(33)破れ赤門!つかめ完全優勝!/東大戦展望

2011.10.19
(33)破れ赤門!つかめ完全優勝!/東大戦展望

 立教に連勝しついに7季ぶりの完全優勝目前の明治。その快挙に立ちはだかる最後の敵が東大だ。東大は今季、まだ勝ち星がなく28季連続の最下位が濃厚だ。しかし勝利こそしてないが、今季は新戦力も台頭し、近年でもっとも層が厚いといっても過言ではない戦力が整っている。勝ち点を上げるのは一筋縄ではいかないだろう。栄冠を手にする最後の戦いが火蓋を切る。

 今季の東大の最大の特徴と言えば投手陣である。春季好調だった香取(東大)こそ不調であるがその穴を埋めるように台頭したのがルーキー・初馬(東大)だ。開幕直前に「初馬君が(調子)良いですね」(御手洗監督)と首脳陣が寄せた期待に応えるような投球を見せている。対慶応2回戦でリーグ戦初登板を果たし6回1/3を無失点と好投した。その後も対早稲田2回戦の4失点を除けば調子を維持し現在の防御率は2.50。さらに先発・リリーフ問わず起用されているのでどこで登板し、打線を封じにかかるかが恐いところだ。そのため初馬のリズムに乗せられると苦しい展開になるだろう。
 またエース・鈴木の存在も忘れてはならない。開幕序盤こそ、不調だったがその後の試合は安定し試合をつくっている。昨季は「(先発だけではなく)リリーフもやりました。対早稲田戦では3試合全部を投げ体力がつきましたね」(鈴木)とチームの大黒柱としてより成長した姿を見せた。今季も対法政戦では2戦とも登板。16回、実に244球を投げ法政打線を相手に2失点で切り抜けるなどタフネスぶりを発揮した。
 どちらの投手も先発・リリーフどちらで起用してもフル回転で活躍する。何とか1勝しようと両投手が1、2戦とも登板する可能性も十二分にあるだろう。それだけに両投手とも厄介な相手になりそうだ。

 打撃陣の成長を支えているのがやはり昨年の冬から就任した谷沢打撃コーチだろう。就任当時は「グランドでのアップでアップシューズを履いていました。スパイクを履かないと下半身強化にならないのです」(谷沢打撃コーチ)と基礎的な練習から改善した。その後も「iPhoneで写真を撮ってフォームを見たりしましたね」(谷沢打撃コーチ)、「脇を開く癖を指摘され修正したら凡打が減りました」(内海)など技術面も指導した。さらに「メールで選手の疑問に答えたり、寮で共に風呂に入ったり、カラオケにも行きました。中に入っていくことで選手の考えが分かります」(谷沢打撃コーチ)と積極的に選手とも交流を図った。いつしか谷沢打撃コーチの存在は「谷沢さんのために打ちたい、という気持ちが生まれました」(内海)、「谷沢さんが来て頑張ろうとしました」(岩崎)と精神的支柱という存在に。春季リーグ戦で内海が打率.300を、舘が.289という好成績を残すなどこれまでにない飛躍を遂げた。今季は規定打席に到達した打者でもっとも率を残しているのが舘の.250と決して目立つ数字ではない。しかし規定打席にわずか1つ足りないものの打率.389と好成績を残し今乗りに乗っている田中(東大)がいる。さらに田中は対早稲田1回戦で本塁打を放つなど長打力も身につけた。ピンチの場面でこの両打者を迎えることは非常に危険である。打線の要である両打者が打つと打線に火が点くだけに何としてでも抑えたい相手だ。

シーズン スコア 成績
過去の東大戦成績
11年春 ○2-0 4位
○4-0
10年秋 ○7-2 4位
○5-2
10年春 ○7-0 3位
○14-0
09年秋 ○9-2 優勝
○13-1
09年春 ○2-1 3位
○4-2
08年秋 ○6-0 3位
○2-1
08年春 ○12-4 優勝
○15-0

 
 東大は勝ち星が無いとはいえ好選手はずらり。浮き足立ったプレーを見せれば苦戦は必至だろう。しかし「東大は競ったゲームを多くしているので、全力でぶつかっていきたいです」(中村将・法4)、「気を抜かず1日1日やれることをやって臨みたいです」(難波・情コミ4)と選手たちはあくまで冷静。これまで数々の激戦を乗り越えた明治ならばきっと乗り越えられる壁だ。最終戦に立ちはだかる赤門、それを破った時ついに明治は頂点の座に君臨する。

[小川貴良]

☆優勝の行方☆
 第7週で明治が東大から勝ち点を上げた場合、または立教が法政から勝ち点を上げた場合は明治が優勝となる。しかし法政が立教から2勝0敗で勝ち点を上げた場合、また東大が明治から勝ち点を上げた場合、法政が優勝となる。そして法政が立教から2勝1敗で勝ち点、また東大が明治から2勝0敗で勝ち点を上げた場合も法政が優勝となる。さらに法政が立教から2勝1敗で勝ち点をまた東大が明治から2勝1敗で勝ち点を上げた場合。明治と法政で優勝決定戦が行われる。

試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第6週  10/17現在
明大 ○●○ ○●○ ○○ ●○○ 11 8 3 0 4 .727
法大 ●○● ○●○ ●○○ ○○ 11 7 4 0 3 .636
早大 ●○● ●○● ○○ ◯◯ 10 6 4 0 2 .600
立大 ●● ●● ○●○ ○○ 9 4 5 0 2 .444
慶大 ○●● ○●● ●○● ○○ 11 5 6 0 1 .455
東大 ●● ●● ●● ●● 8 0 8 0 0 .000

☆応援へ行こう☆
東大戦 
10月22日 13時試合開始予定(三塁側)
10月23日 10時試合開始予定(一塁側)

☆神宮球場アクセス☆
・東京メトロ銀座線 外苑前駅より徒歩3分
・都営大江戸線 国立競技場駅より徒歩7分
・JR総武線 信濃町駅より徒歩7分 千駄ヶ谷駅より徒歩10分