(22)慶応戦事前インタビュー 伊藤主将

2011.09.27
(22)慶応戦事前インタビュー 伊藤主将
 今春の、対慶応2回戦。明治は先制2点を奪い、最後の最後まで流れはこちら側のものだった。「あの試合は完全に負けていたと思う」(竹内・慶応)。慶応の選手ですらそうあきらめかけていた。誰もが明治の連勝を確信していたはずだ。
 ところが土壇場9回。2-1から同点打を放たれ、試合はまさかの引き分けとなる。その後3回戦、4回戦は悪い流れを断ち切れずに敗戦。一度は目前に見えていた勝ち点は、慶応の手中に消えていった。
 慶応の粘りに屈し、涙をのんだ昨シーズン。リーグ制覇のためにこの秋も慶応戦が山場となる。リベンジを誓う明治と、連覇を狙う慶応。今回は天王山・慶応戦の前に、慶応の4選手に話を聞いた。

―伊藤主将―
・今の調子はいかがですか
――絶好調です。

・夏はどのようなことを意識して練習してきましたか
――チームは守備や走塁のレベルアップを中心にやってきました。自分個人としてはやはりバッティングですね。

・伊藤選手は最近打法を少し変更したとお聞きしましたが
――そうですね。いろいろなことを試しながらやっています。明治戦までにはかたちにしたいですね。

・ルーティーンはありますか
――絶対にやるってことはないです。ただ、打席に入る前、毎回同じ準備ではいけないと思うのでベストコンディションで自分のパフォーマンスを発揮するために必要なことはやります。

・出場したシーズンはいつも素晴らしい打率を残していますが、秘訣は
――たまたまですよ。自分を抑えるのは簡単だと思います。

・主将に就任されてからはどのようなチーム作りを心掛けていますか
――やるからには結果にこだわって、厳しくしたいと思っていて。自分たちはあくまでも学生なので、関係者の皆さんや支えてくださっている全ての方々に応援されるようなチームにしようということは主将になってからずっと言っています。そのためには礼儀やあいさつ、そういうところからしっかりできるチームにしたいという気持ちがありますね。

・今年の慶応のチームカラーは
――学年、メンバー問わずみんな仲良しです。部員全員が同じ方向にベクトルも向いていますし。全員が(リーグ戦)春秋連覇に向けて、同じ目標をもって頑張っています。

・今年の明治の印象は
――打っているな、と思います。打線全体としては勝負強い印象があります。つながり始めたら怖いですね。足も絡めてきているので、バッテリーがどう攻めるかですよね。

・特に警戒している打者は
――誰というか、つながりだしたら怖いなという感じなので…。でもやっぱり島内(法4)ですかね。ゴジラみたいです。1、2番が出たら本当怖いです。中軸がしっかりしているので。川辺(商4)も2本ホームラン出ていますし…。意外性もあって怖いです。

・今春の明治2戦目は土壇場で同点にし、こちらとしてはやられたなという試合でしたが、慶応としてはあの試合をどう思っていますか
――明治、がっくりしていました(笑)?あの試合は間違いなくうちが2連敗していたような試合だったと思います。でも終盤に追いついてから、スキをついて2死走者無しから勝つことができた。気持ちの面で勝つことができたのだと思いますね。明治がちょっと油断してしまったところにつけこめた。でも(明治が)同じことは繰り返さないと思うので。秋は怖いですね。

・野村(商4)さんを初めて見た時の印象は
――2年の秋に初めて対決して。めちゃくちゃ勝っていますし、全てのボールでカウントが取れる上にコントロールも良い。打者からしたら、対戦したくなるような投手だと思います。

・先日伊藤選手はプロ志望届を出されましたが、プロの世界で野村さんとの対決も実現するかもしれません
――打てないので対戦したくないです(笑)。でも、楽しみと言えば楽しみですね。

・野村さん以外の投手陣はどうですか
――自分、高校時代に柴田(章・文4)に負けているんですよ。柴田(章)はいい投手だと思います。野村意外だったら、柴田(章)に思い入れがありますね。

・明治で仲の良い選手は
――野村は国際大会でよく一緒になりますし、ほかにも川辺とか、中村(将・法4)、中原(大・文4)、阿部(寿・情コミ4)は仲が良いですね。主将同士なので竹田(文4)もよく話しますし。明治にはけっこう仲の良い選手が多いです。

・今年の日米大学野球では、中嶋(法2)さんが伊藤選手にいろいろ教わったとお聞きしました
――そんなにいろいろ教えてないです。もともとガッツがあっていい選手だと思うので。頑張れ、とは言えないですけど注目はしています。

・ライバルはいますか
――いないです。そういうのは作らないようにしているので。


・プロ野球選手では目標としている選手はいますか――全然いないです。(高橋由伸選手(東京読売巨人軍)2世とよく言われているとおもいますが)比較するだけ高橋選手に失礼だと思います。自分はまだまだなので。

・この秋はどう戦っていきたいですか
――春は優勝した分、この秋は追われる立場として戦わなければなりません。なので、受け身にならずチャレンジャーとしてどんなプレーでも積極的にやっていきたいですね。

・慶応の強みは何でしょうか
――うちにはスポーツ推薦の選手がいません。部員全員が「慶応でやりたい」という気持ちを持って入ってきました。その分勝ちたいという思いはどこよりも強いと思います。それが慶応の強みですね。

・慶応に入学されてから伊藤選手自身、何か気持ちの面で変わったところはありますか
――高校とは違い、大学はその名前自体を背負っているので、練習などしていてもこの程度でいいのかとかそういう自覚は持ちながらやれるようになりましたね。自分は2年で試合に出て、3年でレギュラーを取って4年でキャプテンになって。そうしていくうちに、高校のころよりは自分よりチームを優先できるようになりました。

・4年間振り返っていかがですか
――山あり谷ありでした。上級生になった途端時間が経つのが早いと感じるようになりましたね。この秋もあっという間に終わるんでしょうね。

・最後に明治戦に向けて一言お願いします
――明治といい試合をして神宮を盛り上げていきたいと思っています。是非球場に足を運んで、慶応の勝ちを見に来てください。