(23)春の王者をKOせよ/慶応戦展望

2011.09.29
(23)春の王者をKOせよ/慶応戦展望

 迎え撃つかたちで春の王者との大一番に臨む。現在、全ての大学が2カードを消化し、勝ち点2は明治のみ。明治は慶応から勝ち点を奪取すれば、一気に優勝への道筋が開けていく。対する慶応は前週に法政と競り負け勝ち点を落とし、春秋連覇へ向け事実上もう後がなくなった。慶応はここ3季連続で勝ち点を落としている天敵だが、並々ならぬ覚悟で挑んでくる王者を今度こそノックアウトだ!

 法政戦では春のように打線がつながらず、早くも土俵際に追い込まれた慶応。だが、春、投打のバランスで完全優勝した実力は本物だ。高い総合力を持つ。

 打線の核は3番・山崎(錬)と4番・伊藤(ともに慶応)。秋は打順を入れ替えながら戦っているが、この2人は不動だ。山崎(錬)は春には2本の本塁打を放つなど初のベストナインも受賞した。また天性の勝負強さも持っている。高校3年夏の神奈川県予選決勝では決勝の勝ち越し3ランを放ち、今春も対立教2回戦で逆転2ラン、3回戦ではサヨナラ打と勝負強さを遺憾なく発揮した。「(チャンスで)そういう場面が好きだというのはあります。不安要素なくいいイメージで打席に入れます」とさらっと話す。秋もこれまで5試合で打率4割4分4厘、打点5と低調の打線の中で気を吐いている。一方、プロ注目の強打者・伊藤は、まだ本領発揮とは至っていない。春は惜しくも三冠王こそ逃したが、打点はチームの3割以上にあたる「17」をたたき出すなど、期待以上の活躍を見せ優勝の立役者となった。だが、秋は9四死球とまともに勝負されていないのもあるが、いまだ長打は「0」。今まで大きな波なく打ち続けてきた打者だけに、そろそろ一気に爆発しそうな気配が怖い。野村(商4)とのドラフト1位候補対決にも注目だ。春の1回戦は野村が無安打に押さえ込んだが、3回戦では適時二塁打を浴びた。伊藤は野村との対決に関して「打てないので対戦したくないです」と謙虚に話すが「楽しみと言えば楽しみですね」とも付け加えた。この強力な3、4番の前を打つ影山、金田(ともに慶応)の1、2番コンビに出塁を許せば、失点につながる可能性はかなり高くなる。明治からすれば、山崎(錬)、伊藤の前には、走者は絶対置きたくない。
 春に2回戦で9回2死から同点適時打を浴びた渡邉(暁・慶応)も、現在代打で2打点と勝負強さを見せている。右投手の多い明治に対して、勝負どころで左の代打の切り札の起用がまたありそうだ。

 投手陣は先発、中継ぎとつなぎ最後は福谷で締める勝ちパターンを確立している。福谷(慶応)は最速155キロの速球を誇り、春は30回1/3を投げて自責点2と圧倒的な成績で最優秀防御率を獲得した。絶対守護神が後ろに控えているだけに、劣勢の状態で後半に突入すれば、勝機は薄くなる。明治は負けている状態で、福谷をマウンドに上げさせたくない。
 第1戦で先発が予想されるエースの竹内(大・慶応)は直球こそ140キロ前後ながら、キレのあるスライダーで打者を幻惑する。投球術にも長け、自滅することはほぼない。昨春のデビューから早くもリーグ戦通算17勝を挙げており、まさに「勝てる投手」だ。竹内(大)は「1つも負けたくないです。任されたイニングはゼロに抑えたいです」と意気込んでいる。2戦目の先発には春から頭角を現した白村(慶応)が濃厚だが、クローザーの福谷が先発に回る可能性もある。福谷は基本的に抑えでの起用だが、前週の対法政3回戦、6月の全日本選手権決勝と大事な試合で先発を任されてきた。しかし全日本選手権決勝ではサヨナラ本塁打を浴び日本一に一歩届かなかった。「自分のせいで負けてしまいました」とその分、この秋に対する思いは強い。土壇場の状況で、先発抑えとフル回転も有り得る。

シーズン スコア 成績
過去の慶応戦スコア
11年春 ○6-0 4位
△2-2
●3-9
●0-5
10年秋 ○4-0 4位
●0-8
●3-4
10年春 ●2-3 3位
●3-4
09年秋 ●3-8 優勝
○3-1
○8-4
09年春 ○7-2 3位
○2-1
08年秋 ●2-3 3位
●1-3
08年春 △0-0 優勝
○6-2
○2-1

 慶応は因縁の相手だ。慶応はここ3季連続で勝ち点を落とし、さらに3季連続で自力優勝の可能性を消滅させられた。今春も勝てば首位に立てた2回戦で、あと1アウトまで追い詰めながら、そこから同点とされ、その後優勝争いから脱落した。「試合がどういう動きになっても、勝てる投球をしたいです。チームが勝てればそれでいいです」(野村)。次は明治が慶応を優勝戦線から引きずり下ろす番だ。

[上田悠太]

☆応援へ行こう☆
10月1日 10時試合開始予定(三塁側)
10月2日 13時試合開始予定(一塁側)

☆神宮球場アクセス☆
・東京メトロ銀座線 外苑前駅より徒歩3分
・都営大江戸線 国立競技場駅より徒歩7分
・JR総武線 信濃町駅より徒歩7分 千駄ヶ谷駅より徒歩10分

試合 勝利 敗戦 引分 勝ち点 勝率
勝敗表 第3週 9/26現在 
明大 ○●○ ◯●◯ 6 4 2 0 2 .667
慶大 ○●● ○○ 5 3 2 0 1 .600
早大 ●○● ○○ 5 3 2 0 1 .600
立大 ●● ○○ 4 2 2 0 1 .500
法大 ●◯● ●○○ 6 3 3 0 0 .500
東大 ●● ●● 4 0 4 0 0 .000