小さなミスが命取り。11カードぶりに初戦を落とす/東京六大学秋季リーグ戦

2011.10.02
小さなミスが命取り。11カードぶりに初戦を落とす/東京六大学秋季リーグ戦

 春の王者・慶応が4季ぶりの優勝を目指す紫魂軍団の前に立ちふさがった。今後の行方を左右する大一番。明治の先発マウンドには満を持してエース・野村(商4)が上がった。8回まで投げ切りエースの役割は果たしたがミスから失点。打線も慶応先発・竹内の前に8安打を放つも要所を抑えられゼロ行進。力投するエースに援護できず、昨秋早稲田戦以来11カードぶりに第1戦を落とした。

 王者はスキを見逃してくれなかった。「細かいところをしっかりしていかないと」(竹田主将・文4)。負けられない大事な一戦で小さなミスが試合に響いてしまった。3回に先頭・竹内(慶応)のライナー性の打球を、記録はヒットだったものの、二塁手・上本がはじいてしまい出塁。その後送りバントから山﨑(慶応)の先制適時二塁打へとつながってしまう。序盤の小さなミスが試合の展開を厳しいものにした。
 1点ビハインドの4回には阿加多(慶応)の左中間三塁打から打撃妨害、盗塁で1死二、三塁のピンチを招く。8番福富(慶応)の放った打球はセカンドへ。二塁手・上本(商3)は本塁へ送球し三塁走者を挟み込んだ。確実に走者をアウトにしピンチを切り抜けたいところ。だが川辺(商4)の投げたボールが三塁走者に当たってしまいボールは転々。その間に走者が生還してしまい、痛恨の追加点を許してしまった。

 安打数は慶応と同じ8。それに毎回走者を出し、多くのチャンスはつくった。しかし得点は0―2と得点力の差が出てしまった。ストライク先行をさせ、マイペースの投球を見せる竹内をとらえられず迎えた9回。1死から今日それぞれ2安打、3安打と奮起した阿部(寿・情コミ4)、川辺の連続安打で1死一、三塁と最大の好機をつくる。本塁打で一気に逆転という場面で代打に送られたのは、対法政1回戦で試合を決める適時二塁打を放った小川(商3)。紫紺で埋められたスタンドの声援も一段と大きくなり、逆転への期待も高まった。だが外角低めいっぱいに決まった速球に手が出ず3球三振。続いて代打に送られた柴田(悠・法2)も二ゴロに終わり、最後まで得点を奪うことはできなかった。
 打つべき人が打てなかったことも痛かった。ここまで好調の打線を引っ張ってきたクリーンナップが今日は無安打。「大振りになってしまいました」(竹田主将)とコンパクトなスイングができず、打線につながりをもたらすことができなかった。

 早稲田、法政を倒し開幕2カードを勝ち点2と、好調な滑り出しを見せた明治。慶応が既に勝ち点を落としている状況は有利なものだった。だが初戦を落とし逆に状況は厳しいものに。「(慶応とは)集中力の差が出ました」(阿部寿)と追い込まれた王者・慶応の意地に跳ね返されてしまった。第2戦の先発は難波(情コミ4)が濃厚。難波は今リーグ2試合に登板し、好投を見せたが打線の援護なく2敗を喫している。「明日は積極的にいくしかないです」(阿部寿)。投手陣が踏ん張っているだけに好調の打線が奮起したいところだ。戦力が拮抗(きっこう)しているリーグ戦4季ぶりの優勝へ――。もう負けは許されない。

☆野村が通算334奪三振で偉大なる先輩故・秋山登氏(昭31年卒)に並ぶ☆
 6回に宮本(慶応)からこの日5個目の三振を奪い、これでリーグ通算歴代7位の334奪三振。明大野球部OBである故・秋山登氏の記録に並んだ。野村は「偉大な先輩に近づけて光栄です」と大記録を誇った。

[桑原幹久]

打順 守備 名 前
◆明大打撃成績◆
(二) 上 本 .280 左飛 右飛    右安 三振
(中) 田中(勇)  .250 三振    中安    投併      
野 原  .000          三ゴ   
中村(将)  .211      
(左) 島 内  .409 一ゴ    右飛       中飛 三振
(一) 竹 田  .172 中飛 一ゴ    二飛 三振
(右) 中 嶋 .292 三振    遊ゴ    死球    遊ゴ
(遊) 阿部(寿) .333 四球    左安    遊ゴ 中安
(捕) 川 辺 .346    中安    中安    一飛 右安
(投) 野 村 .286    三振 遊ゴ 中安
小川(健) .333                         三振
(三) 小林(要) .158    二ゴ    二ゴ      
植 田 .500                   右飛      
川嶋(克)                           
柴田(悠) .000                         二ゴ
     34 .280                           

名 前 球数
◆明大投手成績◆
●野 村 124 2.77

試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第4週10/1現在 
明大 ○●○ ◯●◯ 7 4 3 0 2 .571
慶大 ○●● ○○ 6 4 2 0 1 .667
早大 ●○● ○○ 6 4 2 0 1 .667
立大 ●● ○○ 4 2 2 0 1 .500
法大 ●◯● ●○○ 6 3 3 0 0 .500
東大 ●● ●● 5 0 5 0 0 .000

◆選手コメント◆
竹田主将
「ミスが出て苦しい展開になってしまいました。(2点目を失った)4回もそうですし、3回の上本のはじいたのも(3回、先頭打者の頭上へのライナーを弾いて右前打。記録は安打)失点につながってしまいました。細かいところをしっかりしていかないと失点してしまいます。(竹内大投手に対しては)みんな大振りになってしまいました。明日からもっとつなぐ気持ちを心がけていきたいです。明日以降はとにかく勝ち点目指して、勝つだけです」

先発の野村
「(投球の)調子自体はよかったので、負けてしまったのは仕方がないです。(通算334奪三振数が秋山先輩に並び(歴代7位タイ))偉大な先輩に近づくことができて光栄です。明日は勝つしかないです」

4打数3安打の川辺
「今日の負けは受け入れ、これで終わりではないのでしっかり準備していきたいです。野村の調子はまあまあでした。(本日絶好調だった自身の打撃については)ヒットは打ててよかったですが、点につながらなかったので明日は点につながる打撃をしたいです。明日は負けたら終わりなので絶対勝ちます」

2安打1四球の阿部(寿)
「2安打打っても負けてしまったら意味がないです。慶応とは集中力の差がありました。あと一本が出せなかったです。明日は積極的に攻めていくしかないです」

☆応援へ行こう☆
10月2日 13時試合開始予定(一塁側)

☆神宮球場アクセス☆
・東京メトロ銀座線 外苑前駅より徒歩3分
・都営大江戸線 国立競技場駅より徒歩7分
・JR総武線 信濃町駅より徒歩7分 千駄ヶ谷駅より徒歩10分