
ルーキー特集(4)島根が生んだリードオフマン 糸原健斗

そんな糸原の武器は高校通算打率が4割を超える打撃だ。「打撃は好き」と語るように、強靭(きょうじん)な下半身を軸としたスイングは迫力満点。また、ミート力が高く、手首の返しも強いため、逆方向へも強い打球を打てる。高い打率をコンスタントに残す糸原は相手にとって厄介な存在だ。現在は木のバットへの対応に苦戦しているようだが、徐々に慣れてくればすぐに結果はついてくるだろう。
しかし糸原の魅力は打撃だけではない。「走攻守三拍子そろった選手になりたい」と守備、走塁にも自信ありだ。打球への反応が早く、フットワークの軽い守備は安定感抜群。また走塁についても50m6秒1の俊足で相手をかき回す。三塁手で長打も打て、三拍子そろった全盛期の岩村明憲選手(東北楽天ゴールデンイーグルス)のようなタイプ。順調に成長すれば、チームにとって大きな戦力になることは間違いない。
野球センス抜群の糸原。だが、ここまでの成長は小さな努力のたまものだ。「自分に負けないようにやっている」。夜間練習にも積極的に参加し、日々の自主練習を怠らない向上心は人一倍だ。また、「大きな試合だから特別ということはない。負けた試合は全部悔しい」とどんな試合にも全力で戦う姿勢は大物への片りんもうかがわせる。大学での目標は日本一。「高校でも目指していたが駄目だった。大学でもやるからには目指したい」と堂々と語った。
リーグ戦には伊藤(諒・法大)、有原(早大)など高校時代から有名だった同期が多く出場している。「彼らの活躍は刺激になるし、自分もやらなきゃと思う」と語るように、高いレベルで切磋琢磨(せっさたくま)していければ、個々のレベルもおのずと上がっていくだろう。そして今後も順調に成長していけば、“日本一のリードオフマン”へとなれる日が来るのもそう遠くはない。
野球漬けの日々を送っている糸原。オフの日は買い物に行きリフレッシュしているそうだ。
次回のルーキー特集は福田(商1)8月15日(月)アップ予定です。お楽しみに。
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