
(19)伝統の”明法戦”! 好調の打線で打ち崩せ/法政戦展望

初戦の早稲田戦を白星で飾り、勝ち点を獲得した明治。ついに今週は、この春3位の法政との“血の明法戦”を迎える。
法政は毎年、二神一人選手(阪神タイガース)や加賀美希昇選手(横浜ベイスターズ)など、六大学を代表する好投手を軸に戦いを組み立ててきた。今年は、春に4勝を挙げ大学日本代表入りを果たした三上(法政)と最速155kmを誇る三嶋(法政)のダブルエースが軸となっている。加えて、球の出どころが見えにくいフォームから140km台後半の直球を繰り出す吉越(法政)と右横手から力強い直球を投げ込む船本(法政)がリリーフとして控えるなど、大量得点は難しい。
投手力は健在。しかし、バックの守備陣は今春13試合で14失策するなど安定感に欠ける。明治はチーム打率が2割3分9厘と春は貧打に泣いたが、12日に行われた対早稲田3回戦では、2桁12安打を記録するなど復調の兆しを見せている。3試合で打率4割超の島内(法4)を中心とした打線が、不安を残す法政の守備につけ込んだ攻めを見せることができれば、勝利はグッと近づきそうだ。
投手陣を援護する打撃陣は、春に打率チームトップの3割2分をマークした多木(法政)とルーキーながら2本塁打を放った伊藤(法政)がポイントゲッターとなる。伊藤は規定打席には達しなかったものの夏のオープン戦からは4番に座るなど、高校通算94本塁打の実力を早くも発揮している。金光監督(法政)も太鼓判を押している若き大砲は、明治にとって恐ろしい存在になりそうだ。しかし、多木と伊藤は夏の間にそれぞれ首と肘にケガを抱えた影響で調整が遅れており、春の勢いそのままにというわけにはいかなさそうだ。積極的に内角を突き、ケガした部分を気にさせる投球ができれば、2人を抑え込むことは不可能ではない。そうとは言っても、ベストナインに選ばれた原田(法政)や春の打撃10傑に入ったリードオフマン・建部(法政)など、実力のある打者は他にもいる。難波主将(法政)が「取られたら取り返す。打ち勝ちにいく」と語ったように、“ビックバン打線”は鳴りを潜めてはいない。試合の勝敗は、法政打線の中心となる建部、多木、伊藤、といった左打者を抑えられるかどうかで、左右されるだろう。明治としては、柴田(章・文4)など左腕の活躍が重要となってくる。
4季ぶりのリーグ制覇を狙う明治。六大学野球で最多優勝回数を誇る法政は非常に大きな壁だが、春の最終戦で辛酸をなめさせられたからには必ず倒さなければならない相手だ。
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