笑顔の島内
笑顔でガッツポーズを見せた島内

読売巨人軍の帽子をかぶり笑顔の柴田(章)
読売巨人軍の帽子をかぶりガッツポーズの柴田(章)