中継ぎ陣の奮闘むなしく、あと1本が出ず/東京六大学秋季リーグ戦

2011.10.11
中継ぎ陣の奮闘むなしく、あと1本が出ず/東京六大学秋季リーグ戦
 「あと1本が出なかった」(小林・法4)。今季リーグ戦を通しての課題がこの試合でも顕著に表れた。意地のAクラス入りをかけ背水の陣に立たされた本学。3回以降は中継ぎ陣が無失点に抑える投手リレーを展開する。しかし、打線があと一歩のところで仕留められなかった。点差はわずかの1点。「全力で向かう姿勢が慶大に比べ足りなかった」(小林)。わずかな気持ちの違いがこの1点差に表れるかたちとなってしまった。

 2戦目の先発を任されたのは中村(政経3)。しかし、立ち上がりから制球が安定せず初回に犠飛で先制点を奪われる。2回にもパスボールなどを含めて2失点。「今日は何も言うことない」(中村)。先発としての責任を果たせずマウンドを去ってしまった。それでも後ろで控える投手陣が盤石であった。緊急で登板した菊池(農1)は、「丁寧に投げることができた」と走者を出しても落ち着いた投球を展開。4回には1死一、三塁のピンチを招くが後続を持ち前の緩急でねじ伏せる。3回を投げ無失点で後ろへ望みをつないだ。

 3点を先行され打線も黙ってはいられない。3回裏、2死から船木(農2)が相手の失策で二塁に進塁。そして続く岡田(淳)主将(営4)が適時打で1点を奪う。6回にも四球で出た岡田(淳)を二塁に置き、伊藤(営2)が中前へ弾き返す。ここにきて点差を1点まで縮める。

 菊池の後を託されたのは赤尾(文1)と小出(営2)。それぞれ2回ずつを投げ両者ともに無安打に抑え込んだ。慶大打線に攻撃のすきを与えず味方の反撃を待つ。中継ぎ陣の好投に何としてでも応えたい打撃陣。9回、逆転への望みをかけてこの試合最大のチャンスをつくる。代打の小林が無死から四球で出ると岡田(昌昴・農2)が意地の内野安打で走者をためる。続く齋藤(文3)が初球からきっちりバントを成功させ1死二、三塁に。しかし、ここで打席に入った船木は内角低めのボール球を振らされ三振に終わってしまう。次の岡田(淳)主将も鋭い当たりもむなしく中堅手のグラブに収まりゲームセット。最後の最後まであと1本に泣くかたちで幕を閉じた。

 今日の敗戦でAクラス入りへの望みも断たれてしまった本学。「みんながこの結果にあっさりしているのが悔しい」(岡田(淳)主将)とチームに対してげきを飛ばす主将の姿があった。次の立大戦は今季リーグの最終カード。4年生にとって最後の試合となる。失うものはもう何もない。ただ1つの勝利を考え最後の花道を飾る。

☆試合後のコメント☆
岡田(淳)主将
「毎回惜しいところまでいくけど、勝てなきゃ意味がない。悔しいというか、みんながこの結果にあっさりしているのが悔しい。(9回2死二、三塁で回ってきたが)絶対に打ちたかった。緊張も全然なくて打てる気がしていた。(次週は最終カードだが)立教に勝たないと引退するにできない。何としても勝たないと」

小林
「初回の失点が響いてしまった。3回からは守備も良くて、相手にプレッシャーを与えられていたのに。試合展開は良かったけど、あと1本が出なかった。(最終カードに向けて)振り返ってみれば、ふがいない4年生だったなと。最後はいいかたちで終われるように、あと1週間練習したい」

中村
「昨日慶大にはサヨナラ勝ちされたので、まずは絶対初回を抑えなければいけなかったがわかっていたのにできなかった。先発して2回で降板してしまったことも非常に悔しい。最初の入りで流れを向こうに渡してしまったのが敗因の大きな1つ。調子自体もいつもと違う感じがした。しかしそこで調整しながらやらなければいけないと感じた。Aクラス入りはなくなったが、最終戦は4年生が最後の試合なので下級生が恩返しするつもりでやっていきたい」

菊池
「いきなりで準備不足なところもあったが丁寧に投げることができて良かった。緊張することなく試合に臨めている。走者が出た時も落ち着いて投球できていた。4年生ももうすぐ引退で今まで迷惑ばかりかけていたので、少しでも自分が力になれるように頑張った。(次へ向けて)いつも通りの投球をするだけ。いつでも行けるように調整していきたい」