2本塁打で開幕戦快勝! 野村は完投でリーグ戦通算25勝目/東京六大学秋季リーグ戦

2011.09.10
2本塁打で開幕戦快勝! 野村は完投でリーグ戦通算25勝目/東京六大学秋季リーグ戦
 秋の明治は打ちます。春は1試合平均の得点が3点未満と打線が湿ったが、2本の本塁打が飛び出し早稲田を退けた。1回に島内(法4)のソロ本塁打で先制すると、2回にも川辺(商4)が3点本塁打を放ち序盤で流れを呼び込んだ。野村(商4)は3回に暴投で1点を失ったが、1失点完投勝利。投打ががっちりかみ合って開幕白星スタートを切った。
 
 電光石火の先制パンチだった。試合開始わずか5分、島内のバットが快音を発した。2球目のストレートをとらえた打球は右翼手の頭上を越えてスタンドへ。先制ホームランを放ち、とびきりの笑顔でホームへ帰ってきた。「打った瞬間は入ると思わなくて、びっくりしました」と本人も驚きの一打は明治に貴重な先制点をもたらした。

 秋の明大打線はこれで止まらない。島内の本塁打が起爆剤となり、打線に火がついた。相手に立ち直るスキも与えなかった。2回表、阿部(寿・情コミ4)が左前打を放つと中嶋(法2)が犠打で得点圏へ進める。早稲田の先発・有原の暴投も重なりランナーは三塁へ。さらに小林(要・政経4)の四球で1死一、三塁のチャンスで迎えたバッターは8番・川辺。初球、真ん中に来たカットボールを思い切り振る。大きくアーチを描いた打球は左中間のフェンスを越えた。追加点となる3ランホームラン。一挙3点を挙げたバッティングに川辺は「打った瞬間入ると思いました。気持ちよかったです」と晴れ晴れした表情を浮かべた。川辺は「明日も打ちます」と気合い十分。要所で打ちチームを助けてきた女房役が最後の秋、爆発の予感だ。

1失点完投勝利を挙げた野村
1失点完投勝利を挙げた野村

 良い攻撃のリズムは守備にも良い流れをもたらした。初回、上本(商3)が二遊間の抜けそうな当たりを逆シングルでさばき素早く送球し二ゴロに。4回には2死一、三塁のピンチで阿部(寿)が後方に飛んだ打球をジャンピングキャッチで救った。
 投げては立ち上がりが不安視されていたエース・野村が滑り出しから安定した投球。8回には4番の土生(早稲田)に対し本日の最速148㎞を記録した。スライダー、チェンジアップを織り交ぜ次々と打者を打ち取り、許した安打はわずか6本。3回に佐々木(早稲田)の三塁打と暴投で1点を失うものの、ここからがドラフト1位候補、絶対的エース・野村の真骨頂。その後はテンポよくコーナーをつく投球で快投を演じ、観客を湧かせた。学生最後のシーズンを迎えた野村は今季史上7人目の300奪三振・30勝達成が懸かっている。達成済みの300奪三振に加え、今日でリーグ戦通算25勝目となった。大記録までこれで残り5勝と一歩前進した。

 攻守ともに幸先の良いスタートを切った。「思い切ってプレーをした」と試合を終えた選手は口をそろえて語る。春は第1戦に全勝したが、その後勝ち切ることができず4位に終わり、2季連続Bクラスの苦杯をなめさせれた。「2戦で終わらせます」(阿部寿)。もう同じ失敗は繰り返さない。明治の逆襲劇が始まった。

[中村綾佳]

◆明大打撃成績◆
打順 守備 名 前
(二) 上 本 .250 右飛 遊安       三ゴ    三ゴ     
(中) 中村(将) .500 左飛    中安    右飛    中安   
(左) 島 内 .250 右本    二ゴ    左飛   二ゴ  
   田中(勇)                           
(一) 竹 田 .000 一ゴ    遊飛       遊ゴ    右飛
(遊) 阿部(寿) .750 左安    右安    遊ゴ    中二  
(右) 中 嶋 .000 投ギ    捕ギ    遊飛 四球
(三) 小林(要) .000    四球    二ゴ    二ゴ  中飛
(捕) 川 辺 .250    左中本    左飛    投ゴ 三振
(投) 野 村 .000    二ゴ       中飛    一ゴ   
   31 .258                           

◆明大投手成績◆
名 前 球数
○野 村 105 1.00