
(9)雪辱のラストシーズン 中村将貴

まず取り組んだのが意識改革。今までは「どこか“打てないと負け”という意識があった」と言うように、クリーンヒットにこだわっていた部分があった。しかしそれは違った。その時その時で自分のできることを考え、打てないと思ったらセーフティーバントを試みるなど、チームのためにと割り切ってやることが重要だと気が付いた。それも野手に転向して周りが見えるようになったから。「投手は“自分が自分が”の方がいいが、野手はつなぎの意識が必要」。周りを見ながら、自分の役割を考え実行している。
何をやるべきか考える姿勢は打席で打ちにいく際にも生かされている。「狙うべきボールが分かるようになって落ち着いて打席に入れるようになった。打つべき球を打てている」と9月のオープン戦では毎試合安打を放つなど好調を維持している。
元投手なだけに、打撃でピッチャーを助けたいという思いは誰よりも強い。「今までは野村(商4)が投げているなら大丈夫という雰囲気があった。しかし野村も人間、悪いときもある。その時は野手が助けないと勝つことはできない」。オープン戦では投手がつないで最少失点に抑えている。やはり打線の奮起が重要。それを強く感じたのは9月3日、日体大とのオープン戦だ。先発の野村が初回に4失点。いつもなら、そのまま沈んで負けるところだった。でも今季の明治は違う。その後じわじわと得点を重ね、終わってみれば12―5の逆転勝ち。「春までの自分たちなら負けていたが、その時は負ける気がしなかった」とこの一戦に成長を感じた。
リーグ開幕へ向け「4年生が意地出します」と語気を強めた中村(将)。悔しさとふがいなさだけが残った春から3カ月。外野手・中村将貴は、このままでは終わらない。
◆中村将貴 なかむらまさたか 法4 関西高出 178・70kg 右/左
次回のTOYKOBIG6秋2011は9月9日(金)、野村(商4)、川辺(商4)、柴田(章・文4)、上本(商3)をアップ予定です。お楽しみに。
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