(8)「チームが勝つために」 竹田育央 

2011.09.07
(8)「チームが勝つために」 竹田育央 
 事あるごとに竹田主将(文4)はこの言葉を繰り返す。「チームが勝つために…」。主将の自覚が強い男は、常に個人よりもチーム優先の姿勢を貫く。
 
 とにかく背中で引っ張るのが信条だ。練習から常に全力でプレーし、先頭に立ってチームを鼓舞する。「そうしないと言葉にも重みが出ないですし、周りも付いてこないですから」。行動で示すことによって、BIG3と呼ばれる1人・野村(商4)や選抜準V右腕・森田(法4)などの個性派軍団を束ね、ムードを盛り上げている。

 主将としての自覚は、自身の成長も促した。3年秋までスタメン出場は1試合だけ。放った安打もそれまで3本しかなかったが、春は打率3割2分7厘、打点6を記録。対早稲田2回戦から対法政2回戦まで9試合連続で安打も打った。一塁手としてベストナインにも選出。それでも「(ベストナインは)おまけみたいなものです」と関心は薄く、個人記録は二の次だ。
 
 春は個人としての結果は残したが、やはり満足できるシーズンではなかった。竹田主将自身の安打は出るが、チームはそれと反比例するように05年秋以来の勝ち点2に沈む。「先頭に立っている以上、チームの結果が出なくてつらかった」と漏らした。夏はつらさを振り払うかのように練習に打ち込んだ。適時打に欠いた春の敗因を分析し、竹田主将自身では打撃に、チームとしては走者の動きを含めた実戦の流れを意識したプレーに、重点を置いてきた。

 夏のオープン戦では主に4番、ファーストでの出場。だが、当然のように一人で試合を決めるような打者になることは望んでいない。「そういうタイプの打者ではないですし、4番目の打者として、チームが勝つことを最優先に心掛けています」。同じく主将を務めていた報徳学園高時代、3年夏の地方大会では6割5分5厘と安打を量産。この秋もあくまでつなぐ意識を持って、勝利の歯車になることに役割を置いている。

 竹田主将は秋に向けてこう意気込んだ。「キャプテンになった時から日本一を目標にやってきました。チームの勝利を考えて試合をしていきたいです」。09年秋以来のリーグ制覇、96年以来の日本一へ。フォア・ザ・チームを強調する男は、誰よりも勝利を欲している。

◆竹田育央 たけだいくひろ 文4 報徳学園高出 174・72kg 右/左
次回のTOYKOBIG6秋2011は9月8日(木)、阿部(寿・情コミ4)、中村(将・法4)、島内(法4)をアップ予定です。お楽しみに。