(6)譲れない第1カード!早くも明早激突/早稲田戦展望


早くも全幅の信頼を置かれている有原
守備から攻撃へとつなげる。早稲田がこの秋テーマとするのは、守備の徹底だ。そのカギを握るのが、投手陣。今春は大量失点から崩れたが、夏を終え一回り成長した。「不利なカウントからでもインコースに投げられるようになった」というエース左腕・大野(早稲田)は真っ直ぐの威力を上げた。今春の明治戦でも先発した1年生・有原(早稲田)もスピードボールに加え「チェンジアップが良かった」と落ちるボールを磨き、さらにパワーアップした様子を見せる。他にも高梨(早稲田)や横山(早稲田)といった顔ぶれがそろう中、どの投手にもいえるのは制球が安定するようになり、四死球が少なくなったこと。彼らから攻撃の糸口をつかむことは容易ではなくなっている。
しかし、早稲田が最も脅威としている明治の機動力を生かせば決して恐れることはない。「足の速い選手がそろっているので、塁に出したくない」(有原)。選球眼が鋭く、足も速い上本(商3)が出塁すればそれだけでエンジのマウンドにプレッシャーを与えることができるはずだ。今春10盗塁の脚力を見せた中村(将・法4)も「一つでも多く盗みたい」と秋も走っていくことに意欲を見せる。まずは明治の1、2番コンビで揺さぶることが得点への第一条件だ。
勝負できるのは足だけではない。力強いバッティングができるのも明治の強みだ。中でも「警戒し過ぎないようにしていても意識してしまう」と早稲田の選手が口をそろえて言うのが島内(法4)。「難しいボールもしっかりとらえてくる」(大野)。多彩な変化球を操る早稲田投手陣も島内の前には手を焼くという。どんな投手が相手でも安打を放つことができるため、島内の前にどれだけ走者を置くことができるかが決め手となる。上本や中村(将)が出塁し島内が返す――。このパターンを確立すれば早稲田を打ち崩していくことはそう難しいことではない。

春は不調だった土生も決して油断できない
機動力でかく乱させたい明治だが早稲田の武器も同じく機動力にある。今夏、大学日本代表にも選出された佐々木(早稲田)はエンジの切り込み隊長。今春チームトップの16安打を放った打力を持って出塁したが最後、一塁到達3.8秒の韋駄天(いだてん)でかき乱す。主にクリーンアップを打つ地引(早稲田)も足の速い選手。塁に出したら厄介な存在だ。
打率1割8分8厘と大ブレーキがかかった土生をはじめ、全体的に湿りがちだった打撃も復調。社会人中心のオープン戦を戦うことにより「点を取られても取り返せる。粘り強くなった」(土生)。足と、粘り強さ。これを両方封じるには明治の投手がいかに三振を取りに行けるかどうかが左右するだろう。野村の好投が期待される中、大事になってくるのは第2戦目。自慢のフォークだけではなく「スライダーでも三振を取ることができるようになった」という難波(情コミ4)がどれだけ抑えられるかが勝負を分ける。
多種多様な投手に、機動力と粘り強さをいかしたプレー。今シーズンの早稲田は一筋縄ではいかない。しかし早稲田の最大にして最強の武器はその「明るさ」だろう。「元気のよさならどのチームにも負けない」(土生)。試合前のノックからどのチームよりも元気を出してやっているというほどのその雰囲気にのまれたら、ずるずるといってしまいかねない。「この試合取った方が優勝争いに残れる」(土生)。リーグ戦の行方を占う大切な1カード目。悲願のリーグ戦優勝を果たすため、この戦いは絶対に譲れない。
☆野村、土生主将の広陵高対決☆
野村と土生の広陵高対決もこの秋が最終章。今春は「バット2本折られた」(土生)と言うほどの重いストレートで、勝負は野村が制した。最後は「お互い悔いなく全力でやれたらいい」と土生。最後の戦いをものにするのは――。2人の対決にも注目だ。
次回のTOYKOBIG6秋2011は9月8日(木)、阿部(寿・情コミ4)、中村(将・法4)、島内(法4)をアップ予定です。お楽しみに。
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