(5)チームを勝利へ導く若きスラッガー 中嶋啓喜

2011.09.07
(5)チームを勝利へ導く若きスラッガー 中嶋啓喜
 中嶋(法2)は今春、2年生ながら主力として12試合に出場。本塁打も神宮初アーチを含む2本を放ち、チームで唯一本塁打を放った選手となった。そんな中嶋はリーグ戦での活躍が認められ、日米大学野球選手権の日本代表にも選出。第3戦では打点をマークするなど一流選手と渡り合えるだけの実力は十分にあることを証明した。

 春はチームが打撃不振に陥る中、チームトップタイの打点6をマーク。チームの勝利に貢献する働きを見せた。だが後半は中嶋も打撃不振に陥り、結局打率は.270と低迷。「バッティングが売りなだけに、もっとやらなくてはという気持ちは強い」と現状に満足している様子は一切うかがえない。中嶋は以前から変化球への対応が課題といわれてきた。だが逆方向への意識付けを強くすることで簡単に振らされず、付いていくことができるようになった。「変化球を打てないようじゃ後半戦はきつくなる」と高いレベルを経験したからこそ感じるものがあるようだ。
 また日本代表では桐蔭学園高時代の先輩でもある鈴木(東洋大)や大学一の強打者・伊藤(慶応)からもアドバイスをもらった。「一つ一つのことにしっかりと根拠がある。特に打つ前の段階の心構えを教わった」と持ち前の打撃センスにメンタル面も強化できれば、まさに“鬼に金棒”だ。

 
 1年春からリーグ戦に出場し、2年春にはレギュラー定着。そのまま一気に日本代表まで駆け上がっていった中嶋だが主力としての自覚や責任は重々感じ始めている。「2年生だからとか学年関係なく(主力として)試合に出ている以上、明治を代表している気持ちは持たなければいけない」。自分のことよりもチームの勝利を第一に考えているからこそ出てくる言葉だ。
 そして一緒に戦ってきた4年生も今秋がラストシーズン。「(今の4年生に対する)思い入れはある。いろいろとお世話になったので最後に優勝させてあげたい」と今季に懸ける思いは人一倍強い。今までの恩返しをする最後のチャンスだけに、ここを逃すわけにはいかない。

 今春はリーグ戦に日本代表とさまざまな経験をし、みるみる成長していった中嶋。だが常に謙虚な姿勢は忘れない。「小さな事を率先してやることができる」(金光日本代表監督)としっかりとした下積みがあるからこそ、ここまで成長することができた。そして目標である4季ぶりのリーグ優勝、またその先にある15年ぶりの日本一へ。この男の「フルスイング」が名門・明治を復活させる。

◆中嶋啓喜 なかしまひろき 法2 桐蔭学園高出 180・78kg 右/右

次回のTOYKOBIG6秋2011は9月8日(木)、阿部(寿・情コミ4)、中村(将・法4)、島内(法4)をアップ予定です。お楽しみに。