
(12)10・24 対東大2回戦

(12)10・24 対東大2回戦
最後はやはりこの男が締めた。7-3と4点リードで迎えた最終回。野村が自身最後のリーグ戦のマウンドに立った。
「明治の代表として最後まで責任を持って投げようと思っていた」。その言葉通り、相手打者を三振と中飛であっという間に2死に追い込んだ。その次の打者にはヒットを打たれるも、最後はエースらしく渾身の力を込めたボールで見逃し三振。この瞬間、明治の7季ぶり完全優勝が決まった。
苦しいシーズンだった。不本意な結果に終わった春から「成長していかなければならない」と自らフォームや体の使い方を変更。しかし、リーグ戦開幕までに完成を間に合わせることはできなかった。対法政1回戦では自己ワースト7失点、対立教1回戦では12本もの安打を浴びた。そんな中でも黒星がついたのは対慶応1回戦のみ。今シーズン最多となる6勝を挙げ、チームを守り抜いた。2年次からずっとエースとしてマウンドに立ち続けてきた野村。有終の美を飾った大黒柱を、チームメイトは3度宙に舞わせた。
4年間でリーグ通算358個にも及ぶ三振を奪い、30勝を達成するなど野村の活躍はどこか斎藤佑樹選手(北海道日本ハムファイターズ)を彷彿とさせた。それでも野村が“何か持っている”ようになるのは「これから」。野球人生においていまだに「日本一になる」という最大の目標は達成されていない。それを最後に果たすべく11月下旬に行われる神宮大会で頂点に立つまで、野村の戦いは終わらない。
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